既存サービスから乗り換えを決断、3,000アカウント以上の全社展開へ――東京パワーテクノロジーがJAPAN AIを選んだ理由

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導入前の課題
導入後の成果
【企業紹介】
既存サービスを使い続けるべきか。生成AI市場の変化を受け再検討へ
3,000以上のアカウントを対象に全社展開。利用者数・チャット数も増加
現場業務へさらに広げる。建設業務に特化したAI活用にも期待

導入前の課題

  • 2024年7月から別の生成AIサービスを全社展開していたが、生成AIの活用が社内で広がり利用も拡大する中で、生成AI機能の急速な進化により、既存サービスでは物足りなさを感じるようになった
  • 既存サービスから乗り換えるにあたり、操作画面や使い勝手の変化、データ移行、社内への説明など、さまざまな負担やリスクがあった
  • 大規模な全社展開を前提に、機能、管理・運用、セキュリティ、コスト、現場での使いやすさなど、多角的な観点から比較検討する必要があった

導入後の成果

  • 既存サービスを含む複数サービスを対象に、生成AIを日常的に利用していた社員約50名でトライアルを実施。機能、管理・運用、セキュリティ、コストなどの比較と評価をもとにJAPAN AIを選定した
  • 3,000以上のアカウントを対象に全社展開を推進。利用者数は2025年4月時点の約550名から、2026年7月時点では約1,400名まで増加。月間チャット数も約1万8,000件から約8万5,000件へ伸長している
  • SPEECHによる議事録作成、RAGを活用した社内文書検索、安全衛生や内部監査に関するエージェントなど、実務に近い領域でも活用が広がり始めている

【企業紹介】

会社名:東京パワーテクノロジー株式会社
事業内容:発電関連事業、環境インフラ事業、土木建築事業、保険事業など
従業員数:約2,500名
利用サービス:JAPAN AI CHAT/JAPAN AI AGENT/JAPAN AI SPEECH

東京パワーテクノロジー株式会社は、電力・社会インフラを支える総合エンジニアリング企業です。

火力・原子力発電所の設計、工事、運転、保守を一貫して担う発電関連事業を主軸に、環境インフラ事業、土木建築事業、保険関連事業など幅広い事業を展開しています。尾瀬国立公園の環境保護事業にも携わるなど、エネルギーの安定供給と環境保全の両面から社会を支えている点が同社の特徴です。

同社では、2024年7月から別の生成AIサービスを全社展開していました。一般的なチャット利用では一定の効果を感じていた一方で、生成AI市場の進化は非常に速く、ほかのサービスではできることが増えている中で、既存サービスを使い続けることが本当に最適なのかという課題感が生まれていました。

そこで同社は、既存サービスを含む複数サービスを対象に、生成AIを日常的に利用していた社員約50名によるトライアルを実施。機能、管理・運用、セキュリティ、コストなど、多岐にわたる項目で比較検討を行いました。その結果、JAPAN AIは多くの項目で高い評価を獲得し、既存サービスからの乗り換えが決まりました。

現在は、3,000以上ものアカウントを対象に全社展開を進めています。利用者数、チャット数はともに伸び続けており、SPEECHによる議事録作成、RAGを活用した社内文書検索、安全衛生や内部監査に関するエージェントなど、東京パワーテクノロジーならではの業務領域にも活用が広がり始めています。

今回は、経営企画部情報システムグループの越山智之氏に、JAPAN AI導入の背景、既存サービスからの乗り換えを決めた比較検討の内容、全社展開、実務での活用、今後の展望についてお話を伺いました。

既存サービスを使い続けるべきか。生成AI市場の変化を受け再検討へ

―――JAPAN AI:JAPAN AIを導入する前、生成AIの活用状況はどのようなものでしたか。

―――越山氏:当社では、2023年度から生成AIの導入を検討していました。生成AIについては、「状況を見守っている場合ではなく、会社として導入して進めていく必要がある」という話をしていました。

ただ、導入するにあたっては、ルールや情報管理、セキュリティ周りをどのように整備するかが重要でした。一般的なChatGPTやGeminiを業務で自由に使う形では、会社として管理がしにくい部分があります。そのため、当社が管理できる生成AIサービスを導入する方針で検討を進め、2024年7月頃に別のサービスを全社展開しました。

