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RFI(情報提供依頼書)とは?RFPとの違いや記載項目・メリットをわかりやすく解説

rfi とは

システム導入やベンダー選定を任されたとき、「RFIとは何か」「RFPとどう違うのか」と疑問を持つ方は少なくありません。RFI(情報提供依頼書)は、候補ベンダーから製品・サービスの情報を幅広く収集するための文書であり、その作成・送付は適切なベンダー選定の第一歩です。

しかし、RFIとRFPは具体的に何が違うのか、RFIにはどのような項目を記載すればよいのか、RFQとの使い分けはどうすればよいのか、といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、RFIの意味や目的からRFPとの違い、記載すべき項目、メリット、RFI・RFP・RFQの活用順序、作成時のポイントまで、JAPAN AIが網羅的に解説します。

RFI(情報提供依頼書)とは

RFIとは「Request For Information」の略称で、日本語では「情報提供依頼書」と呼ばれます。企業や官公庁がITシステムの導入・リプレイスや業務委託、調達などを計画する際に、候補となるベンダー(パッケージベンダーやSIer=システムインテグレーターなど)に対して、製品・サービスの基本情報や技術情報の提供を依頼するための文書です。

RFIの最大の特徴は、ベンダーの最終選定を目的としていない点にあります。あくまで情報収集が主目的であり、Webサイトやカタログだけでは入手できない詳細な製品情報、導入実績、技術仕様、費用感などを複数のベンダーから幅広く集めるために活用します。

具体的には、候補となりそうなベンダーを数社〜十数社リストアップし、統一したフォーマットのRFIを送付します。各社からの回答を比較・整理することで、後続のRFP(提案依頼書)作成に必要な情報を得たり、候補ベンダーを絞り込んだりする判断材料とします。

特に、以下のような場面でRFIの活用が効果的です。

  • まだシステムの具体的な要件が固まっていない
  • 候補ベンダーの情報が不足しており、比較検討の材料が必要
  • 発注側にIT調達の経験が少なく、市場の状況を把握したい

民間企業においては、RFIの作成・提出は法令で義務づけられたものではなく、必須のプロセスではありません。

一方、官公庁の政府調達では、調達額が80万SDR(2026年4月1日〜2028年3月31日の邦貨換算額で1億6,000万円)以上と見込まれる案件について、政府調達手続の運用指針に基づく「資料提供招請(RFI)」および「仕様書案への意見招請」の手続が定められています(政府調達協定上の義務ではなく、日本の自主的措置)。

なお官公庁では「資料提供依頼」「資料提供招請」という呼称も用いられます。民間においても、RFIを実施することで情報収集の精度が高まり、その後のベンダー選定をスムーズに進められるため、多くの企業で活用されています。

出典:JETRO「政府公共調達概要」

RFIを作成する目的

RFIを作成する主な目的は、ベンダー選定に先立つ幅広い情報収集です。

この段階では特定のベンダーに発注することを前提とせず、候補となる複数のベンダーから製品・サービスの概要、機能、価格、導入実績などの情報を広く集めます。収集した情報は以下のような用途に活用されます。

  • 複数ベンダーの製品・サービスを同一基準で比較し、自社のニーズに合う候補を見極める
  • 最新の製品動向や費用相場を確認し、自社の計画が現実的かどうかを判断する
  • RFIで得た情報をもとに、後続のRFP(提案依頼書)に記載する要件や条件を具体化する
  • 回答内容から自社に適さないベンダーを早期に識別し、RFPの送付先を効率的に決定する

つまり、RFIは「何を選ぶか」を決める前の「何があるかを知る」ためのプロセスです。この段階で十分な情報を集めておくことで、後続のRFP作成やベンダー選定の精度が大きく向上します。

RFIとRFPの違い

RFIとRFPは、どちらもベンダーに対して発行する文書ですが、目的・内容・活用する段階が明確に異なります。混同されやすい両者の違いを正しく理解することが、適切な調達プロセスの第一歩です。

