「DXを推進したいが、何から手をつければよいかわからない」「経産省のガイドラインを参考にしたいが、内容が多くて整理できない」と悩むDX推進担当者や経営者は少なくありません。
経済産業省が2018年に策定した「DX推進ガイドライン」は、企業がDXに取り組む際に押さえるべき11の項目を体系的にまとめた指針です。現在は「デジタルガバナンス・コード」に統合されていますが、その考え方は最新の「デジタルガバナンス・コード3.0」にも引き継がれています。
本記事では、DX推進ガイドラインの11項目の内容をわかりやすく解説するとともに、自社のDX推進に活かすための具体的な活用方法や、2026年に改訂されたDX推進指標の最新情報まで、法人向け生成AIプラットフォームを提供するJAPAN AIが網羅的に解説します。
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DX推進ガイドラインとは?
DX推進ガイドラインとは、経済産業省が2018年12月に策定した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver.1.0」の通称です。
企業がDXを推進するにあたり、経営者が押さえるべき事項を明確化するとともに、取締役会や株主がDXの取り組み状況をチェックする際の指針としても活用できるように設計されています。
ガイドラインは大きく2つの柱で構成されています。
- (1)DX推進のための経営のあり方、仕組み(5項目)
- (2)DXを実現するうえで基盤となるITシステムの構築(6項目)
合計11項目について、それぞれ「押さえるべきポイント」と「失敗ケース・先行事例」が整理されており、自社のDX推進状況を自己点検するためのチェックリストとして活用可能です。
DX推進ガイドラインの目的と背景
DX推進ガイドラインが策定された背景には、2018年に経済産業省が公表した「DXレポート」の存在があります。
DXレポートでは、多くの日本企業が抱えるレガシーシステムの問題を指摘し、このまま放置すれば2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じるリスクがあるとして「2025年の崖」という警鐘を鳴らしました。この危機感を受けて策定されたのがDX推進ガイドラインです。
DXを単なるIT導入ではなく、経営戦略として位置づけるべきであるという考え方を明確にし、経営者が自らリーダーシップを発揮してDXに取り組むための道筋を示すことを目的としています。DX推進ガイドラインは、経営とITの両面からDXの取り組みを体系化した初の公的指針として、多くの企業のDX推進の出発点を提供しました。
出典:経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」
デジタルガバナンス・コードへの統合と現在の位置づけ
DX推進ガイドラインは、その後の制度整備を経て以下のように変遷しています。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2018年12月 | DX推進ガイドライン Ver.1.0 策定 |
| 2020年11月 | デジタルガバナンス・コード 策定 |
| 2022年9月 | デジタルガバナンス・コード2.0に統合・改訂 |
| 2024年9月19日 | デジタルガバナンス・コード3.0に改訂 |
2022年の統合では、利用者視点から「DX推進ガイドライン」と「デジタルガバナンス・コード」を一本化することが望ましいとされ、有識者検討会の議論を経て「デジタルガバナンス・コード2.0」として再編されました。
さらに2024年9月19日には「デジタルガバナンス・コード3.0〜DX経営による企業価値向上に向けて〜」へと改訂され、「3つの視点」と「5つの柱」による新たな構成が導入されています。
現在の正式な指針はデジタルガバナンス・コード3.0ですが、DX推進ガイドラインの11項目の考え方はコード3.0にも引き継がれており、DX推進の基本的な自己点検フレームワークとして依然として有効です。
出典:経済産業省「『デジタルガバナンス・コード3.0~DX経営による企業価値向上に向けて~』を策定しました」
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DX推進ガイドラインの11項目
DX推進ガイドラインは、「(1)DX推進のための経営のあり方、仕組み」(5項目)と「(2)DXを実現するうえで基盤となるITシステムの構築」(6項目)の計11項目で構成されています。各項目の要点を解説します。
前半の5項目は、DXを経営課題として捉え、組織全体で推進するための体制や意思決定のあり方に関する内容です。DXを単なるIT部門の取り組みではなく、経営戦略と一体化させることの重要性が強調されています。
