なぜ”たった2名”で広告運用の内製化と知見の蓄積を同時にできたのか?新日本住建販売のマーケティング立ち上げ術

導入前の課題
- 2026年3月に新設されたWEBマーケティング課は2名体制。社内にWEBマーケティングの実績データや知見の蓄積がなく、手探りで立ち上げを進めていた
- Google検索広告では1キャンペーンに15案ほどの見出しが必要だが、担当者の引き出しだけでは案が出しきれず、作成に時間がかかっていた
- 外注していたInstagram広告は、コンバージョンが1件も発生していなかった。内製化後はCanvaでバナーを制作していたが、「広告慣れ」を防ぐための差し替えが追いつかなかった
- 広告や集客状況の分析は、データの収集と突き合わせに1回2〜3時間かかっていた。Looker Studioの定型レポートでは深掘りができず、GA4に戻って確認する必要があった
導入後の成果
- 広告や集客状況の分析時間が1回2〜3時間から30分〜1時間に短縮。JAPAN AI MARKETINGとGA4を連携し、CSVやPDFを取得せずにチャット上で分析できるように
- JAPAN AI MARKETINGにLPの訴求変更を提案させ、社内でLPを改修したことで、Instagram広告で初のコンバージョンが発生。
- 広告経由のコンバージョンが30日間で10〜12件のペースを継続。商材データベースと過去の広告文の評価をもとにした見出し案の抽出、マーケティングワークスペースでのバナー生成により、2名で施策の実行と差し替えを回せるようになった
【企業紹介】
会社名:新日本住建株式会社/新日本住建販売株式会社
事業内容:不動産総合企業。首都圏および静岡県東部エリアを中心に、新築分譲マンション、分譲戸建て、不動産仲介、リフォーム事業を展開
従業員数:86名(うちJAPAN AI利用者86名)
利用サービス:JAPAN AI MARKETING
新日本住建販売株式会社は、首都圏および静岡県東部エリアを中心に住まいに関する事業を幅広く展開する不動産総合企業です。
2026年3月、同社は集客の改善やWEBサイトの運営管理を担うWEBマーケティング課を2名体制で新設しました。社内にWEBマーケティングの知見の蓄積はほとんどなく、広告の見出し作成やバナーの差し替え、月次のレポート分析を手探りで進めるには、2名では時間が足りませんでした。
同社はすでにJAPAN AIを利用していましたが、課の新設にあわせて2026年5月からJAPAN AI MARKETINGの機能の活用を始めました。ナレッジデータと商材データベースに「成果につながった施策と結果」を蓄積し、それをもとに広告の見出し案やバナーを生成して配信する運用を、約2か月半で組み上げてきました。今回は、課の立ち上げを担う担当メンバーに、広告運用の内製化と知見の蓄積をどのように同時に進めたのかを伺いました。
新設されたばかりの2名のWEBマーケティング課。蓄積された知見がない「手探り」の立ち上げ
―――JAPAN AI:まず、事業とWEBマーケティング課の役割を教えてください。
―――WEBマーケティング課:当社は1999年3月に設立された不動産総合企業で、首都圏および静岡県東部エリアを中心に、新築分譲マンションや分譲戸建て、不動産仲介、リフォームと、住まいに関する幅広い事業を展開しています。売買だけでなく、そのあとのリフォームやメンテナンスまで含めてお客様と関わっているのが特徴です。
WEBマーケティング課は、私が入社した2026年3月に新設された部署です。集客の改善やウェブサイトの運営管理、会社の魅力を発信してお客様との出会いをつくることがミッションで、私ともう1名の計2名体制で運営しています。
サイト制作、Google広告やInstagram広告、LINEなどの集客、そしてGoogleアナリティクスやClarityを使った集客後の分析まで担当しています。会社のメインサイトなどは外注していますが、LPやリフォーム事業の専用サイトは自社で制作しており、最終的にはすべて内製化していくことが上長との共通の目標です。
―――JAPAN AI:立ち上げ当初は、どのような課題がありましたか。
―――WEBマーケティング課:まず社内のことを理解し、そのうえでゼロから作り上げていく必要がありました。「これはいいかな」「もっとこうしたほうがいいよね」と本当に手探りで進めていて、どこから踏み出すかを悩みながらやっていました。