比較項目RFI(情報提供依頼書)RFP(提案依頼書)
正式名称Request For InformationRequest For Proposal
主な目的製品・サービスの情報を幅広く収集する具体的な提案を依頼し、発注先を選定する
実施段階初期の情報収集段階要件が明確になった後の提案依頼段階
内容の具体性大まかな課題・目的・前提条件を提示システム要件・予算・納期・制約条件を具体的に提示
ベンダーの回答内容製品・サービスの概要、機能、実績、費用感など個別具体的な提案書、概算見積
送付先の目安数社〜十数社と幅広くRFI後に3〜5社程度へ絞り込む

最も重要な違いは目的です。RFIは「どのような製品・サービスがあるかを広く知る」ための情報収集が目的であるのに対し、RFPは「自社の要件に合った具体的な提案を求め、発注先を決定する」ことが目的です。

一般的な流れとしては、RFIで得た情報をもとにRFPを作成し、ベンダーへ具体的な提案を依頼するという順序で進めます。RFIの段階では要件が固まっていなくても問題ありませんが、RFPの段階ではシステムに求める要件や予算、スケジュールなどを明確に示す必要があります。

RFPとは

RFP(Request For Proposal)は、日本語で「提案依頼書」と呼ばれます。発注者が自社の課題やシステム要件を具体的に示し、ベンダーに対して個別の提案書や見積書の提出を求める文書です。

RFPには実現したい要件が明確に記載されており、ベンダーからの回答には具体的な提案内容、プロジェクト体制、スケジュール、概算見積が含まれます。ただしRFP段階ではシステム要件が完全に確定していないため、この見積は概算であり、確定見積は要件定義完了後(またはRFQ段階)に取得するのが一般的です。発注者はこれらの提案を比較・評価し、最終的な発注先を決定します。

RFIが「広く浅く情報を集める」段階の文書であるのに対し、RFPは「狭く深く提案を求める」段階の文書です。

RFQとは

本記事におけるRFQ(Request For Quotation)は、日本語で「見積依頼書」と呼ばれます。ベンダーに対して、特定の条件における製品・サービスの価格や費用内訳の見積もりを依頼する文書です。

RFQは、調達対象の仕様・数量・納期があらかじめ確定していることを前提とする文書です。仕様が固まっているからこそ、各社の見積を同一条件で比較できます。RFQの主な目的は価格・取引条件の比較であり、機能や実現方式の提案を求めるRFPとは異なり、費用内訳に加えて納期、保守・SLA、支払条件、保証範囲、見積の除外事項などを確認します。

逆に要件が固まっていない段階でRFQを出しても、各社の前提がそろわず比較できない見積しか集まらないため注意が必要です。

ITシステムの導入検討では、要件が固まっていない状態から始まるためRFI→RFP→RFQの順序で活用するケースが多く見られます。ただしこの順序は固定ではありません。調達・購買の領域では、RFIの後にRFQで概算費用を確認して候補を絞り、その後RFPで提案内容を比較するフローも一般的です。

また、仕様が明確に確定している部材・ハードウェア調達では、RFI・RFPを経ずにRFQから始めるのが標準です。実務では、RFQを単独で作成せずRFP内で見積もりを依頼するケースも多くあります。自社の案件で「要件がどこまで固まっているか」を基準に、必要な段階だけを選択することが重要です。3つの文書の使い分けを整理すると、以下のようになります。

文書日本語名主な目的
RFI情報提供依頼書製品・サービスの情報を幅広く収集する
RFP提案依頼書具体的な提案を依頼し、発注先を選定する
RFQ見積依頼書価格や費用内訳の見積もりを比較する

RFIの記載項目

RFIのフォーマットに決まった形式はありませんが、ベンダーから的確な回答を得るためには必要な項目を過不足なく盛り込むことが重要です。ここでは、一般的にRFIに記載すべき主要項目と、あわせて明記すべき事務事項を解説します。

趣旨・目的

RFIを作成した背景や、どのような情報を必要としているかを記載する項目です。具体的には、以下の内容を明記します。

  • RFIを実施することになった背景(システム導入・リプレイスの理由など)
  • 検討しているシステム導入・業務委託の概要
  • ベンダーからどのような情報を得たいのか
  • 現在抱えている業務上・システム上の課題
  • 導入後に実現したい状態やゴール

