背中で覚える時代からAIで共有する時代へ!建設業にフィットした活用事例

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“覚える多さ”と属人化…建築現場に根強く残る非効率
「やります!」の一言から始まったAI導入──決め手は伴走の安心感
検索・議事録・帳票…自社データを理解した“AIエージェント”が浸透
導入後の成果──“90%の完成度”が現場に変化をもたらす
「親方文化」との相性…建設業こそAIがフィットする業界
“誰でも使えるAI”が後押しする、建設業の働き方改革

導入前の課題

  • 製品仕様や建築用語が膨大で、若手は質問を繰り返し、ベテラン依存が強かった。
  • 会議記録が不十分で情報が断片的となり、確認作業の繰り返しで現場の効率が落ちていた。
  • DX推進の温度差が社内に残り、新しい仕組みが浸透しにくかった。

導入後の成果

  • 製品検索や議事録作成などが誰でも簡単にでき、AI活用が社内に広がった。
  • 若手が気軽に質問できる環境が整い、先輩社員の負担軽減と業務効率化につながった。
  • “親方文化”とも相性よく浸透し、「これもAIでできないか」と前向きな声が増えた。

【企業紹介】

  • 会社名:コマニー株式会社
  • 資本金:1億円
  • 事業内容:パーティション(間仕切り)の開発、設計、製造、販売及び施工並びにパーティション関連の内装工事、建具工事
  • 従業員数:1,236名

石川県に本社を構えるコマニー株式会社は、オフィスや工場、病院、学校など、人が集まる場所に欠かせない「間仕切り(パーテーション)」を作ってきた会社です。設計から製造、施工、営業まで一貫して担い、ただ空間を仕切るだけでなく、「間づくり」の発想で、そこにいる人が心地よく働き、学べる場をどう作るかを提案してきました。

コロナ禍をきっかけにペーパーレス化やiPad導入を進め、少しずつデジタル化が進みましたが、現場では製品仕様や社内ルールに関する「問い合わせの多さ」という課題が残っていました。若手は「誰に聞けばいいのか」と迷い、ベテラン社員は同じ質問に何度も答える。お互いに時間を奪われ、本来やるべき仕事に集中できない状況が続いていたのです。

その解決の糸口として同社が選んだのがJAPAN AIです。議事録や問い合わせ対応を助ける仕組みとして導入され、今では現場に少しずつ広がりを見せています。今回は実際に導入を進めた波多野慎吾さん(東京第四営業所)と濵崎あゆみさん(営業DX推進課)に話を聞きました。

▶︎導入前の課題

“覚える多さ”と属人化…建築現場に根強く残る非効率

➖➖➖JAPAN AI:建設業の業務で、特に大きな課題だと感じていた点を教えてください。
➖➖波多野氏
一言で言うと“覚えることが多すぎる”んです。仕事の流れ、製品仕様、建築用語、社内ルールまで膨大で、若手は“誰に聞けばいいのか”で迷ってしまい、結局ベテランに同じ質問を繰り返す。教える側も新人が入るたびに毎回同じ説明を繰り返すことになり、部材を作図する設計部には一日に何十本も問い合わせが殺到していました。これでは本来の業務に集中できませんし、社内に体系化されたマニュアルも多くないため、ベテランに依存する構造が根強く残っていました。
加えて、会議や打ち合わせの記録も十分に残せていませんでした。重要な会議では録音して後から文字起こしをしていましたが、担当者が丸一日かけるような負担がありましたし、ちょっとした打ち合わせはほとんど記録に残らないまま。結果として情報が断片的で、問い合わせと確認が繰り返され、現場のスピードも正確性も落ちてしまう。こうした状況を変えない限り、業務効率化は進まないと感じていました。
社内風土という意味では、DX推進は会社として掲げていても、実際に使いこなす社員とそうでない社員との温度差がありました。コロナ禍をきっかけにペーパーレスやiPad活用が進みましたが、新しい仕組みを前向きに取り入れる人もいる一方、どちらかというと新しいツールが広がっていかない社風ではあり、こうした温度差を埋めない限り、いくら制度や仕組みを整えても現場では形だけになってしまう。だからこそ“誰でも簡単に使える”仕組みが必要だと強く感じていました。

「やります!」の一言から始まったAI導入──決め手は伴走の安心感

➖➖波多野氏
状況を変えたいと思い、年に一度の本社での会議の際に“製品を入力すれば仕様や写真が一発で出てくる仕組みを今期中に作ります”と勢いで発表しました。正直、そのときは構想だけで具体的な道筋はなかったのですが(笑)、“やります!”と声を上げたことで、若手からも“それがあれば本当に助かる”という反応がありました。まず一歩踏み出して社内に投げかけたことで、AI導入を前向きに検討する空気が一気に広がったと思います。
その後、3〜4社ほど比較しましたが、各社とも“精度は高い”“できます”という説明が多く、正直なところ違いが見えにくかった。AIが初めての人も多い中で、一番の課題は“どうやって社内に浸透させるか”でした。機能面だけで選んでも、結局『ツールを渡されたけれど活用できない』となるのではないかという不安が強く残っていました。
最終的にJAPAN AIを選んだのは、その不安を解消してくれると感じたからです。導入段階から“この機能をどう展開したら現場で使えるか”を一緒に考えてくれる姿勢がありましたし、専任のCSが伴走してくれる体制も明確でした。“困ったらここに聞けばいい”という安心感を持てたことで、ここなら社内に根付かせられると確信しました。他社との比較では見えなかった決め手が、“導入後も一緒に作り上げていける”という伴走の姿勢だったんです。

