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ChatGPTに個人情報を入力するリスクとは?漏洩事例と安全対策を徹底解説

ChatGPTに個人情報を入力するリスクとは?

ChatGPTは業務効率化や情報収集の手段として急速に普及し、2026年6月時点で世界の月間アクティブユーザー数は10億人規模に達しています。一方で、入力した個人情報がAIの学習データに取り込まれるリスクや、システムのバグによる情報漏洩事例が相次いで報告されており、個人情報の取り扱いに対する関心はかつてないほど高まっています。

ChatGPTに個人情報を入力すると具体的にどのようなリスクがあるのか、万が一入力してしまった場合にどう対処すべきか、企業として安全に活用するにはどのような設定や対策が必要なのか、といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ChatGPTに個人情報を入力するリスクから、実際の漏洩事例、法的リスク、具体的な対処法・設定方法、そして企業が取るべきセキュリティ対策まで、法人向け生成AIプラットフォームを提供するJAPAN AIが網羅的に解説します。

目次

ChatGPTに個人情報を入力するリスク

ChatGPTに個人情報を入力した場合、学習データへの取り込みやアカウント情報の流出、チャット履歴の漏洩、メモリ機能による意図しない保存という4つの経路でリスクが発生し得ます。

ChatGPTはデフォルト設定のままでは、ユーザーが入力したプロンプトやアップロードしたファイルの内容がOpenAIのモデル改善に活用される仕組みです。

加えて、アカウント自体がサイバー攻撃の標的となるケースや、システム上の不具合により第三者に情報が露出する事故も過去に発生しています。これらのリスクは、氏名や住所といった個人識別情報だけでなく、業務上の機密情報や顧客データにも同様に及ぶため、利用者一人ひとりがリスクの全体像を正確に把握しておく必要があります。

個人情報の入力リスクを軽減するには、まずリスクの発生経路を理解したうえで、適切な設定変更や運用ルールの策定に取り組むことが重要です。

入力した情報が学習データとして使われる

ChatGPTの個人情報リスクのうち最も根本的な問題は、入力データがAIモデルの学習に使用される仕組みにあります。

OpenAIの利用規約では、Web版やアプリ版のChatGPTに入力されたテキストや画像、ファイルなどのデータは、デフォルト設定においてモデルの品質改善を目的とした学習データとして利用される可能性があると明記されています。学習に取り込まれた情報は、モデルのパラメータに統合されるため、特定のデータだけを後から切り離して削除することは技術的に困難です。

さらに、学習データに含まれた情報が他のユーザーへの回答に間接的に反映される可能性も否定できません。

なお、OpenAIは設定画面の「データコントロール」から「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすることで、入力データの学習利用を停止できる仕組みを提供しています。ただし、この設定はデフォルトではオンのため、意識的に変更しない限り学習対象となる点に注意が必要です。

個人情報や機密情報を扱う場面では、入力前にオプトアウト設定を確認する習慣を身につけることが、情報漏洩の第一の防波堤といえます。

【関連記事】
ChatGPTに学習させない方法とは?オプトアウト設定の手順と注意点
ChatGPTの法人契約とは?企業利用する際の料金やセキュリティリスク

アカウント情報の流出・不正アクセス

ChatGPTの個人情報リスクは、入力データだけでなくアカウント認証情報そのものの流出にも及びます。

サイバーセキュリティ企業Malwarebytesの報告によると、2025年2月に「emirking」と名乗るサイバー犯罪者がダークウェブのフォーラムで2,000万件を超えるOpenAIアカウントの認証情報を売り出した事例が確認されています。

この種の流出は、マルウェアの一種であるインフォスティーラーがユーザーの端末から認証情報を窃取し、闇市場で売買される形で発生します。アカウントが不正にアクセスされると、過去のチャット履歴に含まれる個人情報や業務上の機密情報が第三者に閲覧されるリスクがあります。

アカウント情報の保護には、後述する2段階認証の設定に加え、ChatGPT専用の強固なパスワードを設定し、他サービスとの使い回しを避けることが有効です。

ChatGPTにおけるセキュリティ上の注意点について詳しくは、「ChatGPTにおいてセキュリティ面で気を付けることとは?対策についても解説」の記事もあわせてご覧ください。