この項目はRFI全体の方向性を決める最も重要な部分です。目的や必要な情報が曖昧なままだと、ベンダーから的外れな回答が返ってくる可能性があります。「なぜこの情報が必要なのか」「収集した情報をどのように活用するのか」を具体的に記載することで、ベンダーは自社の製品や技術でどのように課題を解決できるかを示しやすくなります。

自社情報

RFIはベンダーとのファーストコンタクトとなることが多いため、自社の状況を正しく理解してもらうための情報を記載します。主な記載内容は以下のとおりです。

  • 会社名・所在地・事業概要
  • 組織規模・従業員数
  • 検討している業務範囲
  • 発注対象の範囲
  • 既存のシステム環境(開示範囲を限定のうえ記載)
  • 前提となる条件

自社の状況や前提条件を明確に伝えることで、ベンダーは自社の規模や業種に適した情報を提供しやすくなります。また、正確な自社情報の開示は、将来のビジネスパートナーとしての信頼関係構築にもつながります。

なお、自社情報を数社〜十数社に開示する点には注意が必要です。会社概要・組織規模・検討している業務範囲までは公開情報レベルに留め、既存システムの詳細構成や業務フロー、具体的な課題内容といった機密性の高い情報は、秘密保持契約(NDA)を締結したうえで、あるいはRFP段階に回して開示するのが実務上の安全な進め方です。

相手企業の基本情報

製品やサービスだけでなく、それを提供するベンダー自体の情報を確認するための項目です。以下のような情報の提示を求めます。

  • 会社名・所在地
  • 売上高・従業員数
  • グループ企業・親会社
  • 資本関係

特にグループ会社や親会社の情報を確認することが重要です。理由は主に3点あります。

第一に、システムの導入を親会社が担当し、保守・運用を子会社が担当するなど、グループが一体でサービスを提供するケースがあるため、責任分界点と契約主体を事前に把握する必要があります。

第二に、資本関係や親会社の状況を確認することで、長期利用が前提となるシステムの事業継続性を評価できます。

第三に、自社の競合他社や主要取引先との資本関係を確認し、利益相反の有無を判断できます。

あわせて、同一グループの複数社を実質的に同じ選択肢として重複カウントしてしまう事態も避けられます。

製品・サービスの基本情報

複数のベンダーが提供する製品・サービスを比較検討するために必要な基本情報を求める項目です。主な確認事項は以下のとおりです。

  • 製品・サービス名
  • リリース時期
  • 導入実績(業種・規模・件数など)
  • 価格(初期費用・ランニングコスト)
  • 製品・サービスの特徴や強み

複数社の回答を同じ基準で比較できるよう、質問項目や回答形式はできるだけ統一することが重要です。また、公開情報だけでは分かりにくい費用感や導入実績を初期段階で確認できる点も、RFIの大きな利点です。

製品・サービスの機能

製品・サービスが持つ具体的な機能や、導入によって想定される効果を確認する項目です。以下のような情報を求めます。

  • 搭載されている主要機能
  • 自社の課題解決への適合性
  • 導入によるメリットや期待できる効果
  • 他社製品に対する優位性
  • カスタマイズの可否

この項目を設計する際のポイントは、各社の違いを比較しやすいシンプルな項目設計にすることです。質問を細かくしすぎるとベンダーの回答負担が増え、回答期限内に回答を得られなくなるリスクがあります。RFIの段階では、比較検討に必要な最低限の機能情報に絞り、詳細な機能要件はRFPの段階で確認する方が効率的です。

プロジェクト体制・サポート体制

導入から運用・保守までを誰がどのように担うのかを確認する項目です。

  • プロジェクト体制(要員数・想定役割・常駐の有無)
  • 導入支援の範囲とサポート内容
  • 運用・保守体制(受付時間、対応窓口、SLAの考え方)
  • 再委託・グループ会社の関与範囲

