面談議事録を“記録“から“次の提案“へ。GAIAがJAPAN AIで進める、金融業界「顧客カルテ」活用の型づくり
- コンサル業

導入前の課題
- 議事録ツールが個人契約に分散し、更新管理や利用状況の把握が難しく、運用の手間とコストが膨らんでいた
- 要約の品質が実務利用に届かず、確認・修正が毎回必要で、記録作成が負担になっていた
- 面談の型や記録の精度が担当者ごとに異なり、知見が溜まりにくく、横展開もしづらかった
導入後の成果
- 面談パターンごとのプロンプトを整備することで、記録品質のばらつきを抑えられた
- 面談履歴をもとに「顧客カルテ」をAIで整理する運用が定着し、面談準備の精度とスピードが向上した
- 議事録作成の負荷が減り、空いた時間をお客様への連絡・フォローに回せるようになった
【企業紹介】
- 会社名:GAIA株式会社
- 創業:2006年
- 事業内容:資産運用設計アドバイス事業(ファイナンシャル・プランニング業)/金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第235号/金融商品取引業者(投資助言・代理業)関東財務局長(金商)第2934号/銀行代理業者 関東財務局長(銀代)第379号/生命保険代理店/相続コンサルティング業務
- 従業員数:社員約40名、FP約15名(IFA事業部)
- 利用プロダクト:JAPAN AI SPEECH/JAPAN AI CHAT
GAIA株式会社は、資産運用やライフプランニングを中心に、長期の視点でお客様の意思決定を支えるファイナンシャルプランニングサービスを提供しています。特徴的なのは「1人のお客様に対して1人のFPが継続して伴走する」体制です。担当が基本的に変わらないからこそ関係性を深めやすい一方で、面談で合意した内容や次のアクションを、正確に漏れなく記録し続けることが業務品質の土台になります。
同社はお客様の資産情報という機微な情報を扱うため、コンプライアンスと情報管理を重要事項として運用してきました。
その一方で、合理性があれば新しい仕組みの導入にも前向きに取り組み、現場では議事録作成ツールなども活用されていました。しかし導入が先行した結果、ツール契約が個人単位に分散し、更新タイミングや利用状況の把握が難しい状態に陥っていました。加えて、既存ツールの要約精度への不満から、最終確認や手直しの工数が残り続ける課題もありました。
こうした状況を受け、2025年に同社初のIT担当として入社したのが、管理部・IT課の瀬川康行さんです。瀬川さんは「議事録」と「社内のAI活用」を別々に整えるのではなく、議事録とチャットを一体で運用し、管理者側でプロンプト設計とログ管理まで担える形に整えることで、品質管理と運用を同時に担保できる基盤づくりを進めました。今回は瀬川さんに、JAPAN AI導入の判断軸から、議事録を”記録”で終わらせず「顧客カルテ」に転換する運用、そして今後の展望までお話を伺いました。

▶︎導入前の課題
議事録が”個人任せ”で回り続ける。運用管理が限界に近づいていた
―――JAPAN AI:瀬川さんの役割と、JAPAN AI導入前に社内で起きていた課題を教えてください。
――瀬川氏
2025年5月ごろに入社しました。入社当時、社内にIT部門がなかったため、現在は社内で唯一のIT担当として、業務効率化から情報セキュリティ、ツールの選定・導入・運用まで幅広く担っています。
日々、現場の困りごとを拾いながら、候補となるツールは自分で調べて試し、費用対効果やリスク、導入後の運用までの道筋を整理したうえで社内に提案します。承認されれば導入まで任されることも多い分、導入後に現場で継続的に使われ、安定して回る状態まで責任を持つ必要があります。そうした意味で、裁量と責任がセットになった役割だと感じています。
当社GAIAはファイナンシャルプランニングに基づいた資産運用の実行支援を行うIFA(金融商品仲介業者)で、ファイナンシャルプランナー(FP)が提案から面談まで一貫して担当しています。新規獲得は紹介が中心で、日々の面談は既存のお客様対応が主軸です。各FPあたり目安として毎週10件前後のアポイントが入るため、面談内容を素早く正確に記録し、次の提案やフォローに活かせるかが業務品質を左右します。
導入前は別の議事録ツールを利用していましたが、法人契約ではなく個人契約が前提で、契約更新の管理が分散していました。そのため全社での統一運用が難しく、要約についても用途に合わせて整える作業が必要で、確認・修正の負荷が残っていました。