チャット履歴の漏洩リスク

ChatGPTの個人情報リスクには、システムのバグに起因するチャット履歴の意図しない露出も含まれます。2023年3月、OpenAIのシステムにバグが発生し、一部のユーザーのチャット画面に他のユーザーのチャット履歴のタイトルが表示される事象が確認されました。

さらに同時期に、ChatGPT Plusの有料ユーザーの個人情報(氏名・メールアドレス・クレジットカード番号の下4桁など)が別のユーザーに表示される不具合も報告されています。これらの事象は、オープンソースライブラリの不具合が原因とOpenAIが公表しており、技術的な脆弱性がチャット履歴の漏洩につながり得ることを示しています。

システム側の不具合は利用者が完全に防ぐことはできませんが、機密性の高い情報をチャットに入力しない運用ルールを徹底することで、万が一の漏洩時の被害を最小限に抑えられます。

メモリ機能による個人情報の保存リスク

2026年6月4日にOpenAIが発表したDreaming V3により、ChatGPTのメモリ機能は会話内容をバックグラウンドで自動的に統合・記憶する仕組みへと進化しました。

従来のメモリ機能は、ユーザーの明示的な指示や会話中の強い手がかりに依存して情報を保存する仕組みであり、チャット中にのみ書き込まれていました。Dreaming V3では、複数の会話から得られる文脈情報をバックグラウンドで自動的に整理・統合し、最新かつ関連性の高い記憶として保持します。

この仕組みにより、ユーザーが意図せず会話中に含めた氏名や連絡先、業務上の情報などが自動的にメモリに取り込まれるリスクが生じます。

なお、保存されたメモリの内容は「設定」内の「パーソナライズ」から「メモリ」を選択することで確認・削除が可能です。個人情報の意図しない保存を防ぐためには、メモリ機能の設定を定期的に確認し、不要な記憶を削除する運用が求められます。

出典:OpenAI「ChatGPT メモリ機能のより強固な基盤」

ChatGPTに入力してはいけない情報

ChatGPTに入力を避けるべき情報は個人情報にとどまらず、企業の機密情報や未公開データを含む幅広いカテゴリに及びます。

入力データが学習に使用される可能性やシステム上の脆弱性を踏まえると、以下の情報はChatGPTへの入力を原則として控えるべきです。

  • 氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人識別情報
  • マイナンバー、パスポート番号、クレジットカード番号などの機微情報
  • 企業の営業秘密、未公開の経営戦略、M&A関連情報
  • ソースコード、設計図、特許出願前の技術情報
  • 顧客リスト、取引先情報、契約内容などの顧客データ
  • 社内会議の議事録、人事評価、給与情報

特に企業においては、従業員が業務効率化の目的で無意識にこれらの情報を入力してしまうケースが多く報告されています。入力禁止情報を明文化した社内ガイドラインの策定と周知が、組織的なリスク管理の第一歩です。

ChatGPTによる機密情報の漏洩リスクと具体的な対策方法については、「ChatGPTによって機密情報を漏洩するリスクと対策方法を解説」の記事で詳しく解説しています。

ChatGPTによる個人情報漏洩の事例

ChatGPTに関連する個人情報漏洩の事例は、ユーザーの入力ミス・システムのバグ・外部からの不正アクセスという3つのパターンに大別されます。

実際に発生した事例を把握することで、リスクの深刻さを具体的にイメージし、自社の対策に活かすことが可能です。以下では、代表的な3つの事例について経緯と教訓を整理します。

韓国企業での機密情報漏洩事件

ChatGPTの個人情報・機密情報漏洩事例として最も広く知られているのが、サムスン電子における機密ソースコード流出事件です。

2023年3月、サムスン電子の半導体部門(DS部門)でChatGPTの使用が許可された後、約20日間に3件の機密情報漏洩が連続して発生しました。エンジニアが開発中の半導体ソースコードのデバッグをChatGPTに依頼した際、機密コードがそのままOpenAIのサーバーに送信されました。

さらに、別の社員が社内会議の録音内容をChatGPTに入力して議事録を作成するなど、業務効率化の過程で機密情報が外部に流出する事態が相次ぎました。

この事件を受けて、サムスン電子はChatGPTを含む生成AIツール全般の社内利用を禁止する措置を講じました。業務効率化を目的としたAI利用であっても、入力する情報の機密性を事前に確認するプロセスが不可欠であることを示す教訓的な事例です。