導入後は、一般的なチャット利用について一定の効果を感じていました。利用率やチャット数は想定以上に伸び、社内にニーズがあることも分かりました。実際に使ってみると、私自身も、生成AIが業務に欠かせないものになっていく実感がありました。

一方で、生成AI市場は非常に速いスピードで進化しています。ほかのサービスでできることが増える中、当時使っていたサービスでは対応しきれない部分も見えてきました。そこで、このまま既存サービスを使い続けることが最適なのか、あらためて検討する必要があると感じたのです。

―――JAPAN AI:既存サービスから乗り換えるうえで、どのような点を検討しましたか。

―――越山氏:既存サービスから別のサービスへ切り替えるのは、会社として簡単なことではありません。データを移行できない場合もありますし、操作画面や使い勝手も変わります。利用者にとっては操作感が変わるため、社内への説明も必要になります。

そのため、こうしたリスクや切り替えに伴う負担を踏まえても、乗り換える意味があるのかを説明しなければなりません。社員のAI環境が本当に良くなるのか、会社として乗り換えるだけの価値があるのか、きちんとした裏付けが必要でした。

そこで、以前のサービスをよく使っていた社員を利用ログから抽出し、上位約50名をピックアップしました。そのメンバーに既存サービスを含む複数のサービスを試用してもらい、各サービスを比較評価しました。

比較にあたっては、機能、管理・運用、セキュリティ、コストなどのカテゴリを設け、細かく評価しました。各項目を1〜5点で評価し、重要度に応じて重み付けしています。重要度の高い項目は3倍、中程度の項目は2倍、それ以外の項目は1倍として、最終的に1〜15点の範囲で点数化しました。

単純に「コストが安い」「使いやすそう」といった印象で判断するのではなく、当社にとって重要な項目を整理し、既存サービスや他社サービスと比較しました。実際に利用した社員へのアンケートも踏まえて検証した結果、JAPAN AIは20項目で最も高い評価を得ました。

―――JAPAN AI:JAPAN AIを高く評価したポイントを教えてください。

―――越山氏:大きく2つあります。1つは、RAGの性能です。既存サービスを使っていた中で、最も不満があったのがRAGに関する機能でした。社内データやマニュアルを取り込み、内容に基づいて回答させる使い方をしたかったのですが、なかなか精度が出ませんでした。

当社の場合、建設業務も多く、安全関連のヒヤリハットや過去の対応事例、ノウハウが蓄積された文書が数多くあります。今後、生成AIを業務でより活用していくには、そうした社内データや文書を活用することが重要になります。

その点で、JAPAN AIのRAGは精度が高いと感じました。以前は、取り込むPDFの内容を事前に検証しないと精度が出にくい印象がありましたが、JAPAN AIではPDFを取り込むだけでも、かなり高い精度で回答できるようになっています。他社製品と比べても、ここは大きな違いでした。

もう1つ、JAPAN AI SPEECHの議事録作成機能は大きな評価ポイントでした。当社はお客様や取引先と仕事をする中で、議事録を作成する場面が非常に多くあります。会議のたびに議事録を作成し、内容を確認する業務が日常的に発生します。

以前は別の議事録サービスを使っていましたが、文字起こしの精度や、そこから議事録にまとめる精度が十分ではありませんでした。文字起こしだけできても、最終的に議事録として整理されなければ、作業の大変さはあまり変わりません。

JAPAN AI SPEECHは、文字起こしの精度も高く、そこから要約して議事録にする精度も高いと感じています。トライアル時のアンケートでも評価が高く、「この機能は本当に助かる」「これがないと困る」という声もありました。こうした点が決め手となり、JAPAN AIへの乗り換えを決めました。

3,000以上のアカウントを対象に全社展開。利用者数・チャット数も増加

―――JAPAN AI:導入後の利用状況について教えてください。

―――越山氏:利用者数、チャット数ともに伸びています。2025年4月時点では、利用者数は約550名でしたが、2026年3月には約1,100名まで増えました。さらに、2026年7月時点では約1,400名まで増えています。

月間チャット数も伸びています。2025年4月時点では約1万8,000件でしたが、2026年3月には約5万3,000件、2026年7月には約8万5,000件まで増えています。

JAPAN AIを導入した直後は、新しいツールへの関心から利用されていた面もあったと思います。ただ、その後も利用者数やチャット数が着実に伸びているため、JAPAN AIが日常業務で継続的に活用できるツールとして受け入れられているのだと思います。

