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Difyとは?特徴・できること・使い方をわかりやすく解説

Difyとは?

Dify(ディフィ)とは、プログラミング不要でAIアプリケーションを開発・運用できるオープンソースのLLMアプリ開発プラットフォームです。GitHubスター数は146,000を超え、東京都や大手企業を含む幅広い組織で導入が進んでいます。

しかし、Difyとはそもそもどのようなツールなのか、ChatGPTとは何が違うのか、自社の業務にどう活かせるのかといった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、Difyの定義や特徴から、できること・使い方・料金プラン、そして活用事例や利用時の注意点まで、JAPAN AIが網羅的に解説します。

Difyとは?

Difyとは、LangGenius社が開発したオープンソースのLLMアプリ開発プラットフォームです。読み方は「ディフィ」で、公式ドキュメントによると名前の由来は「Do It For You(あなたのためにそれを行う)」であり、AIがユーザーに代わって作業を行うというコンセプトを表しています。

Difyの最大の特長は、ノーコードで生成AIアプリケーションを開発・運用できる点にあります。ドラッグ&ドロップの直感的な操作でワークフローを構築でき、プログラミングの専門知識がなくても本格的なAIアプリを作成できます。GPTやClaude、Geminiなど複数のLLM(大規模言語モデル)に対応しており、用途に応じてモデルを切り替えながら活用できる柔軟性も備えています。

なお、DifyのGitHubリポジトリは2026年6月時点で146,000スターを超えており、オープンソースのAI開発プラットフォームとして世界的に高い支持を集めています。日本法人である株式会社LangGeniusは2025年2月に東京・日本橋に設立され、国内のエンタープライズ導入企業は40社以上に達しています。

LLM(大規模言語モデル)の基本的な仕組みや活用例については、「LLM(大規模言語モデル)とは?生成AIやChatGPTとの違い、仕組み・活用例まで」の記事で詳しく解説しています。

出典:GitHub「langgenius/dify」
出典:Dify公式ドキュメント「はじめに」
出典:LangGenius株式会社「Dify代表が語る、初の海外法人に日本を選んだ理由」

ノーコードでAIアプリを構築できる

Difyでは、プログラミング不要でAIアプリケーションを構築できます。

ビジュアルエディタ上でノードと呼ばれる処理ブロックをドラッグ&ドロップで配置し、線でつなぐだけでワークフローが完成します。入力の受け取りからLLMへの問い合わせ、条件分岐、出力の整形まで、一連の処理を視覚的に設計できるため、従来はエンジニアに依頼していたAIアプリの開発を、企画担当者やDX推進担当者が自ら行えます。

テンプレートも豊富に用意されており、チャットボットやテキスト生成アプリなどの基本的なアプリケーションであれば、テンプレートを選択して設定を調整するだけで数分で動作するプロトタイプが完成します。コードを一行も書かずに実用的なAIアプリを構築できる点が、Difyが非エンジニアから支持される理由です。

ChatGPTとの違い

Difyは業務特化型AIアプリの開発・運用・共有までをワンストップで行えるプラットフォームであり、ChatGPTとは役割が根本的に異なります。

ChatGPTは、OpenAIが提供する汎用的なチャットAIサービスです。ユーザーが質問や指示を入力すると、LLMが回答を生成するという対話形式が基本であり、あくまで「1対1の会話ツール」として設計されています。

一方のDifyは、LLMを組み込んだ業務用アプリケーションを設計・構築・公開するための開発基盤です。社内ドキュメントをナレッジベースとして接続し、RAG(検索拡張生成)を活用した高精度な回答システムを構築したり、複数のLLMを切り替えながらワークフローを自動化したりと、ChatGPT単体では実現しにくい業務プロセス全体の効率化を可能にします。

つまり、ChatGPTが「優秀な対話相手」であるのに対し、Difyは「その対話相手を業務に組み込むための設計図と工場」のような存在です。ChatGPTを日常的に活用している方が、さらに一歩進んで業務に特化したAIアプリを自ら構築したい場合に、Difyが有力な選択肢です。

