100年以上続く焼石膏メーカーが、専門知識をAIで共有へ サンエス石膏がJAPAN AIで進める技術継承と現場業務の改善

100年以上続く焼石膏メーカーが、専門知識をAIで共有へ サンエス石膏がJAPAN AIで進める技術継承と現場業務の改善のアイキャッチ画像
導入前の課題
導入後の成果
【企業紹介】
専門知識の共有と業務効率化へ。100年以上続く石膏メーカーがAIを選んだ理由
議事録は2〜3日から当日中へ。ベテランに聞いていた知識もAIで検索
管理・分析業務をAIで支援し、人は製造・開発に注力

導入前の課題

  • 製造方法、薬事、QMS、品質管理、配合調整などに関する専門性の高い資料や情報が社内に蓄積されていた一方、必要な情報をすぐに探し出して業務に活用することが難しかった
  • 専門用語の理解や業務上の判断がベテラン社員の知識・経験に依存し、問い合わせ先の確認や経験者への相談に時間がかかっていた
  • 生成AIへの関心は高まっていたものの、セキュリティへの不安に加え、複数のAIサービスからどれを採用すべきか判断しきれず、実務活用に踏み出せていなかった

導入後の成果

  • JAPAN AI SPEECHの活用により、2〜3日かかることもあった議事録を、会議当日中に確認できるようになった
  • QMS規定検索AIにより、医療機器に関する法令や社内マニュアルの確認を効率化。審査対応時にベテラン社員へ確認していた内容も、エージェントで検索できるようになった
  • 専門用語を含む翻訳、資料分析、画像修正、配合分析など、専門メーカーならではの業務へAI活用が広がっている

【企業紹介】

会社名:サンエス石膏株式会社
事業内容:焼石膏の製造・販売
従業員数:71名
利用サービス:JAPAN AI CHAT/JAPAN AI AGENT/JAPAN AI SPEECH

サンエス石膏株式会社は、1919年に兵庫県姫路市で創業した焼石膏メーカーです。大阪、姫路、瀬戸の3拠点で石膏の製造・販売を行っています。同社の石膏は、歯型や入れ歯の製作に用いるデンタル用途や、陶磁器を量産する際の型材など、専門性の高い分野で活用されています。

100年以上の歴史を持つ同社には、製造方法、薬事、QMS(品質マネジメントシステム)、品質管理、配合調整などに関する知識やノウハウが蓄積されています。一方、ベテラン社員の経験に依存する部分もあり、資料を探す、問い合わせ先を確認する、専門用語を理解するといった業務に時間がかかる場面がありました。

生成AI活用の必要性は社内で認識されていたものの、業務上の情報を扱ううえでのセキュリティへの不安がありました。また、ChatGPT、Claude、Geminiなど複数のAIサービスからどれを採用すべきか判断しきれず、実務活用に踏み出せていませんでした。

そこで同社は、社内で生成AIを活用するための共通環境としてJAPAN AIを導入しました。現在では、議事録作成、専門用語を含む翻訳、資料分析、QMS規定検索、配合分析、画像修正など、同社ならではの専門業務にも活用が広がっています。

今回は、経営管理部の武谷 強貴氏、姫路工場 工場長 兼 技術部 部長の岡本 佳大氏、技術部の五味 有紀氏に、導入の背景、専門メーカーならではの活用法、技術継承や現場業務での効果、今後の展望を伺いました。

専門知識の共有と業務効率化へ。100年以上続く石膏メーカーがAIを選んだ理由

―――JAPAN AI:JAPAN AIを導入する前、社内ではどのような課題がありましたか。

―――武谷氏:当社は1919年に創業し、石膏の製造・販売を行っています。製造業ということもあり、業務では製造方法に関する専門用語や略語が多く使われています。そうした言葉や情報を、AIを使って社内でわかりやすく共有できたらと考えていました。

業務上の課題として、受注処理では今でもFAXや電話による受注があります。そうした業務を効率化したいという思いがありました。また、議事録もより早く作成したいと考えていました。

―――岡本氏:石膏メーカーは、一般の方には少し遠い存在に感じられるかもしれませんが、石膏は実際には身近なところで使われています。

デンタル用途では、石膏の粉を固めて歯型を作り、入れ歯の製作などに用います。陶磁器では、器などを量産する際に、石膏で作った型へ泥を流し込んで成形することがあります。当社は、こうした用途の製品を製造しています。
専門的な業務が多いため、社内には長年の知識や経験が蓄積されています。一方、ベテラン社員の知識に頼る場面もあります。工場でも世代交代を進める必要がある中、作業マニュアルを動画で残すなど、知識や技術を継承する取り組みを進めており、その流れでAIの導入も検討しました。