―――JAPAN AI:利用を広げるために、どのような取り組みを行いましたか。

―――越山氏:2025年度は、計6回の研修を実施しました。基礎研修を2回、中級研修を1回、応用研修を1回、エージェント作成研修を2回行っています。延べ参加者数は1,095名に上りました。

基礎研修では、AIを初めて使う社員を対象に、「AIとは何か」といった基本的な内容を扱いました。中級研修や応用研修では、SPEECHやプラグインの使い方、エージェントの活用方法なども紹介しています。エージェント作成研修では、エージェントを使うと何ができるのか、どのように作るのかを扱いました。

また、オンラインでいつでも受講できるeラーニングも用意しています。生成AIの基本的な使い方やプロンプトの考え方など、好きなタイミングで学べるようにしています。

―――JAPAN AI:実務では、どのような活用が広がっていますか。

―――越山氏:議事録作成以外の取り組みとしては、事業所で作成している「安全衛生アシスタント」があります。法令調査、ヒヤリハット情報の確認、危険予知などに活用できるようにしたエージェントです。現場のヒヤリハット事例や過去の対応記録をもとに、危険予知に活用する使い方も想定しています。

新入社員や異動してきた社員が、まず何を確認すればよいかわからないときの第一歩として使えるようにする狙いもあります。安全衛生は当社にとって重要な領域なので、こうした使い方は当社らしい活用方法だと思います。

また、内部監査員の候補者ヒアリングに使う「内部監査員認定ヒアリングAI」エージェントもあります。これまでは、候補者に対して一人ずつヒアリングを行い、結果をまとめて、この人を内部監査員に任命するかどうかを判断していました。ただ、人がヒアリングすると、どうしても主観が入りますし、手間もかかります。

そこでエージェントを作成し、候補者に質問して回答してもらい、その結果を集約する形にしました。ヒアリングにかかる時間の削減に加え、回答内容のばらつきを抑え、判断の精度を高めることにもつながります。実際に一部の事業所で運用されている事例です。

―――越山氏:プレスリリースや社内外向けの文書、日々のメール文面など、文章を扱う業務が多い広報室でも、かなり活用しているようです。1日50〜60チャットほど利用しており、すでにAIが業務の中に自然に組み込まれている印象です。

現場業務へさらに広げる。建設業務に特化したAI活用にも期待

―――JAPAN AI:今後、どのような領域でJAPAN AIの活用を広げていきたいですか。

―――越山氏:今後は、現場部門での活用をさらに広げていきたいです。本社側では利用が進んでいますが、発電所や建設現場など、現場業務を担う部門では、まだ十分に利用が広がっていない部分があります。ただ、見積もり、工程管理、工数管理、作業記録、安全管理など、AIを活用できる場面は多いと考えています。

エージェントはその手段の一つですが、機能がよりパッケージ化され、プラットフォーム上で誰もが使える形で提供されると、現場での活用はさらに広がると思います。建設業務に特化した機能があれば、当社としてもより成果を出しやすくなるのではないかと期待しています。

また、AIを会社としてより深く活用していくには、社内データや文書の活用が重要になります。当社には、安全関連のヒヤリハットや過去の対応事例、技術的なノウハウが蓄積された文書があります。現状では、紙をPDF化しただけのものや、ファイルサーバーに保管されているものも多くあります。そうした文書を、AIが検索・参照できる状態に整備していくことが重要です。

一般的な文章整理や要約だけでなく、当社独自の知見を生かした仕組みを実現するには、RAGの活用が欠かせません。そこは今後、さらに取り組んでいきたい領域です。

―――JAPAN AI:これから大規模にAI導入を進める企業に向けて、伝えたいことはありますか。

―――越山氏:全社展開するうえでは、全社で利用クレジットを共有できる仕組みがあることは、大きなメリットだと感じています。

ITツールやSaaSは、利用頻度がユーザーによって異なります。1ユーザーごとの課金だけで考えると、利用していないユーザーにも費用がかかることになります。JAPAN AIは利用クレジットを会社全体で共有できるため、利用頻度の高いユーザーが多く利用する場合でも、全社で利用量を調整しやすいと感じています。

当社のように、まず全社にアカウントを付与し、誰もが使える環境を整えたい企業にとっては、この仕組みは大きなメリットだと思います。

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