Difyの特徴

Difyが他のAI開発ツールと差別化される背景には、ノーコードの手軽さと本格的な開発機能を両立させた独自の設計思想があります。主な特徴は以下のとおりです。

  • 直感的なインターフェース
  • さまざまなAIモデルに対応
  • RAGエンジン搭載
  • 外部ツールやAPIとの連携
  • 豊富なテンプレート
  • オンプレミス対応
  • 商用利用が可能
  • MCP(Model Context Protocol)連携

直感的なインターフェース

Difyは、ドラッグ&ドロップによるビジュアルなワークフロー構築を実現しています。

画面上に配置されたノードを線でつなぐだけで、LLMへの問い合わせ、条件分岐、データの変換といった処理の流れを視覚的に設計できます。各ノードにはパラメータ設定画面が用意されており、プロンプトの入力やモデルの選択もGUI上で完結します。コードエディタを開く必要がないため、プログラミングに不慣れな担当者でも迷わず操作できます。

ワークフローの実行結果はリアルタイムでプレビューでき、各ノードの入出力を確認しながらデバッグを進められます。試行錯誤のサイクルを短時間で回せる設計が、開発スピードの向上に直結しています。

さまざまなAIモデルに対応

Difyは、OpenAIのGPTシリーズ、AnthropicのClaude、GoogleのGemini、MetaのLlamaなど、主要なLLMプロバイダに幅広く対応しています。

各モデルはAPIキーを設定するだけで利用可能になり、アプリケーション単位で使用するモデルを切り替えられます。たとえば、高精度な分析にはClaudeの上位モデルを、大量のテキスト処理にはコストパフォーマンスの高いGPTを割り当てるといった使い分けが容易です。新しいモデルがリリースされた際もAPIキーの追加だけで対応でき、特定のモデルに依存しない柔軟な運用を実現します。

主要なLLMの性能や特徴の違いについては、「主要LLMを比較!GPT・Claude・Geminiの違いを徹底解説【2026年最新】」の記事もあわせてご覧ください。

RAGエンジン搭載

Difyには、RAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)エンジンが標準搭載されています。

RAGとは、LLMが回答を生成する際に、事前に登録されたドキュメントやデータベースから関連情報を検索し、その内容を参照しながら回答を生成する仕組みです。LLM単体では学習データに含まれない社内固有の情報には対応できませんが、RAGを活用すれば社内マニュアルや製品仕様書、FAQドキュメントなどをナレッジベースとして登録し、それらの情報に基づいた正確な回答を得られます。

Difyでは、PDFやWord、テキストファイルなどをアップロードするだけでナレッジベースを構築でき、チャンクサイズやインデックス方式の調整も管理画面から設定可能です。社内ドキュメントを活用した高精度な回答システムを、専門的なインフラ構築なしで実現できる点がDifyのRAG機能の強みです。

RAGの仕組みやメリットについては、「RAG(検索拡張生成)とは?仕組み、メリットや活用事例」の記事で詳しく解説しています。

外部ツールやAPIとの連携

Difyは、外部ツールやAPIとの連携機能を備えており、既存の業務システムとAIアプリを統合できます。

Google検索やSlack通知、Notion連携などのプラグインが用意されており、ワークフロー内にこれらの外部ツールをノードとして組み込めます。たとえば、ユーザーからの問い合わせをDifyのチャットボットが受け取り、社内ナレッジベースを検索して回答を生成したうえで、その結果をSlackの特定チャンネルに自動投稿するといった一連の処理を、一つのワークフローで構築できます。