RFIの段階で体制面を確認しておくことで、自社の規模やスケジュールに対応できないベンダーを早期に判別できます。

回答要領と注意事項

RFIを実務で機能させるには、依頼内容だけでなく事務事項の明記が不可欠です。以下は必ず記載してください。

  • 回答期限、提出方法、提出先(担当部署・連絡先)
  • 質疑の受付期間と問い合わせ窓口
  • 回答フォーマット(比較しやすさを確保するため様式を指定)
  • 本依頼は発注・契約を約束するものではない旨
  • 回答書の作成に要する費用は各社負担である旨
  • 提出物の取扱い(返却の有無、社内共有範囲)および秘密情報の取扱い(NDAの締結有無・締結時期)

これらを明記しないままRFIを送付すると、ベンダー側が受注確約と誤解したり、回答形式がばらついて比較できなくなるといったトラブルにつながります。

RFIのメリット

RFIを作成・活用することで、口頭やメールでの個別問い合わせでは得られない多くのメリットがあります。ここでは、RFIを活用する主な6つのメリットを解説します。

  • 比較の土台を公平に揃えられる
  • 簡易的なスクリーニングができる
  • 情報収集ができる
  • 比較検討がしやすくなる
  • 無駄なやりとりが減る
  • 資料として保存しやすい

比較の土台を公平に揃えられる

RFIを活用する主要なメリットのひとつは、候補ベンダーから同一条件で情報を集め、比較の土台を公平に揃えられることです。

複数のベンダーに同一フォーマットのRFIを送付し、同じ基準で回答を求めるため、特定のベンダーに有利・不利が生じにくい仕組みです。回答結果を比較・評価した記録は、社内稟議や経営層への説明資料としても活用できます。

また、官公庁・自治体などの公共機関や大企業では、調達プロセスの透明性・公平性が求められるため、RFIの実施記録は「どの範囲の市場を調査したうえで候補を絞り込んだか」を示す客観的な資料として役立ちます。ただし、最終的な選定の妥当性を裏づけるのは、RFP段階で事前に設定した評価基準と、その基準に沿った評価結果の記録です。RFI実施のみをもって選定の公平性が担保されるわけではない点に注意してください。

簡易的なスクリーニングができる

RFIへの回答を確認することで、自社に適さないベンダーや製品を早い段階で識別できます。

たとえば、自社が求める機能を備えていない製品、想定と大きく異なる価格帯のサービス、必要な業種・規模での導入実績がないベンダーなどを、RFPを作成する前の段階で候補から外すことが可能です。

このスクリーニング機能により、後続のRFP送付先を効率的に絞り込めるため、ベンダー選定プロセス全体の時間とコストを削減できます。一般的には、RFIで数社〜十数社に送付した後、回答をもとに3〜5社程度に絞り込んでRFPを提示するケースが多く見られます。

情報収集ができる

RFIを通じて、Webサイトやカタログだけでは入手できない詳細な情報を収集できます。

ベンダーからの回答には、公開情報には掲載されていない導入事例や、自社の業種・規模に近い活用実績などが含まれる場合があります。ただし、未発表の新製品情報や機能追加ロードマップといった非公開情報は、秘密保持契約(NDA)を締結していなければ通常は開示されません。深い情報を得たい場合は、RFI段階でNDAを締結するか、RFP段階でのNDA締結を前提に情報開示のレベルを段階的に上げる設計が有効です。

また、複数のベンダーから同時に情報を集めることで、個別に問い合わせるよりも効率的に市場の最新動向や費用相場を把握できる点もメリットです。

比較検討がしやすくなる

RFIでは統一したフォーマットで各ベンダーに回答を求めるため、すべての製品・サービスを同一基準で比較検討できます。

個別にWebサイトを調べたり、各社に異なる形式で問い合わせたりする場合、情報の粒度や項目がバラバラになりがちです。RFIを使えば、機能・価格・実績・サポート体制などの項目を揃えた状態で比較できるため、意思決定の精度が高まります。

無駄なやりとりが減る

RFIで必要な情報をあらかじめ整理して依頼することで、ベンダーとの不要なやりとりを大幅に削減できます。

RFIを使わない場合、各ベンダーのWebサイトを個別に調査したり、電話やメールで断片的に情報を問い合わせたりする必要があり、多くの時間と手間がかかります。RFIを活用すれば、必要な情報を一度に依頼でき、ベンダー側も回答すべき内容が明確になるため、双方にとって効率的なコミュニケーションが実現します。