後半の6項目は、DXの基盤となるITシステムの構築に関する内容です。「体制・仕組み」に関する3項目と「実行プロセス」に関する3項目に分かれています。
1. 経営戦略・ビジョンの提示
DX推進ガイドライン11項目の第1項目です。データとデジタル技術を活用して、どの事業分野でどのような新たな価値を生み出すのか、そのためにどのようなビジネスモデルを構築すべきかを、経営戦略・ビジョンとして明確に提示することが求められます。
ガイドラインでは失敗ケースとして、経営戦略が不明確なまま「AIを使って何かやろう」といった技術ありきのアプローチに陥るケースが挙げられています。DXの目的はあくまでビジネスの変革であり、テクノロジーの導入自体が目的化しないよう注意が必要です。
2. 経営トップのコミットメント
DX推進ガイドラインの第2項目では、経営トップ自らがDX推進に強くコミットし、明確なメッセージを発信することの重要性が示されています。
DXは不確実性が高く、試行錯誤を繰り返すプロセスです。社内で反発が生じた場合でも、経営トップがリーダーシップを発揮して意思決定を行い、組織や企業文化、業務プロセスの変革を推し進める姿勢が不可欠です。仮説検証の繰り返しを許容し、挑戦を評価する企業文化の醸成も経営トップの役割として位置づけられています。
3. DX推進のための体制整備
第3項目は、DX推進に必要な体制の整備についてです。ガイドラインでは以下の3つの観点が示されています。
- マインドセット:挑戦し失敗から学ぶ仮説検証プロセスが確立されているか
- 推進・サポート体制:DX推進に必要な権限付与や組織横断的な体制が整っているか
- 人材:デジタル技術やデータ活用に精通した人材を育成・確保できているか
DXは全社横断的かつ中長期的な取り組みであるため、特定の部門だけでなく各事業部門にもDXをリードできる人材を配置することが重要です。
4. 投資等の意思決定のあり方
第4項目では、DXに対する投資判断のあり方が問われます。チェックすべきポイントは以下の3つです。
- コストだけでなく、ビジネスに与えるプラスのインパクトを考慮しているか
- 確実なリターンを求めすぎて、挑戦を阻害していないか
- DXに投資しないことで、デジタル競争から取り残されるリスクを考えているか
従来のIT投資と異なり、DXへの投資は短期的なROIだけでは測れない側面があります。競争力維持の観点から、投資しないリスクも含めた意思決定が求められます。
5. スピーディーな変化への対応力
第5項目は、DXによって実現すべき到達点として「変化への対応力」を掲げています。DXを取り入れた経営戦略によって、経営方針の転換やグローバル展開などがスピーディーに行える仕組みを構築できているかが問われます。
6. 全社的なITシステムの構築のための体制
第6項目は部門を超えてデータ連携ができる全社的なITシステムを構築するための体制が整っているかを確認するものです。経営戦略に合ったITシステムの全体設計(アーキテクチャ)を描ける体制・人材の確保が求められます。
7. 全社的なITシステムの構築に向けたガバナンス
第7項目では、ITシステムが複雑化・ブラックボックス化することを防ぐためのガバナンスの確立が求められます。特に重要なのは、全社最適の視点で意思決定する体制を構築することです。部門ごとに個別最適でシステムを導入・運用すると、データ連携が困難になり、結果としてレガシーシステムの再生産につながるリスクがあります。
8. 事業部門のオーナーシップと要件定義能力
第8項目は、事業部門がシステムに対するオーナーシップを持ち、主体的に要件定義を行うことの重要性を示しています。ベンダー企業にシステム構築を丸投げせず、ユーザー企業自らが企画・要件定義を行い、ベンダーの提案を鵜呑みにせず取捨選択できる能力を養うことが求められます。
完成までの責任を事業部門自身が負う体制が不可欠であり、要件定義をベンダーに丸投げすると、修正の多発によるコスト肥大化やノウハウの社内蓄積が進まないといったリスクがあります。
9. IT資産の分析・評価
第9項目では、自社が保有するIT資産(システム・ソフトウェアなど)の現状を正確に分析・評価することが求められます。どの部署にどのようなシステムがあり、どう活用されているかを把握しなければ、最適な投資判断は困難です。先行事例として、現状分析の結果、半分以上のシステムが使われておらず廃棄を決めたケースも紹介されています。
10. IT資産の仕分けとプランニング
第10項目は第9項目の分析・評価結果をもとに、IT資産の仕分けとプランニングを行うものです。既存のITシステムについて、廃棄すべきもの、刷新すべきもの、現状維持で活用するものを分類し、投資の最適化を図ります。不要なシステムの廃棄によってコストを削減し、その分のリソースを戦略的なDX投資に振り向けることが狙いです。