また、カスタムAPIの呼び出しにも対応しているため、自社の基幹システムやCRMと連携した高度な業務自動化も実現可能です。

豊富なテンプレート

Difyには、すぐに利用できるアプリケーションテンプレートが豊富に用意されています。

チャットボットやテキスト生成、翻訳ツール、コード生成アシスタントなど、ユースケース別のテンプレートがDifyの「探索」画面から選択でき、テンプレートをベースにプロンプトやパラメータを調整するだけで、自社の業務に合ったアプリケーションを短時間で構築できます。ゼロから設計する手間を省けるため、AI開発の経験がない担当者でも迅速にプロトタイプを作成し、社内での試験運用を開始できます。

テンプレートはコミュニティからも提供されており、他のユーザーが作成した実用的なアプリを参考にしながら自社向けにカスタマイズする使い方も可能です。

オンプレミス対応

Difyは、クラウド版に加えてセルフホスト版を提供しており、オンプレミス環境での運用にも対応しています。

セルフホスト版では、Docker Composeを使用して自社サーバーやプライベートクラウド上にDifyの環境を構築できます。データが外部に送信されないため、機密性の高い社内情報を扱う業務でも安心して利用できます。金融機関や医療機関、官公庁など、データの外部持ち出しに厳格な規制がある組織にとって、セルフホスト版は有力な選択肢です。

クラウド版は初期設定不要ですぐに利用を開始でき、セルフホスト版はデータの完全な管理権限を確保できるという、それぞれの利点を踏まえて導入形態を選択できます。

商用利用が可能

Difyは、Apache License 2.0に追加条件を付したカスタムライセンスで公開されているオープンソースソフトウェアであり、商用利用が許可されています。

自社の業務アプリケーションにDifyを組み込んで利用する場合、ライセンス費用は発生しません。社内向けのチャットボットや業務支援ツールとして活用する範囲であれば、基本的に制限なく自由に利用できます。

ただし、Difyをベースにしたマルチテナント型SaaS(複数の顧客にサービスとして提供する形態)を構築する場合には、LangGeniusの書面による許可が必要です。

また、Difyのフロントエンド(管理画面やアプリケーション画面)を利用する場合、ロゴや著作権情報を削除・変更することは禁止されており、これらを変更するには別途商用ライセンスの取得が求められます。自社利用と外部提供では適用されるライセンス条件が異なるため、商用展開を検討する際は事前に確認しておくことが重要です。

出典:GitHub「langgenius/dify LICENSE」

MCP(Model Context Protocol)連携

Difyは、2025年7月リリースのv1.6.0でMCP(Model Context Protocol)連携機能をネイティブに搭載し、2026年4月リリースのv1.14.0ではMCP連携の安定性やOAuth認証の改善がさらに強化されました。

MCPとは、Anthropic社が2024年11月に公開した、AIモデルと外部ツールを標準化された方式で接続するためのプロトコルです。従来、AIアプリケーションから外部ツールを呼び出すには、ツールごとに個別のAPI連携コードを記述する必要がありました。MCPに対応することで、GitHub連携やファイルシステム操作、データベースアクセスなどを、統一されたインターフェースを通じてDifyのワークフローに組み込めます。

v1.6.0では双方向MCP対応が導入され、DifyからMCPサーバーを呼び出すだけでなく、Difyで構築したワークフローをMCPサーバーとして公開する機能も搭載されました。Claude DesktopやCursorなどのAI開発ツールからDifyのワークフローを直接呼び出すことも可能です。外部ツールとの連携の幅が大きく広がり、より高度な業務自動化を実現できる基盤が整っています。

出典:Dify公式ブログ「Dify v1.6.0: Built-in Two-Way MCP Support」
出典:GitHub「langgenius/dify Releases」


ノーコードでAIアプリ開発を始めるなら「JAPAN AI AGENT」

Difyのようなオープンソースツールでのアプリ開発に加え、法人利用に求められるセキュリティや運用支援まで含めたAIエージェント構築を検討されている方には、JAPAN AI AGENTが最適です。JAPAN AI AGENTは、日本企業向けに最適化されたツールで、ノーコードで業務特化型のAIエージェントを作成できる法人向けプラットフォームです。高精度なRAG検索、20以上の外部ツール連携、上場企業水準のセキュリティを標準搭載しています。専任担当者による導入から定着までの伴走支援も提供しており、AI活用を確実に業務成果へつなげられます。