資料として保存しやすい

RFIとその回答は書面として残るため、社内での共有や将来の参考資料として活用しやすいメリットがあります。

複数のベンダー情報を同じ形式でまとめられるため、比較資料としての保管性に優れています。担当者の異動や引き継ぎが発生した場合でも、過去のRFI回答を参照することで、選定の経緯や判断根拠をスムーズに共有できます。また、将来の類似プロジェクトにおいて、過去のRFI回答を参考情報として再利用することも可能です。


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RFI・RFP・RFQを活用する順番

ベンダー選定では、RFI・RFP・RFQを状況に応じて活用することで、効率的かつ精度の高い選定が可能です。ここでは、一般的なベンダー選定フローにおける各文書の活用例を解説します。

RFIで情報収集

ベンダー選定の最初のステップは、RFIによる情報収集です。

まず、社内で現状の課題やシステム導入の目的を整理したうえで、候補となるベンダーを幅広くリストアップします。一般的には数社〜十数社程度に対してRFIを送付し、各社の会社概要、製品・サービスの基本情報、機能、導入実績、費用感などの情報を収集します。

この段階のポイントは、候補を絞り込みすぎないことです。幅広い候補からまんべんなく情報を集めることで、市場の全体像を把握し、自社に最適な選択肢を見逃さないようにしましょう。

RFPで提案依頼

RFIの回答を比較・評価した結果をもとに、候補ベンダーを3〜5社程度に絞り込み、RFPを送付します。提案書の評価には相応の工数がかかるため、社数を増やしすぎないことが重要です。

RFPには、RFIよりも具体的な内容を記載します。自社の課題、システム導入の目的、求める機能要件、予算、スケジュール、制約条件などを明示し、各ベンダーから個別具体的な提案書と概算見積の提出を求めます。

RFPへの回答は、ベンダーごとに異なるアプローチや解決策が提示されるため、単なる情報比較ではなく、提案内容の質やプロジェクト体制、サポート方針なども含めた総合的な評価が必要です。

RFQで見積もり依頼

RFPの提案内容を精査したうえで、最終候補となる1〜2社にRFQを送付し、詳細な見積もりを依頼します。

RFQでは、導入費用、ランニングコスト、オプション費用、保守費用などの価格面を詳細に確認し、最終的な費用比較を行います。この結果をもとに、提案内容と費用のバランスを総合的に判断し、発注先ベンダーを最終決定します。

なお、実務ではRFQを別途作成せず、RFP内で見積もりを依頼するケースも多くあります。プロジェクトの規模や調達プロセスに応じて、柔軟に使い分けましょう。

RFI作成時のポイント

効果的なRFIを作成し、ベンダーから的確な回答を引き出すためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。ここでは、RFI作成時に特に注意すべき3つのポイントを解説します。

依頼の背景を明確にする

RFI作成時の最も重要なポイントは、依頼の背景と目的を具体的に記載することです。

「システムを導入したい」「業務を改善したい」といった漠然とした記述だけでは、ベンダーはどのような情報を提供すればよいか判断できません。以下のような内容を具体的に記載することが重要です。

  • 現在のシステムや業務にどのような問題があるのか
  • 具体的な課題は何か(例:手作業による入力ミスが多い、処理速度が遅いなど)
  • 導入後にどのような状態を目指すのか

背景と目的が明確であれば、ベンダーは自社の製品や技術でどのように課題を解決できるかを具体的に示しやすくなり、より有用な回答を得られます。逆に、目的が曖昧なままだと、ベンダーから的外れな情報が返ってくるリスクが高まります。

項目を細分化しすぎない

RFIは情報収集が目的であるため、質問項目を細かくしすぎないことが重要です。

RFPのように詳細な機能要件や制約条件を大量に記載すると、ベンダーの回答作成負荷が過度に高くなります。RFIの回答期限は送付から2〜3週間程度を目安に設定するのが実務的です。短すぎると回答の質が低下し、長すぎるとプロジェクト全体のスケジュールに影響します。設定した期間内にベンダーが無理なく回答できる分量・難易度に調整してください。

