業務効率化を実現!全社でのAI活用を目指す
導入前の課題
- 日々発生する議事録作成作業に多くの時間を要していた
- セミナー要約作成は1〜2ヵ月かかることから作成を見送っていた
- 機密情報を扱うため一般的なAIツールの利用が困難だった
導入後の成果
- 議事録作成時間が4分の1に短縮
- セミナー要約作成期間が数日に短縮
- セキュアな環境で安心してAIを活用
「なによりも患者さんのために」を企業理念に掲げ、1929年に大阪市で創業した沢井製薬。 真心をこめた医薬品を通じて、1世紀近くジェネリック医薬品のリーディングカンパニーとして人々の健康に貢献してきました。
生活習慣病の治療剤、抗がん剤など約800品目もの製品を取り扱うほか、現在は新規事業としてPHR管理アプリ「SaluDi(サルディ)」などのデジタル機器も展開しています。医薬品のみならず、医療・健康情報の提供や活用によって、人々の暮らしや健康、QOL向上に貢献することを目指しています。
こうした積極的な取り組みをさらに加速していく一方、日々の業務をいかに効率的に進めていくかという課題を抱えておられました。今回は、営業統括部営業企画グループの柿木充史氏にAI導入のきっかけや導入後の変化について、お話を伺いました。
日々発生する議事録作成作業に多くの時間を要していた
営業統括部では様々なプロジェクトへの参画や部門横断型の会議に参加する機会が多いです。そのため、議事録を作成する作業が日々発生していました。
また、月の初めには月初会議という社長や営業本部の幹部が集まる会議もあり、その会議の議事録作成は担当者持ち回りだったのですが、担当の日はかなり神経を使っていました。
議事録作成に1時間以上はかかっていたと思います。録音データを聴きながら要点をまとめていくのですが、文章作成に慣れてない人は、かなり苦労していたのではないでしょうか。書き終わったら上長による確認を経て 、指摘された箇所の修正作業が発生するため、追加の時間と労力が必要でした。このように議事録作成は時間と労力のかかる作業となっていたのです。
セミナー要約作成に1〜2ヵ月を要し、タイムリーな情報提供が困難
医療関係者への情報提供の一環として、当社ではWebセミナーの企画・運営を行っています。このセミナーには、医師や薬剤師をはじめとする様々な分野の専門家を講師としてお招きしています。従来、セミナーの内容を冊子化して得意先に提供していました。しかしながら、この過程には大きな課題がありました。セミナー内容の書き起こしから冊子が完成するまでに1〜2ヵ月もの時間を要していたのです。
セミナーの内容にはトレンドがあるため、冊子化の遅れは深刻な問題となっていました。完成した冊子が手元に届く頃には、その情報が既に時宜を逸してしまうというジレンマに直面していたのです。
結果として、情報の鮮度を保てないのであれば意味がないと判断し、冊子化そのものを断念せざるを得ない場面もありました。これは非常に残念な経験でした。
打開策として JAPAN AIを導入。セキュリティ面もクリア
医薬品業界には医療DXという言葉があります。デジタル技術を使って現場の課題解決を進め、医療の質を高めていくという取り組みです。当社として対外的にDXを推進していく中で、社内でも何か新しい取り組みができないだろうかという機運が高まっていました。
ちょうどそのタイミングで、情報収集のために訪れたIT関連の展示会で「JAPAN AI SPEECH」のことを知ったのです。この AIツールは、議事録作成と講演会の要約機能を備えており、まさに我々のニーズに合致していました。
導入検討時には、類似機能をもつ3社のツールを比較検討しました。その中で、JAPAN AIは話者分離と、話者の名前が議事録に表示される機能が便利だと思いました。
価格面での導入ハードルが低かったのも魅力でした。
しかし最も懸念していたのが、セキュリティでした。私たちが取り扱う情報は機密情報を含むことが多く、これまで一般的な生成AIツールの利用を控えてきた理由でもありました。
この点についてJAPAN AI社の担当者にお話を伺うと、沢井製薬独自のセキュアな環境でAIを取り扱えることが確認できました。外部に情報流出リスクが最小限に抑えられることが保証されたため、「JAPAN AIなら安全に利用できる」という結論に至り、導入を決めました。
議事録は15分、セミナー要約1日で完成!