Difyでできること

Difyでは、チャットボットからテキスト生成、要約ツール、AIエージェントまで、多様なAIアプリケーションをノーコードで構築できます。主に作成可能なアプリケーションの種類は以下のとおりです。

  • チャットボット
  • テキスト生成アプリ
  • 分析・要約ツール
  • AIエージェント

チャットボット

Difyで最も活用されているアプリケーションの一つが、ノーコードで構築できるチャットボットです。

社内FAQや顧客対応用のチャットボットを、プログラミングなしで作成できます。RAG機能と組み合わせることで、社内マニュアルや製品仕様書をナレッジベースとして登録し、ユーザーの質問に対して登録済みドキュメントの内容を参照しながら正確に回答するチャットボットを構築できます。

たとえば、人事部門の就業規則に関する問い合わせ対応や、カスタマーサポートでの製品に関する質問対応など、定型的な問い合わせ業務の自動化に効果を発揮します。回答の根拠となったドキュメントの該当箇所を提示する機能も備えており、回答の信頼性を担保しながら運用できます。

テキスト生成アプリ

Difyでは、ブログ記事や製品説明文、SNS投稿、メール文面などを自動生成するテキスト生成アプリを作成できます。

テンプレートにプロンプトを設定し、ユーザーがフォームにキーワードや条件を入力するだけで、LLMが指定されたフォーマットに沿ったテキストを生成します。たとえば、ECサイトの商品説明文を生成するアプリでは、商品名・特徴・ターゲット層を入力すると、複数パターンの説明文が出力されるといった運用が可能です。

プロンプトの調整やモデルの切り替えも管理画面から簡単に行えるため、生成されるテキストの品質やトーンを業務要件に合わせて最適化できます。コンテンツ制作の工数を大幅に削減し、担当者がより付加価値の高い業務に集中できる環境を整えられます。

分析・要約ツール

Difyのワークフロー機能を活用すれば、ニュース記事やリサーチペーパー、議事録などの長文ドキュメントを自動で要約するツールを構築できます。

入力されたテキストをLLMが解析し、要点を抽出して指定されたフォーマットで出力する処理を、ワークフローとして設計します。たとえば、毎朝の業界ニュースを自動収集して要約レポートを生成したり、会議の録音データから文字起こしされたテキストを要約して議事録のドラフトを作成したりといった活用が可能です。

複数のドキュメントを横断的に分析し、共通するトピックや傾向を抽出するといった高度な処理も、ワークフローのノードを組み合わせることで実現できます。情報収集や分析にかかる時間を短縮し、意思決定のスピードを高められます。

AIエージェント

Difyでは、自律的に判断・実行するAIエージェントの構築にも対応しています。

AIエージェントとは、ユーザーからの指示に対してLLMが必要なツールを自ら選択し、複数のステップを経て目的を達成する仕組みです。Difyのエージェント機能では、Web検索やデータベースアクセス、計算処理などのツールをエージェントに持たせ、タスクの内容に応じて適切なツールを自動的に呼び出しながら処理を進めます。

ワークフロー機能と組み合わせることで、「顧客からの問い合わせを受け付け、社内データベースを検索し、回答案を生成して担当者に通知する」といった複数ステップの業務プロセスを自動化できます。単純な質問応答にとどまらない、複雑な業務フローの自動化を実現する手段として、AIエージェント機能の活用範囲は広がっています。