項目を細分化しすぎることで生じるリスクは以下のとおりです。

  • ベンダーが回答期限内に回答できず、回答自体を得られなくなる
  • 回答内容が細部に偏り、全体像が見えにくくなる
  • 本来確認すべき重要な情報が埋もれてしまう

RFIの段階では、比較検討に必要な最低限の情報に絞り、詳細な要件確認はRFPの段階に回すという意識が大切です。「どうしても確認したい事項」に優先順位をつけ、必須項目に絞って設計しましょう。

回答しやすい質問内容にする

ベンダーから的確な回答を引き出すためには、質問内容を明瞭かつ簡潔に設計することが欠かせません。

曖昧な質問は、ベンダーごとに解釈が異なり、回答内容にばらつきが生じる原因です。また、質問の意図が伝わらない場合、ベンダーからの問い合わせが発生し、無駄なやりとりが増えてしまいます。

回答しやすい質問を設計するためのポイントは以下のとおりです。

  • 「費用はいくらか」ではなく、「利用ユーザー100名、初期費用・月額費用それぞれの概算」のように前提条件を明示する
  • 自由記述だけでなく、選択肢式やチェックリスト形式を取り入れることで、回答の粒度を揃えやすくする
  • 1つの質問で1つのことを聞く。複数の内容を1つの質問にまとめると、回答が曖昧になりやすい

質問設計の工夫により、ベンダーの回答品質が向上し、結果として比較検討の精度も高まります。

RFIに関してよくある質問

RFIについて、読者が疑問に感じやすいポイントをQ&A形式でまとめました。

RFIは誰が作成しますか?

RFIは、システムを導入したい企業側(発注者側)が作成してベンダーに提示する書類です。一般的には情報システム部門や調達・購買部門の担当者が中心となり、導入対象の業務を担当する部署と連携しながら作成します。社内の関係部署から課題やニーズをヒアリングしたうえで、RFIの項目を設計することが効果的です。

RFIを送らずにRFPから始めてもよいですか?

RFIの作成は必須ではないため、RFPから始めることも可能です。判断の基準は「RFP作成に必要な市場情報が、他の手段でそろっているか」です。既存システムのリプレイスで前回調達時の情報が使える、対象領域の製品を継続的にウォッチしており候補が絞れている、外部コンサルタントの支援を受けている——このようなケースではRFIを省略しても問題ありません。

一方、初めてのシステム導入で市場の状況がわからない場合、新しい技術領域で先例が少ない場合、候補ベンダーが多く絞り込みの基準そのものを検討したい場合は、RFIで情報を収集・整理してからRFPに進むことを推奨します。市場情報が不足したままRFPを作成すると、要件の前提が現実と合わず、自社に合わない提案が集まるリスクが高まります。

RFIの回答期限はどのくらい設ければよいですか?

RFIの回答期限は、送付から2週間〜3週間程度が目安です。1週間程度では、ベンダー側で費用感の算出や体制の確認に必要な社内調整が間に合わず、回答品質が下がるおそれがあります。あわせて、回答期限の1週間前までを質疑受付期間として設定し、問い合わせ窓口と回答方法(一括回答か個別回答か)を明示しておくと、ベンダーからより正確で充実した情報を得やすくなります。

RFIを活用してベンダー選定を成功させよう

本記事では、RFI(情報提供依頼書)の意味や目的、RFPとの違い、記載項目、メリット、RFI・RFP・RFQの活用順序、作成時のポイントについて解説しました。

RFIは、ベンダー選定プロセスの最初のステップとして、製品・サービスの情報を幅広く収集し、比較検討の土台を築くための重要な文書です。RFIを適切に活用することで、以下のような効果が期待できます。

  • 公平かつ客観的な基準でベンダーを比較できる
  • 自社に適さない候補を早期に識別し、選定プロセスを効率化できる
  • RFP作成に必要な情報を事前に整理でき、提案の質が向上する

RFI・RFP・RFQの活用は、情報収集の精度を高め、最終的な意思決定の質を向上させます。ただし各段階は必須ではなく、要件の確定度合いに応じて必要な段階を選択・省略することが実務上のポイントです。初めてベンダー選定に取り組む方は、まず本記事で紹介した記載項目や作成ポイントを参考に、RFIの作成から始めてみてください。