ウェブ上のマーケティングで、これまでやってきたことやナレッジを溜めているものは、社内にはあまりなかったのではないかと思います。制作会社とのやり取りをしていたメンバーはいましたが、過去の実績は担当者の肌感覚に近い部分もあり、引き継ぐのは難しいものでした。そのため、Googleアナリティクスの数字を見て「こういう流れでお客様が来ているんだ」、顧客管理ツールを見て「こういうことなんだ」と、一つずつ学んでいました。
広告の見出し案作成、バナーの差し替え、2〜3時間のレポート分析——2名では回しきれなかった作業
―――JAPAN AI:日々の業務の中で、とくに負荷が大きかったのはどこでしょうか。
―――WEBマーケティング課:負担が大きかったのはGoogle検索広告の見出しです。1つのキャンペーンに15案ほどの見出しを設定する必要がありますが、そんなに引き出しがあるわけではありません。キーワードと一致させて品質スコアを上げつつ、クリックしてもらえるように興味を惹く見出しにしなければならず、時間がかかる作業でした。
そのほかに負担が大きかったのはInstagram広告です。以前は外注していましたが、アナリティクス上では問い合わせが1件も確認できておらず、内製化しました。ただ、バナーは鮮度が落ちると効果が薄くなり、「広告慣れ」を起こすと言われています。スピーディーに差し替えたい気持ちはあったのですが、当時はCanvaで制作していて、テンプレートがあってもそのまま使えないことも多く、時間がかかっていました。
さらに、広告や集客状況の分析です。データを持ってきて頭の中で分析しようとすると、「あれもデータが欲しい」「これはどうなっていたっけ」と探し出す時間も含めて、2〜3時間はかかっていました。Looker Studioに自動で反映させていたレポートもありましたが、定型的な内容なので、もっと深掘りしたいとなるとGA4に戻らなければならず、新しい広告の結果を見たい場合はレポートの中身を作り込み直す必要がありました。
「それはそうだよね」で終わる回答にならないか——導入前に感じた不安
―――JAPAN AI:JAPAN AIは入社時点で導入されていたそうですが、JAPAN AI MARKETINGを使い始めた経緯を教えてください。
―――WEBマーケティング課:定例ミーティングで「こういうことは分析できないですか」「アナリティクスの分析をこうしていきたいんです」と相談したときに、カスタマーサクセスから「それならマーケティングのツールが合うかもしれません」と提案を受けて、「一度話を聞かせてください」となったのがきっかけです。
求めていたのは、「現状はこうなので改善案をください」と聞くだけの使い方ではなく、どの広告でどのような見出しやバナーを出し、どれだけ問い合わせにつながったのか、という施策と結果の組み合わせをどんどん溜めていき、その過去の知見やナレッジを考慮したうえで新しい案を出してくれる、というものでした。そこで「これはいいかも」という印象を持ちました。
前職ではChatGPTやClaudeを単体で使っていましたが、ChatGPTやClaudeなど複数のAIモデルや目的別のエージェントを一つの環境で使えて、ナレッジを自分で作っていけるツールは初めてでした。無料版のChatGPTには利用回数の上限があり、使っている途中で「ここまでしかできません」と止まってしまうことがありましたが、そうした制限なく使えること、やりたいことに沿ったエージェントが複数あることも便利だと感じました。
―――JAPAN AI:AI活用にあたって懸念はありましたか。
―――WEBマーケティング課:データが学習されないかなどのセキュリティ面はもちろん気になりました。それから、過去にAIを使っていた経験から、「いや、それはそうだよね」という当たり前の答えが返ってきて「ちょっと違うな」と感じることもあったので、どういう指示を出せば求める答えが返ってくるのか、使い方が難しいという印象はありました。私の指示がうまくできていなかった部分もあると思います。
「成果につながった施策と結果」だけを蓄積し、そのデータをもとに広告の見出し案を作成
―――JAPAN AI:ナレッジデータには、どのような情報を、どう判断して入れているのでしょうか。
