広告の専門家がいない6名のEC部門が、代理店と「対等に話せる」ようになった理由——株式会社ヤマニがAI分析を社内の知識に変えるまで

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導入前の課題
導入後の成果
【企業紹介】
6名で5サイトを運営、広告運用は外注していた
代理店のレポートを聞くだけになっていた
社長が自ら生成AIを試し、社内に使い方を示した
広告を知らない人間でも分かりやすかった
カスタマーサクセスに一つずつフィードバックし、一緒にレポートを形にしていった
代理店に「なぜ減ったのか」を自分たちから聞けるようになった
新ブランドサイトの売上が前年比1,200%に——GA4のデータを分析しながら導線を地道に改善
分析の時間を、Instagramの動画制作の内製に回した
文字だけの回答ではなく、グラフで頭に入る
今後の展望:AIに使われる側ではなく、使う側になる
同業へのメッセージ:「わからないところがわからない」が普通

導入前の課題

  • 広告運用やサイト制作は外注しており、代理店の月次レポートは報告を聞くだけになっていた
  • デジタル課は6名で5つのECサイトを運営。広告の専門知識を持つメンバーがおらず、数字の変動要因を自分たちで分析できなかった
  • 内製化を進めたいものの、広告の専門知識がないまま運用に手を出すと、成果が下がり広告費を無駄にしかねない領域であるため、踏み込めなかった
  • 扱う情報量が多く、人の手だけでは見きれない状態になっていた

導入後の成果

  • 月次広告レポートをJAPAN AI MARKETINGで作成。代理店に対して「なぜ減ったのか」「こういう意味ではないか」と、自分たちから質問・提案できるようになった
  • 立ち上げ直後の新ブランドサイトで、JAPAN AI MARKETINGによるGA4データの分析をもとに導線改善を重ね、オーガニック流入を購入につなげたことで売上が前年比1,200%に
  • 分析に費やしていた時間をInstagramの動画制作の内製に回し、投稿の型がカタログ的な静止画から動画中心へ変わった

【企業紹介】

会社名 :株式会社ヤマニ
事業内容:ベルト・財布・バッグ類の製造・販売、ゴルフ事業
従業員数:109名(うちJAPAN AI利用者1名)
利用サービス:JAPAN AI MARKETING

株式会社ヤマニは、ベルト・財布やバッグ類の製造・販売を主力に、1986年にはゴルフ事業を立ち上げました。ゴルフ商材のEC販売を担うデジタル課は、自社サイトやプラットフォーム、複数のブランドショップを合わせて5つのECサイトを運営し、受注対応から運営、分析までを社内で担う一方で、広告運用やサイト制作は外部パートナーに委ねてきました。


デジタル課のメンバーは6名。運営責任者の宮﨑涼介氏は、代理店から届く月次レポートを会議で確認しても、報告を聞くだけになっていることに課題を感じていました。広告の専門知識を持つメンバーがおらず、数字が動いた理由を自分たちの言葉で説明できなかったためです。


導入のきっかけは、AIに関心の高い社長が自ら生成AIを試し、社内に使い方を示したことでした。複数社を比較したうえでJAPAN AI MARKETINGを選び、月次広告レポートの作成から活用を開始。今回はデジタル課の運営責任者である宮﨑氏に、代理店との関係がどう変わり、生まれた時間を何に使っているのかを伺いました。

6名で5サイトを運営、広告運用は外注していた

―――JAPAN AI:まず、事業内容と宮﨑様のご担当を教えてください。

―――宮﨑氏:株式会社ヤマニは、ベルト・財布やバッグ類を製造・販売してきた会社です。1986年にゴルフ事業を立ち上げ、現在はバッグ類とゴルフ事業の2つを軸に事業を展開しています。

私が所属するデジタル課は、ゴルフ商材をメインに、ECでのD2C販売を担う部署です。私はその運営責任者として、全体の運用状況の確認に加え、カスタマー対応、社内システムの立ち上げなどを担当しています。JAPAN AIを主に使っているのも私です。

―――JAPAN AI:部署の人数と、運営しているサイトの規模を教えてください。

―――宮﨑氏:デジタル課は現在6名です。自社サイトやプラットフォーム、そして複数のブランドショップの計5サイトを運営しており、近々さらに拡大する予定です。

社内で担っているのは、日々の運営や受注対応、ブランディング、そして数字の分析までです。一方で、社外にお願いしているのは広告運用と、サイト制作などです。

代理店のレポートを聞くだけになっていた

―――JAPAN AI:少人数で運営するなかで、一番課題を感じていた業務は何でしたか。

―――宮﨑氏:レポートまわりです。広告のレポートは代理店から定期的に届き、報告を受けて会議をして、そのまま次のステップへ進む。これをずっと繰り返している状態でした。