刷新後のITシステム:変化への追従力
第11項目では、刷新後のITシステムが市場の変化に迅速に対応できる仕組みになっているかを確認することが推奨されています。
ガイドラインでは失敗ケースとして、ITシステムの刷新自体が目的化し、刷新後に再びブラックボックス化(再レガシー化)するケースが挙げられています。「ITシステムを刷新できたか」ではなく「ビジネスがうまくいったか」で評価する仕組みが重要です。
デジタルガバナンス・コードの構成内容
DX推進ガイドラインの後継にあたる「デジタルガバナンス・コード」は、2024年9月19日に最新版の「3.0」へと改訂されました。デジタルガバナンス・コード3.0では、DX経営に求められる「3つの視点」と「5つの柱」が示されています。
「3つの視点」は、DX経営を実行するにあたり経営者が常に意識すべき考え方です。
| 視点 | 内容 |
|---|---|
| 経営ビジョンとDX戦略の連動 | 経営ビジョンと表裏一体でDX戦略を策定・実行する |
| As is – To beギャップの定量把握・見直し | 現状と目指す姿のギャップをKPIで数値化し、戦略を見直す |
| 企業文化への定着 | DX戦略の実行を通じて企業文化を醸成する |
「5つの柱」は、企業が取り組むべき基本的事項です。
経営ビジョン・ビジネスモデルの策定
第1の柱です。データ活用やデジタル技術の進化による社会・競争環境の変化が自社にもたらすリスクと機会を踏まえ、経営ビジョンとビジネスモデルの方向性を策定・公表することが求められます。
DX戦略の策定
第2の柱では、ビジョン実現のためのDX戦略を策定します。目指すビジネスモデルを実現するための方策として、データ活用やデジタル技術の進化を踏まえたDX戦略を策定・公表することが求められます。
DX戦略の推進
第3の柱では、DX戦略を実行するための具体的な推進体制を整備します。以下の3つのサブカテゴリで構成されています。
- 3-1. 組織づくり:DX戦略の推進に必要な体制を構築し、外部組織との協業も含めた組織設計・運営のあり方を定める
- 3-2. デジタル人材の育成・確保:DX戦略の推進に必要なデジタル人材の育成・確保の方策を定める
- 3-3. ITシステム・サイバーセキュリティ:ITシステム環境の整備に向けた投資計画等を明確化するとともに、サイバーセキュリティリスクに適切に対応する
3.0では、デジタル人材の育成・確保が独立したサブカテゴリとして位置づけられ、その重要性が一層強調されています。
成果指標の設定・DX戦略の見直し
第4の柱です。DX戦略の達成度を測る指標を定め、成果の自己評価を行います。経営者は事業部門やIT部門と協力し、デジタル技術の動向や自社のITシステムの現状を踏まえた課題を把握・分析して、DX戦略の見直しに反映することが求められます。
ステークホルダーとの対話
第5の柱です。経営ビジョンやDX戦略、成果指標に基づく成果を「価値創造ストーリー」として投資家をはじめとしたステークホルダーに示し、経営者自らが対外的にメッセージを発信することが求められます。
DX推進ガイドラインの活用方法
DX推進ガイドラインを自社のDX推進に活かすためには、以下の4つのステップで進めることが効果的です。
現状を把握する
まず、ガイドラインの11項目を基準に自社のDX推進状況を客観的にチェックしましょう。DXの目的を明確にしたうえで、IT資産の分析・評価も行い、技術・ノウハウ・人材などの自社リソースを正しく把握・整理することが出発点です。
後述するDX推進指標を活用すれば、6段階の成熟度レベルで自社の現在地を定量的に把握できます。
課題を洗い出し、対策を整理する
現状把握で明らかになった課題を組織全体で共有し、具体的な対策を検討します。11項目のうち、どの項目で課題があるかを整理することで、対策の方向性が見えてきます。新しいITシステムの導入が必要な場合は、この段階でガイドラインを参考に導入計画を立てましょう。
優先順位をつけてロードマップを描く
洗い出した課題と対策に優先順位をつけ、実行のためのロードマップを策定します。影響度が大きく早期に対応が必要なものを優先し、一気にすべてを進めるのではなく段階的に取り組む計画を立てることが重要です。
アクションを実行し、PDCAを回す
策定したロードマップに基づき、優先順位の高いアクションから着手してください。DXは一度で完結するものではなく、デジタル技術や企業を取り巻く環境が常に変化するため、最新のデータで効果検証と改善を繰り返すPDCAサイクルを継続的に回すことが成功のポイントです。
DX推進を成功させるためのポイント