―――JAPAN AI:JAPAN AIを選んだ決め手はどこでしたか?
――瀬川氏
まずは議事録ツールを中心に、いくつか比較しました。議事録系は相場が高いものも多く、料金体系も「何時間まででいくら」のように、使えば使うほどコストが膨らみやすい。面談が多い当社にとっては、運用のしやすさまで含めて慎重に見ました。
その中で刺さった点が二つあります。ひとつは議事録の”実務精度”。単に要約が出るのではなく、面談の記録としてそのまま使える水準に近いこと。既存ツールでは、要約が粗くて結局聞き直しや直し作業が発生し、最後は人が時間をかけて整える前提になっていました。ここがJAPAN AIでは大きく変わる感触がありました。
もうひとつは、IT部門として「管理者側で運用の型を揃えられる」設計だったことです。管理者側でプロンプトを設計できるので、面談パターンごとに”残すべき項目”を揃えられる。その結果、誰が使っても議事録の型が崩れにくく、回答品質のばらつきを抑えられます。金融業界では、属人的に使われるAIが一番リスクになりやすいので、ここは決め手でした。
加えて、議事録とチャットが一体で、ログを参照できる。何かあったときに「何を入れて、どう出たか」を確認できるのは、説明責任の観点でも大きいですし、入力情報が学習に利用されないことが明確に示されている点も、導入判断の安心材料になりました。単発のツールではなく、「面談記録と活用」を一つの基盤として運用できるイメージができたのが大きかったですね。
トライアルも、当初は2カ月を想定していましたが、実際に触った現場から「これなら早く使いたい」という声が強く、前倒しで契約に進みました。既存ツールは契約期間の都合で録音だけに使う人もいましたが、運用の中心は自然とJAPAN AIに移っていった、というのが実態です。
▶︎導入後の変化
議事録の”質”が揃うと「顧客カルテ」が育ち、面談が強くなる
―――JAPAN AI:導入後、現場ではどんな使い方が定着しましたか?
――瀬川氏
大きく2パターンあります。
ひとつは、同じ音声に対して”面談の型”ごとのプロンプトを当てる使い方です。初回面談、紹介をもらうための面談など、目的に合わせて要約の切り口を変える。面談の内容は同じでも、「次に何をするか」に直結するアウトプットが変わります。
もうひとつが「顧客カルテ」です。Salesforce上に議事録を活動履歴として溜めていて、それをコピーしてJAPAN AI側に入れ、「この履歴から顧客カルテを作る」というプロンプトで整理します。議事録が積み上がるほどカルテの情報が正確になっていくので、顧客カルテは本当に全員使っている状態です。
―――JAPAN AI:効果はどう感じていますか?
――瀬川氏
定量データとしてはまだ取れていませんが、「これまで1件の議事録作成に1時間かかっていたのが、5分以内でできるようになった」という声はあります。
何より大きいのは、議事録の品質が安定したことで、顧客カルテの質がどんどん上がることです。確度の高い記録が毎回残るので、カルテが育って、面談準備が強くなる。結果として面談の質が上がっている、という感覚があります。
余白の使い方も変わりました。浮いた時間で、お客様に電話をしてみる、フォローの連絡を入れるなど、”気遣い”に当てられるようになったという話はよく聞きます。GAIAは人とのコミュニケーションを重視しているので、AIで作業を圧縮して、人は関係性の構築に時間を使う。この形が合っていると思います。
実際、よく使っているFPの中には達成率150%など成績が大きく伸びている方もいて、議事録の使い方や面談の組み立てがうまく回り始めている手応えはあります。

実際にGAIAのFPが使用している面談向け顧客カルテの生成画面。詳細なプロンプトが記入されている
“使う人・使わない人”の差を埋め、プロンプトからエージェントへ
―――JAPAN AI:今後、JAPAN AIをどう活用していきたいと考えていますか?
――瀬川氏
直近は、使っている人・使っていない人の差を埋めることが課題です。最低限ここまでは全員が使える、というラインを作って、運用をそろえていきたい。今はプロンプトをボタンで押せる形に整えているので、あとは「何をどこまで統一するか」を詰めていく段階ですね。
会社としては現在、既存のお客様に割く時間を増やし、そこから紹介で新規につなげていく方針です。そうなると、面談の記録を”残すだけ”ではなく、次のコミュニケーションにどう活かすかがより重要になります。議事録と顧客カルテが積み上がるほど面談の質が上がり、結果として紹介につながる確率も上げられる。ここは、事業方針と噛み合っていると感じています。
もう一段先では、AIは「現場の記録」に留まらず、戦略にも効くと思っています。今、自社がどういうマーケットにいて、どういう戦略を取るべきか。競合が多い業界だからこそ、ターゲットをどう定め、何を”独自色”として打ち出すかが重要です。マーケットの情報整理や論点の洗い出し、仮説の叩き台づくりはAIが強い領域なので、日々の業務が落ち着いたら、自社ブランドの確立やターゲット設計にも広げていきたいですね。
―――JAPAN AI:最後に、導入を検討している企業へメッセージをお願いします。
――瀬川氏
金融業界全体としては、正直まだIT化が進んでいないと感じています。だからこそ、どの会社でも、導入を検討する価値は十分にあると思っています。特に、BtoCでお客様との関わりが一定ある業態なら、「要約を貯めて顧客カルテを育てる」運用はかなり転用できるはずです。ポイントは、プロンプトで指示を詳細まで落とせること。全員が同じ型で記録を残せるように設計できるので、一定水準以上の議事録を”組織として”安定して取れる状態を作れます。属人化しやすい領域ほど、この効果は大きいと思います。
議事録の中に「どういう会社か」「何を大切にしているか」といった前提を入れておけば、出力自体に”自社らしさ”を乗せられます。単に要約が上手いだけではなく、会社の型と独自色を同時に作れるところが、この運用の強みだと感じています。

生成された顧客カルテ(顧客プロファイル)画面例。全員が同じ型で記録を残せるようになった





