「入社をゴールにしない」採用コンサルタントが、AIで実現する採用の仕組みづくりと支援の質・量の両立

「入社をゴールにしない」採用コンサルタントが、AIで実現する採用の仕組みづくりと支援の質・量の両立のアイキャッチ画像
工数の壁とAI台頭への対処— 採用コンサルティングがAIに向き合った理由
情報収集・採用基準設計・スカウト・提案の壁打ち— AIが変えた採用支援の仕事術
2時間の情報収集が1/12のわずか10分に 付加価値の高い業務へ割ける時間が増えた

導入前の課題

  • クライアントへの提案に向けた情報収集・準備に約2時間を要していた
  • 実際の応募者が来るまで採用基準の妥当性を検証できず、「現場が本当に欲しい人財」の定義に時間がかかっていた

導入後の成果

  • 情報収集が10分に短縮され、浮いた時間を提案の質の向上に充てられるようになった
  • 対応できる案件数が増え、クライアントへの支援を量・質の両面で拡充できた
  • 架空の候補者を使った評価のシミュレーションにより、評価基準と求人票を素早く精緻化できるPDCAサイクルが実現した

【企業紹介】

  • 会社名:合同会社オクトーリア
  • 設立:2023年2月15日
  • 事業概要:事業概要:採用コンサルティング・採用支援・教育研修(アバター研修)
  • ホームページ:https://www.octoria.jp/

「欲しいときに、欲しい人数、欲しい人財」が採用できる組織をつくることを使命としている合同会社オクトーリア。
採用コンサルティング・採用支援・教育研修(アバター研修)を手がけ、中小企業を中心に採用の仕組みづくりから定着支援まで一貫して担っています。
オクトーリアが目指すのは「オクトーリアがいなくても採用できる組織」。採用力をクライアント企業の資産として残すことにこだわり、戦略立案から現場の実務支援まで一気通貫でサポートしています。

採用領域でAIの存在感が増す中、AIがどこまで採用業務を担えるのかを見極めるべく、AI活用に踏み出しました。その中で出会ったのが、「JAPAN AI」および人事・採用支援AIプラットフォーム「JAPAN AI HR」です。今回は、AIを活用した独自の採用支援の実践とその導入によって生まれた変化について伺いました。

工数の壁とAI台頭への対処—
採用コンサルティングがAIに向き合った理由

―――JAPAN AI:事業内容を含め、自己紹介をお願いいたします。

――遠山氏
合同会社オクトーリアは、中小企業を中心に採用の仕組みづくりから定着支援までを一貫して担う、採用コンサルティング会社です。
私は、大学卒業後、生命保険業界にて中小企業の経営者へのリスクコンサルや法人保険の提案に6年間携わったのち、統計係として組織分析・中期経営計画の策定・データ分析を4年間担当しました。その後、人材紹介業界へ転身し、キャリアコンサルタントとして業界・年齢を問わず転職支援を行うとともに、中途向けの研修カリキュラムの企画・運営にも携わりました。さらに、両面型人材紹介会社では企業と求職者の双方を支援しながら、経営企画室を兼務し、企業理念の策定や業績分析、組織課題の解決にも取り組みました。こうした経験を活かす形で、2023年に独立し、現在の事業を立ち上げました。

私の強みは大きく2つあります。1つは「数字で語れるコンサルティング」です。大学時代は数理科学科で統計学を専攻し、社会人としても営業実績データの分析や経営計画の策定に携わってきました。その経験から、採用においてもKPI設計・効果測定・データ分析を重視しており、感覚ではなく数字で採用を語ることができます。
もう1つは「戦略から現場まで一気通貫の支援」です。採用戦略の立案から求人票の作成、ダイレクトスカウト、面接サポート、入社後の定着支援まで、採用が回る仕組みができるまで一貫してサポートします。

弊社の事業は、クライアントからの「人がいなくて困っている、助けてほしい」という相談からスタートすることが多いのですが、単なる代行にとどまらず、企業の中に仕組みを残すことを重視して日々ご支援をしています。

―――JAPAN AI:採用コンサルタントとして、どのような支援スタイルを大切にされているのでしょうか。

――遠山氏
よくクライアントには「欲しいときに、欲しい人数、欲しい人財が採用できるようにするのが私の仕事です」とお話ししています。ただし、それは短期的には難しいとお伝えしています。短期的な採用手法だけでは、採用の土台や仕組みがクライアントの中に残らないからです。だからこそ、まず企業の中に仕組みを作ることから始めています。