ガイドラインの内容を理解するだけでなく、実際にDXを成功させるためには以下のポイントを押さえておく必要があります。
経営者のリーダーシップと社内巻き込み
DX推進において最も重要なのは、経営者自身がDXの必要性を深く理解し、強いリーダーシップを発揮することです。経営者が明確なビジョンとメッセージを発信し、全社的な巻き込みを行うことで、部門間の壁を越えた横断的な取り組みが可能になります。
スモールスタートと社内文化の変革
DXは大規模な変革を伴いますが、最初から全社的に展開しようとすると失敗リスクが高まります。まずは特定の業務やプロセスで小さな成功体験を積み重ねるスモールスタートが有効です。成功事例を社内に共有することで、DXに対する理解と協力を広げ、挑戦を歓迎する組織文化への変革を促進できます。
外部の専門人材や支援機関を活用する
社内にDX人材が不足している場合は、外部の専門人材やコンサルタントの活用も有効な選択肢です。また、IPA(情報処理推進機構)が運営する「DX推進ポータル」や、経済産業省の「中堅・中小企業等向けDX推進の手引き」など、公的な支援機関・資料も積極的に活用しましょう。
DX推進指標とは?ガイドラインとの関係
DX推進指標は、経済産業省が2019年に策定した、企業のDX推進状況を自己診断するためのツールです。DX推進ガイドラインの内容を踏まえ、企業が自社のDX推進の現状や課題を客観的に把握するために活用します。
DX推進指標の構成と評価方法
DX推進指標は、定性指標と定量指標で構成されています。
定性指標では、キークエスチョンとサブクエスチョンに対して、0〜5の6段階の成熟度レベルで自社の状態を評価します。経営者自ら、または経営幹部・事業部門・DX部門・IT部門等の関係者と議論しながら回答することが想定されているものです。
定量指標では、DX推進の成果を数値で測定します。売上高や利益率などの財務指標に加え、デジタル技術の活用度合いを測る指標が含まれています。
DX推進指標を使った自己診断のメリット
自己診断を行うことで、以下のメリットが得られます。
- 社内の認識共有:経営者と現場の認識ギャップを可視化し、DXの課題を組織全体で共有できる
- ベンチマークレポートの取得:IPAに診断結果を提出すると、他社・業界との比較ができるベンチマークレポートを取得できる(個々の診断結果は外部に公表されない)
- 改善の方向性の明確化:成熟度レベルを継続的に測定することで、DX推進の進捗と改善の方向性を定量的に把握できる
なお、IPAが2025年5月に公表した分析レポート(2024年版)によると、2024年に提出された企業の成熟度はレベル0〜2未満に偏っており、レベル4以上は全体の1%にとどまっています。
出典:IPA「プレス発表 DX推進指標の自己診断結果1,349件を分析」
2026年改訂版DX推進指標の主な変更点
2026年2月、DX推進指標はデジタルガバナンス・コード3.0に対応する形で大幅に改訂されました。主な変更点は以下のとおりです。
定性指標の構成が見直され、従来の「経営とITシステムの2つの観点」による構成から、デジタルガバナンス・コード3.0の「認定基準」と「望ましい方向性」に基づく構成へと変更されました。これにより、DX経営による企業価値向上をより一層意識した自己診断が可能です。
成熟度レベルの定義も再整理されています。レベル0〜4は個社内の取り組みが行われている水準、レベル5は個社の取り組みを超えて社会価値を創出している水準と位置づけられました。旧版ではレベル5は「デジタル企業として、グローバル競争を勝ち抜くことのできるレベル」とされていましたが、改訂版では「社会価値の創出」という新たな到達点が設定されています。
定量指標の設問分類も、デジタルガバナンス・コード3.0の「5つの柱」に基づき見直されています。
2026年4月3日からは新フォーマット「DX推進指標_自己診断フォーマット_2026改訂」での提出に切り替わっており、旧Ver2.4での提出はできなくなっています。
DX推進ガイドラインとあわせてチェックしたい関連資料
DX推進ガイドラインの理解を深め、自社のDX推進をさらに加速させるために、あわせて確認しておきたい関連資料を紹介します。
DXレポートとの関連性
DXレポートは、DX推進ガイドライン策定の契機となった経済産業省の報告書です。
| 公表時期 | 名称 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 2018年9月 | DXレポート | 「2025年の崖」を提起。レガシーシステムの課題を指摘 |
| 2020年12月 | DXレポート2 | コロナ禍を踏まえたDXの緊急性を提示 |
| 2021年8月 | DXレポート2.1 | デジタル産業への変革の方向性を提示 |
