“SFAどまり”で終わらせない。「見える営業組織」を実現した小売業のDXを支えるウェブスペースの営業AX事例

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導入前の課題
導入後の成果
【企業紹介】
営業活動時間をどう生み出すか。KPI設定後に見えた、可視化の課題
既存の週報運用とJobRingのデータを活かし、営業活動と案件状況を可視化
営業データを次の行動につなげ、全社のPDCAを速く回す

導入前の課題

  • 2026年から全社でKPIを設定したものの、営業活動の実績を追う仕組みがなく、タッチ数・提案数・受注率などを可視化しきれていなかった
  • 営業メンバーが受注後の導入作業やアフターサポートまで担っており、営業活動の時間を十分に確保しづらかった
  • 週報や見込み案件情報、顧客情報、提案ノウハウなどが分散・属人化しており、集計や情報共有に手作業の負荷がかかっていた

導入後の成果

  • 既存の週報運用や自社開発管理システム「JobRing」の案件データを活かしながら、営業活動時間、商談件数、案件ランク、滞留日数などをダッシュボードで可視化できるようになった
  • 手作業だった週報集計や案件ランクの変動確認を効率化。2026年6月から7月の比較では、営業活動時間が約10〜12%増加する兆しも見えている
  • JAPAN AI SPEECHやエージェントを活用し、議事録作成、営業リスト作成、ナレッジ共有などにも活用が広がり、営業部門を起点にAX推進が始まっている

【企業紹介】

会社名:ウェブスペース株式会社
事業内容:リテールサービスプロバイダー事業
従業員数:約100名
利用サービス:JAPAN AI STUDIO/JAPAN AI AGENT/JAPAN AI CHAT/JAPAN AI SPEECH

ウェブスペース株式会社は、東京都千代田区に本社を置き、小売業のDXを支えるリテールサービスプロバイダーです。コンビニ収納窓口サービス「MMK」事業、POS・EOS・Web-EDIなどのリテールシステム「WSNet」事業などを展開し、企業・病院・工場内の売店をはじめとする小売店運営の課題解決を支援しています。

同社は1998年の設立以来、小売業向けのサービスやシステムを提供してきました。現在は、東証グロース上場の株式会社トランザクション・メディア・ネットワークスグループの一員として、全国に拠点を持ち、約100名の社員で事業を展開しています。

一方で、事業成長に伴い、営業活動のあり方には課題も生まれていました。各拠点の営業担当は、商談や受注だけでなく、導入作業やアフターサポートまで担うことが多く、本来の営業活動に割ける時間が限られていました。また、2026年から全社でKPIを設定したものの、営業活動の実績や案件状況をどう追いかけるかも課題となっていました。

そこで同社が着目したのは、SFA(セールスフォースオートメーション/営業支援システム)としての可視化と、生成AIによる業務効率化を組み合わせることでした。既存の週報運用や自社開発システムに蓄積された案件データを活かし、現場の入力負荷を増やさない形で営業活動を可視化する運用の実現に向けて複数サービスを比較検討した結果、JAPAN AIを導入しました。

今回は、SC本部 本部長の草間さん、ストラテジックプランニング室の齋藤さん、SC本部 セールスクリエイト部 部長の白石さんに、JAPAN AI導入の背景から、営業活動の可視化、AI議事録やエージェントを活用した今後の展望までお話を伺いました。

営業活動時間をどう生み出すか。KPI設定後に見えた、可視化の課題

―――JAPAN AI:AI導入前には、どのような課題がありましたか。

―――草間氏:一番大きかったのは、営業活動時間をどう創出するかという課題です。
当社は、東京・神田にある本社を除くと、各拠点に営業メンバーが2名ほどいる体制です。主力商材であるレジの場合、営業が商談をして受注したあと、導入作業やアフターサポートまで各拠点の営業メンバーが担うことが多くありました。

地方ではお客様先への移動にも時間がかかります。商談をして、導入してサポートまで対応すると、本来の営業活動に使える時間が限られてしまいます。営業部門としては、いかに営業活動の時間を創出するかが大きな課題でした。

―――齋藤氏:もう少し上流から説明すると、2023年末にトランザクション・メディア・ネットワークスグループに入り、上場企業グループとして、より高い成長が期待されるようになったこともありました。既存のお客様への対応だけでなく、新規営業に使う時間を増やし、営業活動の構造を変える必要がありました。