―――WEBマーケティング課:広告の成果(問い合わせなどの結果)やホームページの状況といった、集客面の情報が中心です。お客様の情報は入れていません。自分でやったことのうち「これは残しておいたほうがいいな」と思うものを入れ、「これはちょっとしたことだから入れなくていいな」「問い合わせなどの成果につながらないことはいいかな」と思うものは省いています。入れる・入れないの判断は私が行っています。
すべてのデータを入れてしまわないように、カスタマーサクセスの方に仕組みを作ってもらいました。実施した施策の内容と、その結果のデータ(広告の成果データなど)をカスタマーサクセスに送り、「この点とこの点だけナレッジに追加してください」と追加する項目を指定する形なので、精査しながら蓄積できていると思います。
―――JAPAN AI:広告の見出し作成では、どのように使っていますか。
―――WEBマーケティング課:商材データベースに登録した商材IDを指定して、「ここでキャンペーンを作りたい、目的はこう、ゴールはこう」と伝え、あわせて過去の広告文の結果や見出しの評価データを送ります。そこから何が一番コンバージョンを取りやすいかを抽出してもらい、「この見出しがいいのではないか」という案をもらっています。
新しくGoogle広告やMeta広告のキャンペーン構成を考えるときも、「こう考えているんですけど、まとめてほしいです」「もっといい案はないですか」という壁打ちをしています。まるごと全部をAIに任せるのは難しいと思いますが、「もっとこうしたい」と伝えると考慮してくれるので、ある程度の土台を出してくれるだけでとても助かります。今は新しく広告を1つ出すとなったときに、ないと困る存在です。
ChatGPTやGeminiなど複数のモデルに同じ質問を投げ、Google広告の見出しを選び抜く
―――JAPAN AI:使い方の工夫があれば教えてください。
―――WEBマーケティング課:ChatGPTもGeminiも、それぞれ特色があるので、同じ質問文を複数のモデルに一気に開き、どういう見出しが返ってくるかを比べています。「これいいじゃん」というものを抜粋していく使い方です。Google広告の見出しに関しては、Geminiの案がしっくりくることが多く、採用する割合が高いですね。
マーケティングワークスペースで生成・微修正したバナーを、そのまま入稿

―――JAPAN AI:Instagram広告のバナーは、どう変わりましたか。
―――WEBマーケティング課:最近使い始めたマーケティングワークスペースを、かなり使っています。JAPAN AI MARKETINGに蓄積したナレッジや商材データベースの情報をもとに、広告バナーなどのクリエイティブを生成し、その場で編集できる機能です。AIツールはテキストのやり取りは精度が高いですが、画像生成AIは思っていた質にならない印象がありました
ところがワークスペースで生成したバナーは「こんなに精度の高いものができるんだ」と、イメージがガラッと変わりました。
今までは時間がかかっていたものが、効率よく、しかも質の高いものができる。ナレッジや商材データベースの情報があるので、当社に合ったクリエイティブが出てきます。文言やデザインの細かな修正はワークスペース上でそのまま行えるので、Canvaに戻すことなく、ワークスペースの中で完結させたバナーを入稿し、実際に配信しています。使いにくいところやエラーがあれば、その都度カスタマーサクセスに相談しながら使っています。
内製化したInstagram広告で初のコンバージョン——2人で喜んだ最初の1件
―――JAPAN AI:成果はどのように表れていますか。
―――WEBマーケティング課:Instagram広告を内製化してから、「1件でも欲しい」という思いで、社内で作っていたLPについて「もっとコンバージョンを増やしたいので、訴求の変更を提案してください」とJAPAN AI MARKETINGに相談し、改修しました。その結果、初めてのコンバージョンとなる物件の問い合わせが出ました。最初の1件は本当に大きくて、2人で喜びました。
Google広告も、JAPAN AI MARKETINGの見出し案をもとに運用しており、会員登録のコンバージョンでは最も多い流入元になっています。
広告全体では、以前は広告代理店が運用していて、私が1からキャンペーンを作り直しているため、過去データとの比較はできません。ただ、来店予約はしっかり獲得できていて、会員登録などのコンバージョンは直近30日で10〜12件のペースで継続して取れています。もっと数は欲しいですが、PDCAが回っている状態です。