出典:PC Watch「Samsung、ChatGPTの社内利用で3件の機密漏洩」

システムのバグによる個人情報漏洩事例

2023年3月に発生したChatGPTのシステムバグは、他ユーザーのチャット履歴と有料会員の個人情報が同時に露出した深刻な事例です。

このバグでは、ChatGPTのチャット画面のサイドバーに、本来表示されるべきでない他のユーザーのチャット履歴のタイトルが一覧表示される不具合が発生しました。

さらに、ChatGPT Plusの有料ユーザー約1.2%に対して、別のユーザーの氏名、メールアドレス、請求先住所、クレジットカード番号の下4桁、カードの有効期限が表示される事態に発展しました。OpenAIは原因をRedisクライアントのオープンソースライブラリのバグと特定し、修正対応を実施しています。

この事例は、クラウドサービスではシステム側の不具合によって利用者の意図に関わらず個人情報が露出するリスクがあることを明確に示しています。

出典:OpenAI「March 20 ChatGPT outage: Here’s what happened」

ダークウェブでのアカウント情報流出

ChatGPTのアカウント認証情報がダークウェブ上で大規模に売買されている実態は、アカウントセキュリティの脆弱性がもたらす二次被害の深刻さを浮き彫りにしています。

セキュリティ企業Group-IBの2023年の調査では、ダークウェブ上に10万件を超えるChatGPTアカウントの認証情報が出回っていることが確認されました。

さらに2025年2月には、2,000万件を超えるOpenAIアカウントの認証情報がダークウェブのフォーラムで売り出される事態が報じられています。

これらの認証情報は、インフォスティーラーと呼ばれるマルウェアによってユーザーの端末から窃取されたものが大半を占めます。流出したアカウントに不正ログインされると、チャット履歴に含まれる個人情報や業務データが第三者に閲覧される二次被害が発生します。

パスワードの使い回しを避け、2段階認証を有効にすることが、アカウント情報の流出被害を防ぐ最も基本的かつ有効な対策です。

ChatGPTが引き起こす情報漏洩のリスクと企業が取るべき対策の全体像については、「ChatGPTが引き起こす情報漏洩のリスクとは?企業が取るべきセキュリティ対策を解説」の記事で詳しく解説しています。

ChatGPTで情報漏洩した場合の問題点

ChatGPTを通じて情報漏洩が発生した場合、AIの学習データへの永続保存と、法的責任・社会的信用の失墜という2つの深刻な問題が生じます。

情報漏洩は単なるデータの流出にとどまらず、企業経営や個人の権利に長期的な影響を及ぼします。

以下では、特に影響の大きい2つの問題点を掘り下げます。

AIの学習データとして永続保存される

ChatGPTに入力された個人情報が学習データに組み込まれた場合、その情報を完全に削除することは技術的に極めて困難です。

大規模言語モデル(LLM)の学習プロセスでは、入力されたデータはモデルの膨大なパラメータの中に統計的なパターンとして分散的に取り込まれます。

特定のデータだけをモデルから「抜き出す」操作は、現在の技術水準では実用的な手段が確立されていません。チャット履歴の削除やOpenAIへのデータ削除リクエストは可能ですが、すでに学習に使用されたデータについてはモデルのパラメータから完全に除去することが保証されていないのが現状です。

個人情報の入力は「取り消しが効かない行為」であるという認識を持ち、入力前の確認を徹底することが最善の予防策です。

法的責任と社会的信用の失墜

ChatGPTを通じた個人情報漏洩は、損害賠償請求・行政処分・レピュテーションリスクという多面的な法的・社会的問題を引き起こします。

個人情報保護法では、個人情報取扱事業者が個人データの安全管理措置を怠った場合、個人情報保護委員会による勧告・命令の対象となり、命令違反には罰則が科されます。

さらに、漏洩された個人の権利利益が侵害された場合には、民法上の不法行為に基づく損害賠償責任を負う可能性があります。企業にとっては、顧客や取引先からの信頼喪失、株価への悪影響、採用活動への支障など、金銭的な損害にとどまらないレピュテーションリスクも深刻です。