私が大切にしているのは、入社をゴールにしないことです。入社後にその人が活躍して初めて、企業の成長や社会への貢献につながります。そのためには、人事担当者だけでなく、現場が本当に求めている人財をどれだけ精緻に定義できるかが勝負になります。
「採用できた」で終わらせないために、求める人財像の定義から始まり、評価基準・面接設計・スカウト文・入社後研修まで、一連の流れを一貫して設計します。採用した人が現場で活躍し、現場から「○○さんを採用して良かった」と思えるようになって初めて、私の仕事は完結します。採用力をクライアントの組織に根付かせること。それが、私の本当のゴールです。

しかし、従来のやり方にはもどかしさがありました。求人を出して応募が来るのを待ち、 面接をして初めて「あ、この人は現場のイメージと違うな」と気づく。このプロセスでは、どれだけ丁寧に採用設計をしても、実際の候補者が来るまで基準の妥当性を検証できません。また、膨大な情報収集や提案資料の作成、アウトプットの論理チェックなどに時間が 取られ、より多くのクライアントを支援したくても物理的な限界を感じていました。

―――JAPAN AI:そうした課題を感じる中で、解決策の1つとしてAIの活用を考えるようになったのですね。

――遠山氏
情報収集や提案準備に時間がかかるという課題に対して、AIを使えば工数を大幅に短縮できると気づいたことが最初のきっかけです。
さらに、ちょうどその頃にAIを活用した面接支援サービスも台頭してきました。私自身は面接が得意だと思っていただけに、「人を見極める」という領域にAIが台頭してきたことに危機感を覚えました。

実際にAIを使い始めてわかったのは、AIを使えば6割の回答は作れるということです。ただ、8割以上の精度に引き上げるには、その企業のことを深く理解したうえで、人としての価値を乗せる必要があります。

採用コンサルタントがAIを活用することの本質は、効率化だけではありません。私がAIの設計・運用にこだわるのは、それがそのままクライアントへの価値提供の質に直結するからです。より短い時間で、より深い提案ができる。より多くのクライアントに、より本質的な支援ができる。AIを戦略的に使いこなすことで、「採用コンサルタントにしかできない仕事」の密度を上げていく。それが私の目指す姿です。

私がJAPAN AIを活用する際に意識しているのは、「AIに仕事をさせる」のではなく、「AIをどう設計し、どう使いこなすか」です。情報収集エージェントの構築も、架空候補者を使ったPDCAの設計も、すべて採用コンサルタントとしての戦略思考があってこそ機能します。
AIは優秀なアシスタントですが、クライアントの現場の空気感や経営者が言葉にできていない採用の悩みを引き出すのは、やはり人間にしかできない仕事です。
AIを設計・運用する側に立つことで、その人間にしかできない部分により多くの時間とエネルギーを注げるようになりました。
クライアントに採用コンサルタントとして価値を提供する立場である以上、AIが採用業務をどう変えていくのかを自分がちゃんと理解している必要があります。そうした危機感からAI活用に本格的に取り組み始めました。

情報収集・採用基準設計・スカウト・提案の壁打ち—
AIが変えた採用支援の仕事術

―――JAPAN AI:AI活用に取り組み始めた当初はどのようなツールを使われていたのですか。また、数あるツールの中からJAPAN AIを選ばれた理由も教えてください。

――遠山氏
最初はChatGPTやCopilotで文章作成や壁打ちをしたり、議事録特化ツールの活用をしたり、資料作成特化ツールで提案資料を作ったりと、用途ごとに別々のツールを契約し、試行錯誤していました。
ただ、ツールごとにデータを入れ直す必要があるのは非効率ですし、ログイン先が散らばっているのも大変でした。また、クライアントの情報を扱う立場として、セキュリティは絶対に譲れないポイントでした。

そこで、セキュリティが担保された環境で、AIチャットによる壁打ち・AIエージェントによる情報収集や資料作成・議事録作成とその二次活用・HR領域の採用評価まで、1つのプラットフォームで完結できるものを探していた時に出会ったのが「JAPAN AI」です。
特に「JAPAN AI HR」という採用業務に特化した環境があったことも魅力的でした。

―――JAPAN AI:具体的にどのようにJAPAN AIを活用されているか教えてください。

――遠山氏
現在は大きく4つのシーンでJAPAN AIを使っています。

①情報収集・市場調査
JAPAN AI AGENT(※1)で情報収集専用のAIエージェントを作成し、自社の事業内容や提供価値をあらかじめ設定したうえで運用しています。
クライアント企業や業界に関するインターネット上の公開情報の収集・整理を効率化しており、個別のクライアントに対する提案を考える際の情報収集の土台として活用しています。