そのためには、新規提案が何件あるのか、既存顧客向けと新規向けの提案が何件あるのか、受注率や失注数はどうなっているのかをモニタリングし、KPIドリブンで追いかけていく必要があります。

ただ、営業KPIを追うには、SFAのような仕組みが必要です。単に管理するだけではなく、営業工数を捻出しながらモニタリングできるツールが必要だと考え、AIを使った業務改善とSFAを組み合わせられないかという流れになりました。

―――JAPAN AI:JAPAN AIを選定した理由を教えてください。

―――齋藤氏:当初は、「絶対にAIを入れよう」と考えていたわけではありません。SFAを導入するために、まずは大手ツールを中心に話を聞いていました。その後、JAPAN AIを含めて同様のサービスを提供する会社と比較する形になりました。

最終的にJAPAN AIを選んだ一番大きな理由は、現場の手間が増えないことです。過去にSFAのようなツールを入れたとき、入力が定着しなかったことがありました。SFAは、しっかり入力してもらえなければ、見たい数字が見えません。専任担当が必要になることもあります。

当社には一部ですが紙文化も残っており、新しいツールを入れることへのハードルもあります。だからこそ、今までの営業の日常業務を大きく変えずに、SFA的な可視化ができるかどうかを重視しました。

―――草間氏:不安があったとすれば、まずはセキュリティ面です。AIを使う以上、社内情報をどう扱うかは気になっていました。ただ、JAPAN AIについては、社外秘の情報を扱ううえで必要なセキュリティ面を確認でき、社内的にも利用を進められると判断できました。

もう一つは、JAPAN AIで本当にSFAとして使える仕組みを作れるのかという点です。当初はSFAを導入することが目的だったので、案件管理や営業活動の可視化がきちんと形になるのかは気になっていました。

ただ、デモやトライアルの中で、当社の業務に合わせた骨組みを作っていただき、実際の運用イメージを持てるようになりました。今も道半ばではありますが、「ここをこうしたい」「この情報も見たい」という要望を出しながら、少しずつ形にできています。

また、SFAだけを入れると、どうしてもSFAどまりになります。JAPAN AIの場合は、SFAを起点にしながら、議事録作成やナレッジ共有、営業リスト作成など、周辺業務にも広げていける、そして自分たち独自のツールを作っていける点も、選定理由として大きかったと思います。

既存の週報運用とJobRingのデータを活かし、営業活動と案件状況を可視化

―――JAPAN AI:導入後、営業活動の可視化はどのように進みましたか。

―――白石氏:今回重視したのは、営業メンバーの日々の入力負荷を増やさないことです。通常のSFAであれば、営業メンバーが日々入力し、それを積み上げていく形になると思います。ただ、過去の経験から、入力負荷が増えると定着しにくいことがわかっていました。

そこで、もともとGoogleドライブ上で運用していた週報の仕組みは残しました。既存で定着しているフローを活かしてデータを取る。そうやってまずは現場のやり方を変えすぎずに、可視化することから始めています。

案件管理については、自社開発システムである「JobRing」のデータも活用しています。JobRingは、見積作成から導入申請、請求までを管理する販売管理寄りのシステムで、営業に特化したSFAとして作られたものではありませんでした。

ただ、そこには案件データが蓄積されています。そこで、既存システムに入っている情報をJAPAN AI側で活用し、営業活動の可視化につなげる形を目指しました。新しいSFAにすべてを置き換えるのではなく、これまで使ってきた仕組みを活かしながら、足りない部分をJAPAN AIで補っていく考え方です。

案件の滞留状況についても、これまではJobRingに情報は入っていました。ただ、一人ひとり検索すればわかるものの、全員分を一覧で把握することは難しかった。導入後はランク別に滞留日数を見られるようになり、Aランクの案件が止まっていないか、Bランクに下がっていないかなどを確認しやすくなりました。

失注についても、どのくらい失注しているのか、どのランクで失注したのかが見えるようになってきました。失注理由の入力や分析は今後の課題ですが、営業だけでなく、製品改善にも活かせるデータとして蓄積していきたいと考えています。