2026年の個人情報保護法改正案では課徴金制度の導入も盛り込まれており、情報漏洩に対する法的制裁はさらに厳格化する方向にあります。組織としての管理体制の整備は、もはや任意ではなく経営上の必須事項です。

ChatGPTの個人情報に関する法的リスク

ChatGPTへの個人情報入力は、個人情報保護法上の第三者提供や利用目的の逸脱に該当し得る法的リスクを伴います。

企業がChatGPTを業務で利用する際には、技術的なセキュリティ対策だけでなく、法令遵守の観点からもリスクを正確に把握する必要があります。

個人情報保護法上の取り扱い

ChatGPTに個人情報を入力する行為は、個人情報保護法上の「個人データの第三者提供」に該当する可能性があります。

個人情報保護法では、個人情報取扱事業者が個人データを第三者に提供する場合、原則として本人の同意を得ることが義務づけられています。ChatGPTに個人情報を入力すると、そのデータはOpenAIのサーバーに送信されるため、海外の事業者への個人データの提供、すなわち「外国にある第三者への提供」に該当する可能性がある点に注意が必要です。

また、個人情報を取得した際に通知・公表した利用目的の範囲を超えてChatGPTに入力した場合、目的外利用として法令違反となるリスクもあります。

企業がChatGPTを業務利用する際は、プライバシーポリシーの見直しや、利用目的の範囲内での運用であるかの法的検証を事前に行うことが不可欠です。

2026年個人情報保護法改正と課徴金制度

2026年4月7日に閣議決定された個人情報保護法改正案は、課徴金制度の新設とAI開発における統計作成等の特例を柱としています。

この改正案では、悪質かつ重大な違反行為によって個人の権利利益を侵害し、財産上の利益を得た事業者に対し、個人情報保護委員会が課徴金の納付を命じることができる制度が新設されます。経済的誘因のある大量の個人情報の取り扱いによる悪質な違反行為に対して金銭的制裁が加わることで、個人情報保護の実効性が大幅に強化される見込みです。

一方で、AI開発などの「統計情報等の作成」を目的とする場合には、一定の条件のもとで本人同意なしに個人データを利用できる特例も設けられています。

なお、改正法案は2026年5月に衆議院を通過しており、施行は公布から2年以内の2028年頃が見込まれています。ChatGPTを含む生成AIの業務利用においては、改正法の動向を注視し、社内の個人情報管理体制を継続的に見直す姿勢が求められます。

出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案について」

ChatGPTに個人情報を入力してしまった場合の対処法

ChatGPTに個人情報を誤って入力してしまった場合は、チャット履歴の即時削除とOpenAIへの情報削除依頼を速やかに実行することが重要です。

完全なリスク排除は困難ですが、迅速な対応によって被害を最小限に抑えることが可能です。以下の2つの手順を順番に実行してください。

チャット履歴を即座に削除する

個人情報を入力してしまった場合の最初のアクションは、該当するチャットの即時削除です。

PC版では、画面左側のサイドバーに表示されるチャット履歴の一覧から、該当するチャットにカーソルを合わせ、表示されるメニューから「削除」を選択します。スマートフォンアプリでは、該当チャットを左にスワイプして削除できます。

さらに、メモリ機能に個人情報が保存されている可能性がある場合は、「設定」から「パーソナライズ」を開き、「メモリ」の項目で保存された内容を確認し、該当する記憶を個別に削除してください。

チャット履歴の削除はOpenAI側のサーバーからも30日以内にデータが削除されるとされていますが、すでに学習に使用されたデータについては完全な除去が保証されていない点に留意が必要です。

OpenAIに情報削除を依頼する

チャット履歴の削除に加え、OpenAIのプライバシーポータルからデータ削除リクエストを送信することで、より確実な対応が可能です。

OpenAIプライバシーポータルにアクセスし、「Make a Privacy Request」から「I have a consumer ChatGPT account」を選択してログインします。次に、「Do not train on my content」を選択することで、今後の入力データが学習に使用されないよう申請できます。また、個人データの削除を求める場合は、同ポータルから削除リクエストを送信することも可能です。

対処後は、今後の入力にも注意を払い、オプトアウト設定や一時チャットの活用など、予防的な対策を講じることが再発防止につながります。

ChatGPTに学習させないための具体的な設定手順と注意点については、「ChatGPTに学習させない方法とは?オプトアウト設定の手順と注意点」の記事で詳しく解説しています。