広告や集客状況の分析、2〜3時間が30分〜1時間に。GA4連携でデータ取得の手間がなくなった
―――JAPAN AI:レポート業務はどう変わりましたか。
―――WEBマーケティング課:広告や集客状況の分析は、以前は2〜3時間かかっていたものが、導入後は30分〜1時間ほどに短縮されました。とくにGA4を連携してからは、GA4からCSVやPDFをダウンロードしなくてすむようになったので、手間も大きく減りました。見たい切り口を伝えるだけで、すぐに形になって出てきます。
これまでは月単位で「どのような状況だったか」を口頭で説明する程度で、しっかりとしたレポートは作れていませんでした。先月末の上長との打ち合わせでは、初めてJAPAN AI MARKETINGで作ったレポートを見ながら、広告の結果を報告することができました。レポートの中でも見てほしい数字を絞って示し、その数字がどう動いたのかを説明する形にしました。結果には納得してもらえたと思います。上長は「こうしなければいけない」と細かく指示するのではなく、マーケティングを良くするために考えて動くことを私たちに任せてくれています。そのぶん、JAPAN AI MARKETINGを使いこなして、結果と根拠をきちんと示していかなければと思っています。
今は、視覚的に見やすく、内容をわかりやすくまとめたレポートを作成して社内共有するようにしています。さらに、そのレポートをもとにWEBマーケティング課内でミーティングを行い、現状の課題や改善点を整理したうえで、次の施策や具体的な改善につなげています。

理由のある提案で「納得して採用」できる。浮いた時間で施策の実行と差し替えまで
―――JAPAN AI:定性的な面での変化はありますか。
―――WEBマーケティング課:サイト改善の提案や、Google広告・Instagram広告の見出しやキャンペーン構成の提案は、具体性と実用性が上がったと感じています。「ざっくりこうです」ではなく、なぜその見出しや訴求がよいのかという理由が添えられていて「ああ、納得」となる。「私もこれに納得できるから、これを使おう」と判断がしやすくなりました。自分の中の仮説に対して具体的なアドバイスが返ってくるので、採用できるかどうかを決めやすいです。
一番はスピード感ですね。精度もスピードも、以前と比べて格段に上がりました。立ち上げの時期なので、改善案を考えるだけではなく、施策の実行まで時間を使えるようになりました。
広告の定期的な修正やInstagram広告のバナー入れ替えができているので、改善のサイクルが回り始めていると感じています。AIがなかったら、一人ではできなかったと思います。もっと知りたいという気持ちも強くなりましたし、とにかく「ないと困る」存在です。
Clarityのヒートマップ連携と、知見を「会社の宝」として残す仕組みへ
―――JAPAN AI:今後の活用について教えてください。
―――WEBマーケティング課:LPの改善は、これから強化していきたい部分です。Clarityも入れているので、スクロール率やクリックのデータも取り込んで、GA4と合わせて見ながら改善していきたいと考えています。
リフォームサイトも自社で制作しており、先日公開しました。
―――JAPAN AI:同じようにマーケティングに課題を持つ方へ、アドバイスをお願いします。
―――WEBマーケティング課:仕事の効率やスピードもそうですが、何といっても知見やノウハウは、ただそこにあるだけでは宝の持ち腐れになってしまいます。個人の頭の中だけにあると、その人の経験や判断に頼った施策になり、担当者が変われば同じ判断を再現できず、施策の内容や方向性まで変わってしまいます。過去の施策と結果を会社の宝として蓄積し、誰が担当しても活かせる形にしていく、という部分でフル活用できると思います。
それから、JAPAN AIのサポートはとても手厚いです。「これがエラーです」「こうしたいんです」にすぐ回答してもらえますし、時間がかかる場合もそう伝えてくれます。課題に対して「こうしたいなら、これが使えると思います」と、活用方法をわかりやすく提案してくれる。今回のバナー生成もそうでした。会社によって課題や悩みどころは違うと思いますが、課題に当てはまるものを上手に提案してくれるので、ぜひ一度話を聞いてみるといいのではないかと思います。




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