AIエージェントの基本概念や活用事例については、「AIエージェントとは?生成AIとの違いから特徴や事例を徹底解説」の記事で詳しく解説しています。

Difyを導入するメリット

Difyを導入することで、コスト面・言語面・共有面の3つの観点から、AIアプリ開発のハードルを大幅に下げられます。主なメリットは以下のとおりです。

  • 無料でも使える
  • 日本語対応で初心者でも開発可能
  • 簡単に他人に公開可能

無料でも使える

Difyには無料プラン(Sandbox)が用意されており、初期投資なしでAIアプリ開発を開始できます。

Sandboxプランでは、メッセージクレジット200回(全期間で使い切り)、アプリ5個、ナレッジベースストレージ50MBまで利用可能です。機能面での大きな制限はなく、RAGやワークフロー構築といったDifyの主要機能を一通り試せます。まずは小規模なプロトタイプを作成し、社内での検証を経てから有料プランへ移行するという段階的な導入が可能です。

また、セルフホスト版は完全無料で利用でき、メッセージクレジットやアプリ数の制限もありません。自社サーバーにDifyの環境を構築する技術リソースがある場合は、コストを抑えながら本格的な運用を開始できます。

日本語対応で初心者でも開発可能

Difyの管理画面は日本語に対応しており、英語が苦手な担当者でも直感的に操作できます。

UIの言語設定を日本語に切り替えるだけで、メニューや設定項目、エラーメッセージなどが日本語で表示されます。2025年2月には日本法人である株式会社LangGeniusが東京に設立され、日本市場向けのサポート体制も強化されています。さらに、2025年9月にはNTTデータや日本電子計算と共同で「一般社団法人Dify協会」が設立され、日本語の学習リソースやコミュニティも充実しています。

日本語環境が整備されていることで、英語ドキュメントを読み解く負担なくDifyを活用でき、AI開発の経験が少ない担当者でも安心して導入を進められます。

出典:PRTIMES「Dify、『一般社団法人Dify協会』設立を発表」

簡単に他人に公開可能

Difyで作成したAIアプリケーションは、URLを共有するだけで社内外のユーザーに公開できます。

アプリの「公開」設定を行うと、専用のURLが発行されます。このURLをブラウザで開くだけでアプリを利用できるため、利用者側にDifyのアカウントや特別なソフトウェアのインストールは不要です。Webサイトへの埋め込み用コードも提供されており、自社サイトやイントラネットにチャットウィジェットとして組み込むことも可能です。

さらに、API経由での外部システム連携にも対応しているため、既存の社内ポータルやモバイルアプリにDifyで構築したAI機能を統合するといった高度な活用も実現できます。開発から公開までのプロセスが一つのプラットフォーム内で完結する点は、Difyの大きなメリットです。

Difyと他のAIツールの違い

Difyと比較されることの多いLangChainやGPTsとの違いを理解することで、自社の技術リソースや目的に最適なツールを選択できます。

DifyとLangChain

LangChainは、PythonコードベースのLLMアプリケーション開発フレームワークであり、Difyとはアプローチが大きく異なります。

LangChainはプログラミングによる開発を前提としており、LLMの呼び出しやプロンプトの管理、外部データソースとの接続、エージェントの構築などをPythonコードで柔軟に制御できます。カスタマイズの自由度が高く、複雑なロジックや独自のデータパイプラインを実装する場合に適しています。

一方で、Difyはノーコードのビジュアルエディタを中心に設計されており、コードを書かずにワークフローを構築できます。エンジニアリソースが限られている組織や、迅速なプロトタイピングを重視する場合にはDifyが適しており、高度なカスタマイズや独自ロジックの実装が必要な場合にはLangChainが適しています。

比較項目DifyLangChain
開発方式ノーコード(ビジュアルエディタ)コードベース(Python)
対象ユーザー非エンジニア〜エンジニアエンジニア
カスタマイズ性中程度高い
導入スピード速い開発期間が必要
RAG機能標準搭載(GUI設定)コードで実装
運用・監視管理画面で一元管理別途構築が必要

DifyとGPTs

GPTsは、OpenAIが提供するカスタムGPT作成機能です。作成にはChatGPT Plus以上のプランが必要ですが、作成済みのGPTsは無料プランでも利用できます。Difyとは対応可能な範囲と拡張性に大きな差があります。