JAPAN AIの導入により、会議の議事録作成とWebセミナーの要約作業が劇的に効率化されました。その成果は当初の予想を大きく上回るものでした。
議事録作成においては、会議の録画データをJAPAN AIに読み込ませて、議事録の形式(プロンプト)を指定したところ、すぐに思い描いていた議事録が出来上がりました。これまでは録音データを聞いて内容を咀嚼してを繰り返しながら時間をかけて作成していたため、短時間での精度の高い議事録生成に驚きました。
議事録に関しては作成に1時間かかっていたのが、今では15分にまで短縮されています。
正直、導入時は期待している結果が得られるのか不安はありましたが、実際に使ってみると予想以上の成果が出たのです。
形式がしっかりと決まった議事録を残さないといけない会議については、JAPAN AIのテンプレートで作った議事録を多少手直しするだけで完了します。主な編集作業は不要な情報の削除程度にとどまっています。
社内からは「もうこれで議事録作成の負担がなくなる」「この品質で十分満足」「これまでの手作業が無駄に思えるほど」という声があがっていますね。
Webセミナーの要約は、以前は1〜2ヶ月かかっていた作業が、1日で完成するようになりました。現在は、セミナーのアーカイブ動画の要約をMRに共有して取引先に紹介するための参考資料として活用しています。
タイムリーに情報を届けられるようになったのは本当に大きな変化です。
API連携で会議システムからの自動読み込みも魅力
社内ではGoogle Meet 、社外ではZoomを使うことが多いので、API連携は重宝している機能のひとつです。
以前は文字起こしツールを使ったこともありました。テキスト化したものを議事録に貼りつけて、整えていたのですが、結果としてはかなりの時間がかかっていました。録画データを見返しながら、自分で咀嚼してテキストを書いたほうが早いくらいでした。
そのような苦労があったからこそ、会議が終わればJAPAN AIが録画データをすぐに議事録に処理してくれるのは大変助かります。
要望にしっかりと応えてくれるサポートも心強い
JAPAN AIの優れた点の一つは、その充実したサポート体制です。技術的な疑問や操作方法に関する問い合わせに対し、迅速かつ的確な回答を提供してくれます。メールでの問い合わせには即座に対応があり、ユーザーの不安や疑問を素早く解消してくれる点が非常に心強いです。
伴走支援も手厚いです。月1でミーティングを組んでもらえるため、安心して使い続けられます。ミーティングの際に、「こういうことを実現したい」と言えば 、それを可能にする具体的な手法や使用すべきツールを詳細に説明してくれる点は、非常に価値があります。
アップデートが頻繁にあるのも嬉しいですね。最新のLLMも結構早いタイミングで反映され、使えるようになるのは魅力的です。
さらなるAIの活用を目指し社内ノウハウ蓄積を目指す
今後はJAPAN AI SPEECHと一緒に導入した「JAPAN AI CHAT」の活用を進めていこうと考えています。
社内で生成AIを使ったことがある人は1、2割しかいません。この現状を踏まえ、AIツールの効果的な活用方法を明確に示すことが、全社的な展開の鍵となります。具体的には、様々なシナリオに対応したプロンプトの使用例や、達成可能な成果のパターンを体系化し、社内ノウハウとして蓄積していきたいと思ってます。
この取り組みの狙いは、AIツールを通じた組織全体の能力向上にあります。例えば、企画書作成経験が乏しい社員や、文章作成に苦手意識をもつ社員にとって、AIは強力な支援ツールになり得ると考えています。AIが当たり前に使えるような環境になれば、個々のスキルアップはもちろん、会社全体の人材レベルの底上げができるのではないかなと期待しています。
LLM間の連携でより高度な業務効率化を実現できると実感
当社では現在、JAPAN AIの活用範囲を議事録作成や文章要約から拡大し、文章添削、企画書骨子作成、アイデア出しなどへの適用を進めています。
JAPAN AIは、GPT、Gemini、Claudeの3つの大規模言語モデル(LLM)が使用可能です。それぞれのLLMの特性と業務タスクとの親和性について検証することで、より精度の高いアウトプットを得ることが可能となります。
例えば、Webセミナーに登壇していただく方のテーマ選定におけるアイデア出しプロセスが挙げられます。過去のセミナー情報や、Web情報などを総合的に分析する必要があります。我々の検証結果では、このような複雑な処理の場合には、Claude 3.5 Sonnetが優れたパフォーマンスを示しました。
各LLMの特性と最適な使用シーンを明確に整理・分類することで、精度の高いAI活用ライブラリが構築できそうです。このライブラリを活用し、組織全体のAIリテラシー向上と戦略的なAI活用の基盤となることが期待されます。
AI活用で人と人がより向き合える環境の実現へ
最先端のAI技術の導入は、当社の企業理念である「なによりも患者さんのために」をより深く実現する手段になると考えています。
これまでは議事録作成や文章要約などの間接業務に時間を取られていました。そういった業務はAIに任せて、私たち人間は医療従事者や患者さんと向き合うことにより多くの時間を割くことが可能になります。この変化は、より良い医療環境の構築に貢献します。今後もJAPAN AIを戦略的に活用し、医療の質の向上と患者さんの満足度向上を追求していきたいと思います。
導入を迷っている方には、「まずは使ってみてください」と強くお勧めします。私自身が使ってみて「めちゃくちゃ良いな」と思ったのもありますし、その感動と可能性をぜひ皆様にも体感していただきたいと思います。