| 2022年7月 | DXレポート2.2 | デジタル産業への変革に向けた具体的方向性を提示 |
DX推進ガイドラインは、第1弾のDXレポートで指摘された課題に対する具体的な対応指針として策定されたものです。DXの背景や必要性を理解するうえで、DXレポートシリーズの内容も把握しておくことが有効です。
DX認定制度
DX認定制度は、デジタルガバナンス・コードの基本的事項に対応している企業を国が認定する制度です。2024年12月からはデジタルガバナンス・コード3.0の新基準に基づく運用が開始されています。
DX認定を取得すると、以下のメリットがあります。
- 認定ロゴマークの使用による企業ブランド向上
- 中小企業を対象とした金融支援措置
- DX銘柄へのエントリー要件の充足(上場企業の場合)
申請はIPAの「DX推進ポータル」から行えます。経営ビジョン、DX戦略、KPIなどの公開文書の整備と、経営者名でのメッセージ発信が主な審査基準です。
出典:経済産業省「DX認定制度(情報処理の促進に関する法律第二十八条に基づく認定制度)」
デジタルスキル標準(DSS)ver.2.0
デジタルスキル標準(DSS)は、DX推進に必要な人材の役割やスキルを定義した指針です。2026年4月にver.2.0へ改訂され、6類型17ロール構成に大幅に再編されました。
主な変更点として、AI活用・データ活用をさらに推進する観点から「データマネジメント」類型が新設され、データスチュワード・データエンジニア・データアーキテクトの3ロールが定義されています。また、ビジネスアーキテクト関連ロールの見直しや、AI実装・運用・AIガバナンスに関するスキルの追加も行われました。
DX推進に必要な人材像を具体化し、育成計画を策定する際の参考資料として活用できます。
DX推進ガイドラインに関してよくある質問
DX推進ガイドラインとデジタルガバナンス・コードの違いはなんですか?
DX推進ガイドラインは、企業が自社のDX推進状況を自己点検するための手引きとして2018年に策定されたものです。一方、デジタルガバナンス・コードは、企業のDX推進を統治・支援するための国の枠組みとして2020年に策定されました。
2022年にこの2つは統合され「デジタルガバナンス・コード2.0」となり、さらに2024年に「デジタルガバナンス・コード3.0」へ改訂されています。DX推進ガイドラインの11項目の考え方はデジタルガバナンス・コードに引き継がれているため、ガイドラインの内容を理解することは現在の指針を活用するうえでも有効です。
DX推進ガイドラインは中小企業にも適用できますか?
DX推進ガイドラインは企業規模に関わらず活用できます。11項目の考え方は、大企業だけでなく中小企業のDX推進にも有効なフレームワークです。
中小企業向けには、経済産業省が「中堅・中小企業等向けDX推進の手引き」を公開しています。リソースが限られる中小企業がDXに取り組む際の具体的な進め方が示されているため、DX推進ガイドラインとあわせて参照してください。
DX推進指標の自己診断はどこから始められますか?
IPAが運営する「DX推進ポータル」から、自己診断フォーマット(2026年改訂版)をダウンロードできます。経営者や各部門の関係者が集まり、キークエスチョンに対して議論しながら成熟度レベルを回答していきましょう。
最初から全項目を完璧に埋めようとせず、まずは「議論が割れる論点」を抽出することがポイントです。認識が割れた論点こそがDXのボトルネックになりやすいためです。診断結果をIPAに提出すると、他社・業界との比較ができるベンチマークレポートを無料で取得できます。
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DX推進の施策とは?進め方・課題まで徹底解説
DX推進ガイドラインを自社の変革に活かすために
DX推進ガイドラインは、企業がDXに取り組む際の出発点となる重要な指針です。11項目を通じて経営とITの両面から自社の現状を客観的に点検し、課題を明確にできます。
自社のDX推進を加速させるために、以下の3つのアクションから始めてみてください。
- ガイドラインの11項目で自社を自己点検する:各項目について自社の現状を評価し、課題を洗い出す
- DX推進指標(2026年改訂版)で客観的に診断する:IPAのDX推進ポータルから自己診断を実施し、ベンチマークレポートで自社の立ち位置を把握する
- デジタルガバナンス・コード3.0を参照して経営戦略にDXを組み込む:最新の指針に基づき、「3つの視点」と「5つの柱」の観点からDX経営の方向性を定める
DXは一度きりのプロジェクトではなく、継続的な変革のプロセスです。ガイドラインやDX推進指標を定期的に活用しながら、自社の成熟度を段階的に高めていくことが、DX推進の成功につながります。