ChatGPTに個人情報を学習させない設定方法

ChatGPTに個人情報を学習させないための設定方法として、オプトアウト設定、一時チャットの活用、メモリ機能のオフ、2段階認証の設定という4つの手段が有効です。

いずれも個人ユーザーが今すぐ実行できる設定であり、情報漏洩リスクを事前に軽減する予防策として機能します。

オプトアウト設定で学習をオフにする

個人情報の学習利用を防ぐ最も基本的な方法は、設定画面から「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすることです。

PC版では、画面右上のプロフィールアイコンから「設定」を開き、「データコントロール」を選択します。「すべての人のためにモデルを改善する」のトグルをオフに切り替えれば、設定は即時に反映されます。スマートフォンアプリでも同様に、サイドバーのプロフィールアイコンから「データコントロール」にアクセスして設定を変更できます。

なお、この設定は「今後の会話」にのみ適用されます。過去の入力データも含めて学習利用を拒否したい場合は、OpenAIのプライバシーポータルから別途オプトアウト申請を行う必要があります。

一時的なチャット(Temporary Chat)を活用する

一時チャット機能は、チャット履歴を保存せず、入力データがモデルの学習にも使用されないモードです。

一時チャットを利用するには、チャット画面上部の「ChatGPT」の文字をクリックし、表示されるメニューから「一時チャット」をオンに切り替えます。一時チャットモードでは、会話の内容がチャット履歴に保存されず、OpenAIのモデル改善にも利用されません。会話を終了すると内容は完全に消去されるため、個人情報を含む可能性のある会話に適しています。

ただし、一時チャットではメモリ機能が無効となり、過去の会話で蓄積された文脈情報は参照されません。カスタム指示は有効であれば引き続き反映されますが、メモリによるパーソナライズが必要な場合は通常チャットとの使い分けが必要です。

メモリ機能をオフにする

メモリ機能をオフにすることで、会話内容が自動的に記憶・保持されることを防止できます。

「設定」から「パーソナライズ」を開き、「メモリ」の項目でメモリ機能をオフに切り替えます。すでに保存されているメモリがある場合は、同画面の「メモリを管理」から保存済みの記憶を一覧で確認し、不要な項目を個別に削除することも可能です。

Dreaming V3の導入により、メモリ機能がオンの状態では会話から自動的に文脈情報が取り込まれるため、個人情報の意図しない保存を防ぎたい場合はオフにしておくことが推奨されます。

メモリ機能のオン・オフは用途に応じて柔軟に切り替え、定期的に保存内容を確認する運用が効果的です。

2段階認証を設定する

アカウントの不正アクセスを防ぐためには、多要素認証(MFA)の設定が不可欠です。

「設定」から「セキュリティ」を開き、「多要素認証」の項目で2段階認証を有効にしましょう。Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorなどの認証アプリを使用してワンタイムパスワードを設定することで、パスワードが流出した場合でも第三者によるログインを防止可能です。

ダークウェブでのアカウント情報売買が確認されている現状を踏まえると、パスワードのみの認証では十分な安全性を確保できません。

2段階認証の設定は数分で完了するため、まだ設定していない場合は最優先で実施することをおすすめします。

企業がChatGPTを安全に活用するための対策

企業がChatGPTを安全に活用するためには、個人の設定に頼らない組織的なセキュリティ対策の構築が不可欠です。

個人ユーザー向けのオプトアウト設定や一時チャットだけでは、組織全体の情報漏洩リスクを管理することはできません。法人向けプランの導入からガイドラインの策定、技術的な防止策、従業員教育まで、多層的な対策を講じる必要があります。以下では、企業が実施すべき5つの対策を解説します。

  • 法人向けプラン(Business/Enterprise)の利用
  • API経由での利用
  • 社内でAI利用ガイドラインを策定
  • DLP・ログ監視ツールの導入
  • 従業員向けセキュリティ研修の実施

法人向けプラン(Business/Enterprise)を利用する

企業がChatGPTを導入する際に最も重要な対策の一つが、データ学習除外が契約上保証された法人向けプランの利用です。

ChatGPT Business(旧Team、2025年8月に改称)およびEnterpriseプランでは、入力データがOpenAIのモデル学習に一切使用されないことが契約上明記されています。