GPTsでは、ChatGPTの画面上でカスタム指示やナレッジファイルを設定し、特定の用途に特化したチャットボットを簡単に作成できます。手軽さが魅力ですが、利用できるモデルはOpenAIのGPTシリーズに限定され、外部APIとの連携やワークフローの構築には制約があります。

Difyは、GPTに加えてClaudeやGeminiなど複数のLLMに対応し、RAGエンジンやワークフロー機能、外部ツール連携、APIによる公開など、本格的なアプリケーション開発に必要な機能を網羅しています。GPTsで「まず試してみる」段階を経た後、より高度な業務活用を目指す際にDifyへステップアップするという流れが自然です。

比較項目DifyGPTs
対応LLMGPT、Claude、Gemini、Llama等GPTシリーズのみ
RAG機能高機能(チャンク設定・インデックス調整可)ファイルアップロードのみ
ワークフロービジュアルエディタで構築可能非対応
外部API連携豊富(プラグイン・カスタムAPI)限定的(Actions)
公開方法URL共有・埋め込み・APIGPTストアでの公開
セルフホスト対応非対応

【関連記事】
ChatGPTのGPTsとは?カスタマイズ機能の使い方・作り方や特徴・活用事例まで解説

Difyの料金プラン

Difyの料金プランは、2026年6月時点でSandbox(無料)、Professional(月額59ドル)、Team(月額159ドル)、Enterprise(要問い合わせ)の4つのクラウド版プランと、無料のセルフホスト版で構成されています。

項目Sandbox(無料)ProfessionalTeamEnterprise
月額料金無料59ドル/ワークスペース159ドル/ワークスペース要問い合わせ
メッセージクレジット200回(全期間)5,000回/月10,000回/月無制限も可
チームメンバー数1名3名50名要相談
アプリ数5個50個200個要相談
ナレッジベースストレージ50MB5GB20GB要相談

Sandboxプランは個人での検証や学習用途に適しています。メッセージクレジットは全期間で200回の使い切り方式であり、月ごとにリセットされるわけではない点に留意が必要です。Professionalプランは少人数のチームでの本格運用に対応し、Teamプランは50名までのメンバーをサポートするため中規模以上の組織での利用に適しています。Enterpriseプランは、SSOやマルチテナント管理、高可用性インフラなど大規模組織向けの機能を備えており、料金は個別見積もりです。

セルフホスト版は、Docker Composeを使用して自社環境に構築する方式で、メッセージクレジットやアプリ数の制限がなく無料で利用できます。インフラの構築・運用は自社で行う必要がありますが、データの管理権限を完全に保持したまま制限なくDifyを活用できる選択肢です。

なお、年間一括払いを選択すると、Professionalプランは年額590ドル(月払い比で年間118ドルの節約)、Teamプランは年額1,590ドル(月払い比で年間318ドルの節約)で利用できます。

出典:Dify「プランと料金」

Difyの使い方

Difyの導入方法は、ブラウザですぐに始められるクラウド版(Dify Cloud)と、自社サーバーに環境を構築するセルフホスト版(ローカル)の2通りがあります。

ブラウザでの使い方

Dify Cloud(クラウド版)は、ブラウザからアカウントを作成するだけですぐに利用を開始できます。手順は以下のとおりです。

  1. Difyの公式サイト(dify.ai)にアクセスし、「始める」ボタンからアカウントを作成する
  2. ダッシュボードにログインし、「設定」画面からLLMプロバイダ(OpenAI、Anthropicなど)のAPIキーを登録する
  3. 「アプリを作成」から、テンプレートを選択するか「最初から作成」を選んでアプリの種類(チャットボット、テキスト生成など)を指定する
  4. プロンプトの設定、ナレッジベースの追加、ワークフローの構築など、アプリの内容を設計する
  5. 「プレビュー」でテスト実行し、動作を確認した後「公開」ボタンでアプリを公開する