会社として内製化を少しずつ進めなければいけないと考えたとき、広告の専門的な知識をもっている人間が社内にいませんでした。分析ができないので、代理店の話をそのまま受け取るしかなかったんです。そこで「AIでできないか」という話が社内で立ち上がり、複数の会社に声をかけたのが始まりです。

―――JAPAN AI:当時、社内の方向性はどのようなものでしたか。

―――宮﨑氏:広告単体の成果は代理店から数値で報告されるのですが、最終的な数字を見たときに、なぜ数字が動いたのかを自分たちでは読み解けないことがあり、代理店の説明をそのまま受け取るしかなかったのです。

とくに広告は、私自身も何も触れられない領域でした。専門知識がないまま運用に手を出せば、逆に成果が下がり広告費を無駄にしてしまうかもしれない、という感覚がありました。

社長が自ら生成AIを試し、社内に使い方を示した

―――JAPAN AI:AI活用に踏み出したきっかけを教えてください。

―――宮﨑氏:社長がAIに強い関心を持っていることが大きかったです。珍しいと思うのですが、社長が率先して「ChatGPTを使ってこういうことができた」とAIの活用を社内に展開していました。

最初に取り組んだのは画像生成でした。画像生成が主流になり、動画も少しずつ作れるようになってきた時期に、「ECサイトの画像も作れるようになる」と。そこから「これは広告にも活かせるのではないか」と広がっていきました。

AIの答えを鵜呑みにして動くトップであれば、会社としてはリスクになりますが、社長はそうではなく、自分の考え方をしっかり整えたうえでAIを使いこなせる人です。自身の考えを拡張するための要素としてAIを使っている。そういう人からの話だったので、社内の皆もすんなり受け入れられたのだと思います。

広告を知らない人間でも分かりやすかった

―――JAPAN AI:複数社を比較されたなかで、JAPAN AI MARKETINGを選んだ決め手は何でしたか。

―――宮﨑氏:最初にお話を伺ったとき、画面のデモンストレーションをしながら説明していただいたのですが、結果が可視化されたときの画面がとても見やすかったことです。その場で社長も見て「これはいいね」となりました。

AIの答えの出し方はいろいろあると思いますが、我々のように広告を知らない人間が触るものなので、誰でもわかりやすく表示してくれることが重要でした。ただAIを通しただけの出力ではなく、自分たちが見ている画面のなかで完結できる。そこが決め手です。社長としては「まずテストで見てみよう」というスタートでした。

カスタマーサクセスに一つずつフィードバックし、一緒にレポートを形にしていった

―――JAPAN AI:導入から実業務に乗せるまで、どのようなステップを踏まれましたか。

―――宮﨑氏:正直、自分たちで組み立てたステップと言えるようなものはありません。JAPAN AIのカスタマーサクセスに伴走していただいた、というのが実態です。最初は使い方がわからないところもありましたが、使うたびに「結果に満足したかどうか」をフィードバックとして返し、気になった点を一つひとつ一緒に解決してもらいながら進めてきました。

そのなかで形になったのが月次広告レポートの作成です。私たちがレポートのイメージを伝え、出てきたものをそのまま使えるときもあれば、AIの答えが想定と違うときもあります。数値の合わない箇所や出力の誤りを定例のミーティングで共有し、カスタマーサクセスに調整してもらう。これを繰り返して、レポートとして精査できるようになりました。

こちらで運用を抱え込むのではなく、「こういうものがあったらいい」と伝えると、まず形にして出してもらえる。使ってみて改善点が出てきたらまた伝える。それがきちんと反映されて返ってくる、という繰り返しでした。

代理店に「なぜ減ったのか」を自分たちから聞けるようになった

―――JAPAN AI:導入後、一番変わったことは何ですか。

―――宮﨑氏:社内の知識がとても増えたことです。以前は数字が減った理由を言われるままでしたが、AIを使うことで見られる情報の量が増え、「これはこういう意味で減ったのではないですか」「増えたのではないですか」と、こちらから代理店に質問できるようになりました。

こういう結果のときはこれが答えなのか、こういう方向で考えるのが正しいのか、ということが少しずつわかってきました。すると、代理店に対しても「この結果はこういうことだと考えているのですが、御社はどう見ていますか」「であれば、次はこう進めるべきではないですか」と、自分たちの仮説を持って話せるようになります。より具体的な話を代理店とできるようになったのが、定性的な面での大きな変化です。