―――JAPAN AI:週報データの活用によって、どのような変化がありましたか。

―――白石氏:週報は、一人ひとりを細かく監視するためのものではなく、営業メンバーのスケジュール意識を高めるために始めたものです。以前は、どれくらい予定が入っているかを見る程度でしたが、今は営業にどれくらい時間を使ったのか、商談は何件あったのか、移動時間はどれくらいだったのか、といった数字を見られるようになっています。

それらの数字が見えるようになってからは、新規の電話やメールも増加しています。2026年の6月と7月を比較すると、本質的な営業活動時間が10〜12%ほど上がっているという数字も出ています。営業活動に使える時間が増えていることが見えれば、メンバーのモチベーションにもつながると感じています。

―――JAPAN AI:SFA以外では、どのようなAI活用が進んでいますか。

―――草間氏:ナレッジ共有は、以前から課題の一つでした。個人に属人化した情報が多く、共有するにも時間がかかっていました。

今はJAPAN AI SPEECHを使って、営業や社内会議の議事録を残す運用を進めています。SPEECHで取得した内容をGoogleドキュメントに残し、その上で「議事録ジェネレーター」というエージェントを作りました。ウェブスペース特有の単語を入れた用語ライブラリも紐づけ、決まったフォーマットで出力できるようにしています。

さらに、Googleドライブに蓄積した議事録や資料を参照する「SC本部情報ナビ」というエージェントも作っています。議事録やGoogleドライブ、Gmailの情報などを参照しながら、必要な情報を一括で見られる体制を作っているところです。

そういった新しいエージェントは月次の会議で発表しています。営業リスト作成アシスタントは、公開から1週間経たないうちに100件以上使われました。営業をしようと思っても準備に時間がかかり、後回しになることがあります。そのリストが5分以内で出てくれば、「時間が空いたから回ろう」「お客様に連絡してみよう」という動きにつながると思います。

営業データを次の行動につなげ、全社のPDCAを速く回す

―――JAPAN AI:今後、JAPAN AIをどのように活用していきたいですか。

―――草間氏:まずは、SFAとしての仕組みをさらに高度化していきたいです。現在は、週報やJobRingのデータをもとに、営業活動や案件状況を可視化するところまで進んできました。今後はそこから一歩進めて、見えてきた数字を営業メンバーにどう返していくかが重要だと考えています。

たとえば、案件の滞留や失注理由、商談後の追客状況などを整理できれば、「次に何をすべきか」をより具体的に判断できるようになります。単に数字を見るだけではなく、AIを使って改善のヒントや次のアクションを出せるようにしていきたいです。

また、営業活動時間を最大化するという意味では、まだ自動化できる余地があります。現在の週報は手入力が残っていますが、当初は音声で記録した内容を週報に反映できないかとも考えていました。営業メンバーが「AIを使うとここまで便利になる」と実感できるような仕組みを、さらに作っていきたいです。

―――JAPAN AI:営業部門以外への展開については、どのように考えていますか。

―――草間氏:営業部門で進めているナレッジ共有の仕組みは、ほかの部署にも展開できると思っています。議事録や商談情報、Gmail、Googleドライブ上の資料などをつなぎ、必要な情報をエージェントから確認できるようになれば、個人に閉じていた情報を組織で活用しやすくなります。

今後は、商材マスターや顧客情報なども含めて、社内の知識を横断的に扱える基盤にしていきたいです。営業担当が提案を考えるときにも、過去の商談や商品情報を探し回るのではなく、必要な情報にすぐたどり着ける状態を目指しています。

ほかにも、月に約2,500件の受電があるコールセンターでも活用の余地があります。現在も文字起こしツールや汎用的な生成AIツールを使って対応履歴を処理していますが、今後はJAPAN AIを使って、対応内容の要約やCRMへの登録まで、より一体的に自動化できる可能性があると考えています。

―――齋藤氏:最終的には、AIによってPDCAのサイクルを短くしていきたいです。KPIを設定し、活動量や案件状況を可視化し、そこから次の打ち手を考える。そのサイクルが速く回るようになれば、営業部門だけでなく、全社の目標達成にもつながっていくと思います。

JAPAN AIは、SFAとしての可視化だけでなく、議事録作成、ナレッジ共有、エージェントによる業務支援など、複数の領域に広げられる点が大きいと感じています。まずは営業部門で成果を積み上げながら、将来的には全社のAX推進につなげていきたいと考えています。

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