APIキーの登録が完了すれば、最短数分でAIアプリのプロトタイプを作成し、動作確認まで行えます。テンプレートを活用すれば、プロンプト設計の経験がなくても実用的なアプリを構築できます。

ローカルでの使い方

セルフホスト版は、Docker Composeを使用して自社のサーバーやPC上にDifyの環境を構築します。手順は以下のとおりです。

  1. DockerおよびDocker Composeを事前にインストールする
  2. DifyのGitHubリポジトリからソースコードをクローンする(git clone https://github.com/langgenius/dify.git
  3. dockerディレクトリに移動し、環境変数ファイル(.env)を設定する
  4. docker compose up -d コマンドでDifyを起動する
  5. ブラウザで http://localhost/install にアクセスし、管理者アカウントを作成する

セルフホスト版では、クラウド版と同等の機能をメッセージクレジットの制限なく利用できます。データが自社環境内に閉じるため、機密性の高い情報を扱う場合に適しています。ただし、サーバーの運用・保守やアップデートの適用は自社で行う必要があるため、一定のインフラ管理スキルが求められます。

Difyの活用事例

Difyは、民間企業から自治体まで幅広い組織で導入が進んでおり、業務効率化やサービス品質の向上に貢献しています。

東京都では、GovTech東京と連携して生成AIプラットフォーム「A1(えいいち)」を構築し、2026年4月から都職員約6万人を対象に本格運用を開始しました。このプラットフォームはオープンソースソフトウェアを活用してGovTech東京が内製で構築しており、職員がノーコードで業務用AIアプリを開発・共有できる仕組みを実現しています。報告書の作成支援や社内マニュアルの検索チャットボットなど、さまざまな業務アプリが職員自身の手で開発されています。

民間企業では、福祉用具レンタル・リネンサプライ大手の株式会社ヤマシタがDifyを導入し、営業社員の業務改善を目的としたAIチャットボット「ヤマシタAI段取りコーチ」を社内開発しました。営業訪問の準備から振り返りまでをAIが支援する仕組みで、ノーコード開発基盤であるDifyの特性を活かし、現場主導で業務アプリを内製する取り組みの一環として開発された点が特徴的です。

AIを活用した業務効率化の事例や効果については、「AIによる業務効率化の事例と活用効果を解説」の記事もあわせてご覧ください。

出典:GovTech東京「都職員約6万人が生成AI『A1(えいいち)』を利活用開始」
出典:PRTIMES「介護用品レンタルのヤマシタ、ノーコード生成AI開発基盤『Dify』を導入し現場主導の業務改善を推進」

Dify利用時の注意点

Difyを導入・運用する際には、無料プランの制限やセキュリティ対策、商用利用の条件について事前に理解しておく必要があります。

無料プランの制限

Difyの無料プラン(Sandbox)には、メッセージクレジットやアプリ数に明確な制限が設けられています。

Sandboxプランでは、メッセージクレジットが全期間で200回(使い切り方式)に制限されており、アプリは5個まで、ナレッジベースのストレージは50MBまでしか利用できません。有料プランのように毎月リセットされるわけではないため、個人での検証やプロトタイプの作成には十分ですが、複数の部署で日常的に利用する本格運用には対応しきれません。

有料プランへの移行タイミングの目安として、メッセージクレジットを使い切った場合や、複数のアプリを同時に運用する必要がある場合は、Professionalプラン以上への切り替えを検討すべきです。セルフホスト版であれば制限なく無料で利用できるため、インフラの管理体制が整っている組織ではセルフホスト版も有力な選択肢です。

セキュリティ対策

Difyを業務で利用する際は、データの取り扱いに関するセキュリティ対策を適切に講じる必要があります。

クラウド版(Dify Cloud)を利用する場合、ナレッジベースに登録した社内ドキュメントや、チャットでのやり取りはDifyのサーバーを経由します。機密性の高い情報を扱う場合は、セルフホスト版を選択してデータを自社環境内に閉じる運用が推奨されます。