―――JAPAN AI:導入を検討するうえで、不安やハードルはありましたか。

―――武谷氏:最も不安だったのはセキュリティです。入力した情報がどのように扱われるのかを心配していました。

AIサービスにはChatGPT、Gemini、Claudeなどがありますが、主要拠点が海外にあるケースも多くあります。海外事業者のサービスでは、データの取り扱いや契約条件、適用される制度などを含め、当社として確認すべき事項が多く、評価に難しさを感じていました。その点、JAPAN AIは国内事業者であり、疑問や不安を直接相談できることに安心感がありました。こちらの状況や意図をくみ取って対応してもらえたことも、導入を判断するうえでの安心材料になりました。

社内には、AIを導入してどれだけ変わるのかと不安に思う人もいました。明確な反対派というより、「本当に変わるのか」という懸念を持つ人がいた印象です。また、導入当時は、ChatGPT、Gemini、Claudeのどれがよいのか、ニュースを見るたびに情報が変わっていました。一つに決めきれない中で、複数のLLMをまとめて使える環境は当社に合っていたと感じています。

議事録は2〜3日から当日中へ。ベテランに聞いていた知識もAIで検索

―――JAPAN AI:導入後、どのような業務で活用が進みましたか。

―――武谷氏:まず、議事録作成のスピードが大きく上がりました。

以前から議事録を残す文化はありましたが、内容の細かさやまとめ方は担当者の力量に左右されていました。また、作成に2〜3日ほどかかることもあり、見直す頃には会議の内容を思い出しにくくなっていました。
JAPAN AI SPEECHを使うことで、午前中の会議であれば、その日の午後には議事録を確認できるようになりました。社内用語などに修正が必要な部分はありますが、その時間を含めても、作成時間は以前より大幅に短縮されています。

そのほか、社内外から受け取った資料の整理や、重要箇所の抽出にも使っています。量の多い資料を読む前に要点をつかめるため、内容を理解しやすくなります。契約書などの文書確認の補助にも活用しています。

―――五味氏:技術部では、翻訳によく使っています。

たとえば、海外のデンタル関連カタログを読んだり、輸出に関する海外の法的文書を確認したりすることがあります。反対に、社内の日本語資料を英訳する場面もあります。

ただ、当社の業務では一般的な翻訳だけでは対応しきれません。デンタル用途の石膏や輸出関連の資料には、多くの専門用語が出てきます。そのため英訳する際は、Excelで専門用語の対訳表を作り、データセットに登録したうえで翻訳しています。

こうした活用は、技術部だけで完結するものではありません。営業部も海外のお客様や輸出関連の資料を扱うため、技術部で試して便利だった方法を、関係する社員へ「こういう使い方ができる」と共有することもあります。
部署ごとに異なる訳語を使うのではなく、専門用語の表現をそろえて確認できる点にも、AIを使う意義があると思います。

―――JAPAN AI:専門的な知識や資料を扱う業務では、どのような活用がありますか。

―――岡本氏:大きかったのは、QMS規定検索AIです。

デンタル用途の石膏は医療機器に該当するため、医薬品医療機器等法に従って社内マニュアルを整備しています。また、ISO 13485も取得しているため、審査機関の審査を受けることがあります。

これまでは、審査で「どのように規定されていますか」と聞かれると、ベテラン社員が記憶をもとに「マニュアルの何項と、関連規定の何条です」と答えていました。QMS規定検索AIには法律や社内マニュアルを読み込ませているため、必要な手続きや該当箇所をエージェントが示してくれます。

実際の審査対応でも、示された該当箇所を原文で確認しながら回答でき、大いに役立ちました。これまではベテラン社員の記憶に頼る場面もありましたが、若手社員も根拠となる規定にたどり着きやすい環境が整ってきたことは、技術継承の面でも大きいと思います。今後も、知識を社内で共有していく仕組みとして活用していきたいと考えています。

配合分析では、現在、エージェントの試運用を進めています。当社では、さまざまな原料を混合した後、意図した状態になっているかを検査してから次の工程へ移ります。結果にずれがある場合は、配合を調整します。