加えて、SAML SSOによるシングルサインオン対応により、既存のID管理基盤と統合した認証が可能です。Enterpriseプランではさらに、Compliance APIによる監査ログの取得、SCIMによるディレクトリ同期、高度なロールベースアクセス制御(RBAC)が利用でき、大規模組織のセキュリティ要件にも対応します。

なお、Businessプランの料金は1ユーザーあたり年払いで月額3,050円(税込)、月払いで月額3,850円(税込)で、Enterpriseプランは個別見積もりです。自社の規模やセキュリティ要件に応じたプラン選定が重要です。

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API経由で利用する

OpenAI APIを経由したChatGPTの利用は、入力データがモデルの学習に使用されないことがデフォルトで保証されています。

OpenAIのAPIデータポリシーでは、2023年3月以降、API経由で送信されたデータはデフォルトでモデルのトレーニングに使用されないことが明記されています。企業が自社のシステムやアプリケーションにChatGPTの機能を組み込む場合、API経由での利用を選択することで、Web版やアプリ版で生じるデータ学習のリスクを回避できます。

ただし、不正利用の監視を目的としてAPIに送信されたデータは最大30日間OpenAI側で保持される点には留意が必要です。

API利用には技術的な知識が求められるため、社内にエンジニアリソースがない場合は、法人向けプランの利用やセキュアなAIプラットフォームの導入を検討することが現実的な選択肢です。

社内でAI利用ガイドラインを策定する

技術的な対策と並行して、入力禁止情報の明確化と利用ルールの策定を含む社内ガイドラインの整備が求められます。

ガイドラインには以下の項目を盛り込むことが推奨されます。

  • ChatGPTへの入力が禁止される情報の具体的な定義(個人情報、機密情報、未公開情報など)
  • 利用が許可される業務範囲と利用手順
  • オプトアウト設定や一時チャットの利用を義務づけるルール
  • インシデント発生時の報告フローと対応手順
  • ガイドラインの定期的な見直しスケジュール

ガイドラインは策定するだけでなく、全従業員への周知と定期的な更新を行うことで、実効性のある運用が可能です。

DLP・ログ監視ツールを導入する

DLP(データ損失防止)ツールとログ監視の導入は、ChatGPTへの機密情報入力を技術的に防止する仕組みとして有効です。

DLPツールは、従業員がChatGPTに入力しようとするテキストをリアルタイムで監視し、個人情報や機密情報のパターンに合致するデータの送信を自動的にブロックします。クレジットカード番号やマイナンバーなどの定型的なデータだけでなく、自社で定義したキーワードやファイル種別に基づくカスタムルールも設定可能です。

加えて、Enterpriseプランを導入している場合は、Compliance APIを活用することで、誰がいつどのような内容を入力したかを監査ログとして記録・可視化できます。

ガイドラインによる人的な管理と、DLP・ログ監視による技術的な管理を組み合わせることで、多層的な情報漏洩防止体制を構築できるでしょう。

従業員向けにセキュリティ研修を実施する

生成AIの安全な利用を組織に定着させるためには、全従業員を対象としたセキュリティ研修の定期的な実施が欠かせません。

研修では、ChatGPTに個人情報や機密情報を入力した場合のリスクを具体的な事例とともに解説し、オプトアウト設定や一時チャットの使い方を実践的に指導します。

サムスン電子の事例やダークウェブでのアカウント情報売買の実態など、実際に発生したインシデントを教材として活用することで、従業員のリスク意識を効果的に高められます。研修は新入社員の入社時だけでなく、半年から1年ごとの定期開催が推奨されます。

技術的な対策は仕組みとして機能しますが、最終的に情報を入力するのは人間です。従業員一人ひとりのセキュリティリテラシー向上が、組織全体の情報漏洩リスクを低減する基盤といえます。

ChatGPTのセキュリティリスクと5つの対策方法については、「ChatGPTのセキュリティリスクとは?懸念される問題と5つの対策方法を解説」の記事もあわせてご覧ください。