▲ 作成・活用中の情報収集エージェント ▲

②架空の候補者で採用基準をブラッシュアップ
まずJAPAN AI CHAT(※2)で3〜5パターンの架空の候補者を作成し、JAPAN AI HR(※3)の評価機能に投入して「今の求人票・評価基準だとどの人がマッチするか」を確認します。
次にその架空の候補者をクライアントの現場担当者に見せ、「A〜Eさんのうち、誰が欲しいですか?」と問います。「Cさんがいい」となれば、Cさんが上位になるよう評価基準を逆算して変更し、求人票も修正していきます。

これにより、実際の候補者を待たずに、架空の候補者でPDCAを高速で回すことが可能になりました。

③スカウト文・面接質問の設計
クライアントへのスカウト代行業務においては、パーソナライズしたスカウト文のたたきをAIで作成し、精査・修正しながらブラッシュアップしています。

また、面接質問の設計については、架空候補者を作成したスレッドにそのまま続けて「この人にはどんな質問をすべきか」と問いかけることで、評価基準と面接質問を一貫して設計できています。

④壁打ち・アウトプットの品質担保
提案内容や資料のたたきをJAPAN AI CHATで壁打ちし、論理のズレや抜け漏れがないかを確認しています。誤字脱字のチェックから論理的な矛盾の指摘まで、アウトプットの質を担保する役割をAIが担ってくれています。

※1 JAPAN AI AGENT:AIエージェントをノーコードで作成できるプラットフォーム
※2 JAPAN AI CHAT:マルチLLMで高い回答精度を誇る法人向けAIチャットツール
※3 JAPAN AI HR:採用業務を効率化・高度化するAIプラットフォーム

2時間の情報収集が1/12のわずか10分に
付加価値の高い業務へ割ける時間が増えた

―――JAPAN AI:導入によって、業務はどのように変わりましたか。また、実感されている効果も教えてください。

――遠山氏
最も大きいのは情報収集にかかる時間の変化です。
以前は2時間かけていた情報収集が今では10分で終わります。浮いた1時間50分は、提案の精度を高めるための壁打ちの時間に充てられるようになりました。
その結果、1案件にかかる工数が減り、以前ならお断りしていた案件も受けられるようになりました。

また、採用の質という面でも効果を感じています。
架空の候補者を使って評価基準を精緻化するプロセスを通じて、「クライアントが本当に欲しい人財」を明確に定義できるようになりました。欲しい人財が明確になると採用ブランディングが確立し、そうした人財が集まりやすい仕掛けやイベントの設計にもつながります。そして、採用できていなかったクライアントが採用できるようになった事例も出てきています。

ただ、最初からうまくいったわけではありませんでした。このようなAIを活用した業務フローの習得には2〜3ヶ月かかりました。当初は「一発の指示で100%の答え」を求めてしまい、思い通りの回答が来なくて悩んだ時期もありました。しかし、AIとの会話のキャッチボールが重要だと気づいてから「今こういう立場で、こんなことに悩んでいます。どうしましょうか」と、チームメンバーに相談するように問いかけることで、質の高いアウトプットを引き出せるようになりました。

―――JAPAN AI:最後に、今後の展望をお聞かせください。

――遠山氏
今後は、採用の枠を超えて、オンボーディングや育成の領域までAI活用を広げていきたいと考えています。
その一つとして、弊社が提供するアバター(AI)を活用した研修サービスがあります。これは、AIアバターを相手に面接官トレーニングや営業ロープレ、入社後研修などを何度でも繰り返し練習できるサービスです。これまで「練習する機会がない」「指導担当者の工数がかかりすぎる」という課題を抱えていた企業に対して、いつでも・何度でも・客観的なフィードバック付きで練習できる環境を提供しています。
採用した人財が現場で早期に活躍できるかどうかは、入社後の育成環境にも大きく左右されます。どれだけ精緻に採用設計をしても、入社後のオンボーディングや研修が機能しなければ、定着率は上がりません。AIアバターを活用することで、採用から育成までをテクノロジーで一気通貫して支援できる体制を整えていきたいと考えています。

日本の労働人口が減っていく中で、AIやテクノロジーとの共存は避けて通れません。特に中小企業は、素晴らしい技術や文化を持っていても、採用や教育にリソースを割けずに苦しんでいるケースが多いです。そこに私がAIという武器を持って入り込み、仕組みを作ることで、「この会社に入って良かった」と思える人を一人でも増やしたい。そして、「この人を採用して良かった」と思える企業を一社でも増やしたい。人と企業の双方がより良い未来へ進めるよう支援すること。それが、私の原点です。

採用は、企業と人の人生をつなぐ仕事です。AIというツールを手に入れたことで、より多くの中小企業に、より深く関われるようになりました。テクノロジーを活用しながらも、最後は「人と人のつながり」を大切にする採用支援を、これからも追求していきます。

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