これまでは、訓練を受けた試験担当者が検査結果をもとに必要な調整を判断していました。その判断を支援するため、結果に応じた調整方法を提案するエージェントを作りました。最終的な判断は、これまでどおり試験担当者が行います。現在はテスト段階ですが、活用できそうだという感触があります。

また、人の判断とAIの提案を比較し、異なる場合にはその理由を確認することもできます。こうした使い方により、判断の見落としやばらつきを減らすことにもつながるのではないかと考えています。

―――JAPAN AI:社内での利用はどのように広がっていますか。

―――武谷氏:現在はバックオフィスメンバーの11名にアカウントを発行しており、日常的に活用しています。その様子を見たほかの社員からも「使ってみたい」という声が上がっており、利用者を増やす予定です。

経営管理部では、私のほかにも推進リーダーを置き、一緒に活用を進めています。新しい使い方やエージェントを作って各部署に共有すると、それをきっかけに「自分たちの業務にも使えるのではないか」というアイデアが生まれます。まず具体的な活用例を見てもらい、それぞれの業務に置き換えて考えてもらうことで、社内でのAI活用が少しずつ広がっていると感じています。

管理・分析業務をAIで支援し、人は製造・開発に注力

―――JAPAN AI:今後、どのような業務にAI活用を広げていきたいですか。

―――岡本氏:工場では、生産計画エージェントも作りたいと考えています。

石膏製品には、通常在庫として出荷する製品と、お客様向けに特別にアレンジする受注生産品があります。現在は受注状況を見ながら計画担当者が調整していますが、あらかじめ条件を設定すれば、AIでも対応できるのではないかと考えています。

実現すれば、在庫管理にもつながります。工場の管理業務の多くは、AIで支援できるのではないかと考えています。
もちろん、工場には人が行うべき業務もあります。細かなハンドリング、在庫の確認、実際の製造などは人が担います。管理業務にAIを活用することで、人材をより現場や製造に近い業務へ配置できるのではないかと思います。

―――五味氏:技術部では、品質管理や統計分析にさらに活用できると考えています。

品質管理に関する比較や、配合、苦情、輸出入に関するデータなどを分析し、考察までAIでできるようになれば、業務時間を短縮できます。年間の振り返りや総括にも活用し、翌年の改善につなげたいと考えています。

技術部では、開発は人にしかできない業務です。これまで品質管理や統計分析にかけていた時間をAIで短縮し、人にしかできない開発業務に注力できるようにしたいと考えています。

―――武谷氏:資料分析では、異なる視点から確認できる点もAIのよいところだと感じています。

自分だけで資料を読むと、一つの見方に偏ることがあります。たとえば「今回はよかった」と思っていると、よかった点ばかりに目が向いてしまいます。そのようなときにAIへ「少し厳しい視点で見てほしい」と依頼すると、自分では見落としていた観点を示してくれます。

それを参考に読み返すと、「確かにそういう見方もある」と気づけます。一人で資料を見ていても、複数の視点から確認できるようになったことは大きな変化です。

―――JAPAN AI:これからAI導入を検討する企業に向けて、アドバイスをお願いします。

―――武谷氏:専門性の高い業界や歴史のある会社でも、自分たちでハードルを上げすぎず、まずは使ってみることが大切だと思います。

今は、YouTubeやインターネットを開くたびに「一番よいAIはこれだ」という情報が出てきます。どのAIを選べばよいのか、今選んでよいのか、判断に迷うことがあります。その点、JAPAN AIのようなプラットフォーム型であれば、複数のAIを一つの環境で使えるため、世の中のニュースに左右されずに触れることができます。

また、あらかじめエージェントが用意されているため、「何から始めればよいのだろう」という悩みも軽くなります。資料作成、議事録作成、画像生成など、利用しやすい業務から始められると思います。

当社のように専門用語や長年蓄積した業務知識が多い会社でも、実際に使うと、議事録、翻訳、資料検索、規定確など、活用できる場面が見つかりました。歴史があるからこそ蓄積された知識を今後の業務に生かすうえでも、AIは有効な選択肢になると思います。

Facebook
X
hatena

ビジネスシーンにおける

生成AI活用で想定される機能をすべて

ワンプラットフォームで提供

上場企業水準の安全性・技術力を提供、

カスタマーサクセスを無償でアサイン。

業界最安値水準で伴走します。