2026年3月には総務省が「AIのセキュリティ確保のための技術的対策に係るガイドライン」を公表しており、AIシステムの開発・運用において講じるべきセキュリティ対策の指針が示されています。Difyを導入する際も、このガイドラインを参照しながら、アクセス制御やログ管理、データの暗号化といった基本的なセキュリティ対策を整備することが重要です。

出典:総務省「AIのセキュリティ確保のための技術的対策に係るガイドライン」

商用利用の条件

Difyの商用利用にあたっては、ライセンスの追加条件と商用ライセンスの要否を正確に把握しておく必要があります。

Difyは、Apache License 2.0に追加条件を付したカスタムライセンスで公開されています。自社の業務アプリケーションとしてDifyを利用する範囲であれば、ライセンス費用は発生せず自由に商用利用できます。しかし、Difyをベースにしたマルチテナント型SaaS(複数の顧客に対してサービスとして提供する形態)を構築する場合には、LangGeniusの書面による許可が必要です。

また、Difyのフロントエンド(管理画面やアプリケーション画面)を利用する場合、ロゴや著作権情報を削除・変更することは禁止されており、これらを変更するには別途商用ライセンスの取得が求められます。商用ライセンスに関する問い合わせは、Difyの公式連絡先(business@dify.ai)で受け付けています。自社利用にとどまるのか、外部提供を視野に入れるのかによって適用されるライセンス条件が変わるため、プロジェクトの初期段階で確認しておくことが望ましいです。

出典:GitHub「langgenius/dify LICENSE」

Difyに関してよくある質問

Difyは無料で使えますか?

Difyは無料で利用可能です。クラウド版のSandboxプランでは、メッセージクレジット200回(全期間で使い切り)まで無料で利用でき、RAGやワークフロー構築などの主要機能を一通り試せます。ただし、アプリ数は5個、ストレージは50MBまでの制限があるため、本格運用にはProfessional(月額59ドル)以上のプランが推奨されます。セルフホスト版であれば、Docker環境さえあれば完全無料で制限なく利用できます。

Difyは日本語に対応していますか?

Difyは日本語に対応しています。管理画面のUIは日本語に切り替え可能で、メニューや設定項目が日本語で表示されます。2025年2月に日本法人(株式会社LangGenius)が東京に設立され、同年9月にはNTTデータらと共同で「一般社団法人Dify協会」も発足しています。日本語の学習リソースやコミュニティも充実しており、英語に不慣れな方でも安心して活用できる環境が整っています。

Difyは商用利用できますか?

Difyは商用利用が可能です。Apache License 2.0に追加条件を付したカスタムライセンスで公開されているオープンソースソフトウェアであり、自社業務でのAIアプリ構築・運用であれば基本的に制限なく利用できます。ただし、Difyをベースにしたマルチテナント型SaaSを外部に提供する場合にはLangGeniusの書面許可が必要であり、フロントエンドのロゴや著作権情報を削除・変更する場合には別途ビジネスライセンスの取得が求められます。自社利用の範囲であれば、追加のライセンス費用は発生しません。

Difyを活用して業務効率化を実現しよう

Difyは、ノーコードで本格的なAIアプリケーションを開発・運用できるオープンソースプラットフォームです。RAGエンジンの搭載や複数LLMへの対応、外部ツール連携、MCP対応など、企業の業務効率化に必要な機能を幅広く備えています。

無料のSandboxプランやセルフホスト版を活用すれば、初期投資を抑えながらAIアプリ開発の第一歩を踏み出せます。まずはDifyの公式サイトでアカウントを作成し、テンプレートを使った簡単なチャットボットの構築から始めてみてはいかがでしょうか。プログラミングの知識がなくても、自社の業務課題を解決するAIアプリを自らの手で作り上げられる体験は、組織全体のAI活用を加速させる大きなきっかけとなるはずです。