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企業がChatGPTの個人情報リスクを根本から解消するには、入力データがAIの学習に一切使用されないセキュアな環境の構築が重要です。JAPAN AI CHATは、上場企業水準のセキュリティを備えた法人向け生成AIチャットプラットフォームです。ユーザーが入力したデータは外部のLLMベンダー側で学習に使われることがなく、ISMS認証・プライバシーマーク取得済みの環境で安心してご利用いただけます。ChatGPTやGemini、Claudeなど複数の最新AIモデルをワンクリックで切り替えながら、部門・役職単位での閲覧権限設定や社内文書の横断検索(RAG)にも対応しています。

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ChatGPT広告導入とプライバシーポリシーの最新動向

2026年6月22日に適用されたOpenAIのプライバシーポリシー更新により、ChatGPTの広告に関する規定が正式に追加され、日本を含む複数の国でChatGPTの無料プランとGoプランでの広告表示が本格展開されました。

ChatGPTでの広告テストは2026年2月に米国で開始されており、その後対象地域を段階的に拡大してきました。

OpenAIは2026年6月10日にユーザーへ通知を送付し、広告に関する規定を追加したプライバシーポリシーの改定を発表しました。広告が表示される対象はFreeプランとGoプランのユーザーで、Plus・Pro・Business・Enterprise・Educationの各プランでは広告は表示されません。

広告の関連性を高めるために、ChatGPT上に保持される情報(ユーザーが操作した広告やチャットのコンテキストなど)が活用される場合がありますが、OpenAIはユーザーの個人情報や会話内容を広告主と共有しないことを明言しています。広告主がアクセスできるのは、合計表示回数やクリック数などの集計データに限られます。

また、18歳未満のアカウントや、健康・メンタルヘルス・政治などセンシティブな話題の近くでは広告を表示しない方針です。

なお、広告のパーソナライズは「設定」から管理が可能です。広告表示を完全に回避したい場合は、Plus以上の有料プランへのアップグレードが選択肢です。無料プランを利用する場合でも、オプトアウト設定や一時チャットの活用により、データの学習利用リスクは従来通り軽減できます。

出典:OpenAI「広告ポリシー」

ChatGPTの個人情報に関してよくある質問

ChatGPTに入力した個人情報は削除できる?

チャット履歴の削除、メモリに保存された情報の削除、OpenAIのプライバシーポータルからのデータ削除リクエストという3つの方法で対応できます。

ただし、すでにモデルの学習に使用されたデータについては、モデルのパラメータから完全に除去することは技術的に困難です。入力前の確認を習慣化することが最善の対策です。

ChatGPTの無料プランでも安全に使える?

無料プランでも、オプトアウト設定で学習利用をオフにし、一時チャットを活用し、2段階認証を有効にすることでリスクを大幅に軽減できます。

ただし、2026年6月22日以降は無料プランで広告が表示されるようになり、広告のパーソナライズにチャットのコンテキスト情報が使用される場合がある点には注意が必要です。

企業でChatGPTを導入する際に最低限すべき対策は?

最低限実施すべき対策は、データ学習除外が保証されたBusiness以上の法人向けプランの契約、入力禁止情報を明確にしたAI利用ガイドラインの策定、全従業員へのオプトアウト設定の徹底の3点です。これらを基盤として、DLPツールの導入やセキュリティ研修の実施を段階的に進めることが推奨されます。

ChatGPTの個人情報リスクを理解して安全に活用しよう

ChatGPTの個人情報リスクへの対応は、リスクの正確な理解、適切な設定と対策の実行、そして継続的な見直しという3つのステップで進めることが重要です。

本記事で解説したように、ChatGPTに入力された個人情報は学習データへの取り込み、アカウント情報の流出、システムバグによる漏洩、メモリ機能による意図しない保存といった複数の経路でリスクにさらされます。

個人ユーザーはオプトアウト設定や一時チャット、2段階認証を活用し、企業は法人向けプランの導入やガイドラインの策定、DLPツールの導入といった組織的な対策を講じることが求められます。

2026年は個人情報保護法改正案の閣議決定、ChatGPTの広告導入、メモリ機能のDreaming V3への進化など、個人情報を取り巻く環境が大きく変化した年です。これらの最新動向を踏まえ、設定やガイドラインを定期的に見直す姿勢が、ChatGPTを安全かつ効果的に活用し続けるための鍵といえます。