また、扱う情報量が多く、AIを使わないと見きれないことも少なくありません。それをまとめてくれるだけでも、分析の道筋がはっきり見えるようになりました。

新ブランドサイトの売上が前年比1,200%に——GA4のデータを分析しながら導線を地道に改善

―――JAPAN AI:定量的な変化はありましたか。

―――宮﨑氏:ROASの改善までは、正直まだ至っていません。ただ直近では、新しく立ち上げたブランドサイトの売上が大きく伸びました。もともとゴルフの世界では歴史のあるブランドで、検索ボリュームもある程度ありました。立ち上がったばかりで伸びしろのある場所だったので、JAPAN AI MARKETINGでレポートを出し、流入の変化に応じた改善提案を受け、それを一つずつ進めていったところ、爆発的に伸びました。売上が前年比1,200%という数字が出ています。

立ち上げ直後で規模が小さかったところからの伸びなので、数字だけを見ると現実的ではないと思われるかもしれません。ただ、広告費は少なく、伸びた分の多くはオーガニックからです。私がこれまで経験してきたなかで、ここまで短期間で伸ばした例は見たことがありません。

―――JAPAN AI:具体的にはどのような分析と改善を行ったのでしょうか。

―――宮﨑氏:新しいブランドショップは、これまで広告に寄りすぎていた部分がありました。広告ももちろん必要ですが、広告に頼らず、検索などのオーガニック流入をどう伸ばしていくか。競合の動きも踏まえながら、そこを改善する必要がありました。

そこで、広告のデータに加えてGA4のデータもJAPAN AI MARKETINGに取り込み、定型のレポートを細かく分析して改善サイクルを回していきました。そのなかで、「トップページからの流入が増えているので、ここで商品を何点出しましょう」「このランディングページは商品のボリュームをもう少し膨らませたほうがいい」といった提案をもらい、それをもとに導線を一つずつ直していきました。

検索やInstagramから入ってくるお客様を逃さない導線を作れたのは、この分析があったからだと思います。

分析の時間を、Instagramの動画制作の内製に回した

―――JAPAN AI:生まれた時間は何に使われていますか。

―――宮﨑氏:Instagramの内製化です。担当しているのはメンバー1人で、投稿から分析までやってくれています。「投稿ごとに再生数に差が出た要因は何か」といった分析にもAIを使っています。

初期の投稿と最近の投稿を比べると、形式がまったく違います。以前はカタログ的な画像中心でしたが、今はほぼ動画です。メンバーが1人でロケハンに行き、自分でカメラを持って商品を撮影しています。内製で作った縦型の動画は、他の投稿よりも多く再生されており、制作の内製化が進むなかで成長できているのは良いところだと思います。

その時間が取れたのは、分析に時間をかけなくてよくなったからです。

―――JAPAN AI:効果を感じている側面としては、既存業務の課題解決と新しい取り組みの創出、どちらが強いですか。

―――宮﨑氏:どちらもです。時間効率を良くするためのツールとして使う面もあるし、その派生で新しい変化が生まれてくる面もある。時間は限られているので、何を見つけて何を新しくするかを選ぶのが私の仕事です。そのための時間を作ることも、作戦の一つだと考えています。

文字だけの回答ではなく、グラフで頭に入る

―――JAPAN AI:ChatGPTなどの汎用AIと比べて違いを感じる点はありますか。

―――宮﨑氏:わかりやすさは大きな違いです。一番使っているのはダッシュボードで、視覚的に頭に入りやすい。ChatGPTだとどうしても文字だけになるので、何が答えなのかわからないことが多い。画像やグラフで表示してくれることが、一番良いところだと感じています。

今後の展望:AIに使われる側ではなく、使う側になる

―――JAPAN AI:今後広げていきたい業務はありますか。

―――宮﨑氏:先日ご案内いただいた広告分析のダッシュボード機能は、ぜひやっていきたいと考えています。ROASの改善にもこれから取り組みたいところです。

―――JAPAN AI:会社として、AIとどのように向き合っていきたいですか。

―――宮﨑氏:社長からは「AIに頼りきるのではなく、自分たちがAIを使う側になろう」と言われています。AIに使われる側になってはいけない、ということです。社会的にAIが使われる場面が増えれば、人を減らす方向に進む会社もあるかもしれません。ただ当社は、それをして社員数を減らしてしまうのは違う、という考えです。我々がAIを使える側になって、より大きく会社の利益につなげる。そのためにAIを使う、という方針です。

同業へのメッセージ:「わからないところがわからない」が普通

―――JAPAN AI:同じ立場の事業会社の方へアドバイスをお願いします。

―――宮﨑氏:まずは怖がらずに使ってみることです。実際に使ってみても「どう使ったらいいかわからない」「わからないところがわからない」というのが、おそらく標準的な状態だと思います。わからないところはカスタマーサクセスに聞けば教えてもらえますし、やってみると意外と使いこなせるようになってきます。

社内のメンバーも、最初は警戒して使い方に迷っていました。それが今では、当たり前にAIを使いこなすメンバーが出てきています。

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