▶︎導入後の変化

検索・議事録・帳票…自社データを理解した“AIエージェント”が浸透

➖➖➖JAPAN AI:AIを導入してから、日常業務の中で「一番インパクトが大きかった」と感じるのはどんな場面ですか?
➖➖濵崎氏
まず社内で最も分かりやすい効果が出ているのは、製品情報に特化した検索のAIエージェントです。これまで本社の設計部に電話して確認していた仕様や制限が、エージェントに入力すれば一発で返ってくる。例えば『この寸法で制作できますか?』と尋ねれば即答してくれるので、若手でも迷わず進められる環境が整いつつあり、代替案まで提示できる可能性が見えてきたのは大きな変化です。
議事録作成でも効果を感じています。従来は重要な会議の録音データを担当者が一日かけて文字起こしし、さらに確認作業に時間を費やしていました。今ではJAPAN AIに会議の内容を入力すれば、数分でたたき台が完成します。チェックに集中できるようになり、気軽に“打ち合わせメモ”を残す文化も広がりました。すでに弊社内で導入しているITツールの機能でも試しましたが、精度や柔軟性の点ではJAPAN AIの方が実務に適していると感じています。
帳票作成や事例写真検索といった業務でもAIエージェントの浸透が進んでいます。以前は近い書式を探して上書きしていた帳票も、AIに『こういう内容で作って』と指示すればひな形が生成される。知識のあるなしにかかわらず誰でも取り組めるのが大きいです。最近は社内勉強会を通じてAIエージェントの自作にも挑戦する人が増えてきました。1000人規模の社員の中で、既に400以上のアカウントが稼働しており、“自分で作ったツールをみんなに使ってもらえる”という小さな成功体験が、AI活用を前向きに広げる力になっています。

導入後の成果──“90%の完成度”が現場に変化をもたらす

➖➖波多野氏
現場での一番の期待は、若手社員が先輩社員に遠慮しながら同じ質問を繰り返さなくてよくしたいということです。若手からすれば『忙しい先輩にまた聞くのは気が引ける』という負担、ベテランからすれば『同じ説明を何十回も繰り返す』という無駄があります。こうした現場の“ちょっとしたストレス”を解決したいという思いから製品の仕様や納期について回答してくれるエージェントを作成しました。まだリリースして間もないですが、エージェントの利用回数は着実に増加傾向にあり、現場への浸透を実感しています。利用が定着していけば、今後問い合わせ件数の削減や、設計部などへの電話対応負荷の軽減につながることを期待しています。結果的に残業の抑制や、図面作成など本来の付加価値業務により多くの時間を割けるようになり、全社的な生産性向上が実現できると考えています。
エージェントの検索の機能については、もちろんまだ発展途上ではありますが、精度は当初想像していた水準の“90%”に到達していると実感しています。品番を入力すれば製品写真や注意点が表示される…そんなイメージを描いて導入しましたが、現状すでにほぼ期待通りの回答が返ってくる。残りの10%をどう埋めていくかは今後の開発や活用次第ですが、“理想に近い形が現実に動いている”こと自体が、現場に大きな安心感と期待をもたらしています。

※画像:納入事例写真検索エージェント

「親方文化」との相性…建設業こそAIがフィットする業界

➖➖波多野氏
正直、導入してみて一番実感するのは、社員から「これもAIでできないか?」と相談される機会が格段に増えたことです。特にエージェント機能をはじめとした仕組みを実際に触った社員が、「だったらこんな業務にも応用できるのでは」と声を上げてくれる。そのやりとりが社内の前向きな空気を生み、導入前には想像できなかった広がりを見せています。
建設業は“親方文化”が根付いていて、「背中を見て覚えろ」という伝え方が今も残る業界です。だからこそ、AIの「誰でも同じ情報をすぐに引き出せる」力とは、本当に相性が良いと感じます。私自身、かつては建設業とAIは最も距離があると思っていましたが、いまではむしろ“一番フィットする業界かもしれない”と考えるようになりました。小さなことから試してみるだけでも、「こんなにできるのか」という実感が得られるはずです。

“誰でも使えるAI”が後押しする、建設業の働き方改革

➖➖濵崎氏
JAPAN AIのエージェントは本当に簡単に作れるんです。知識がなくても“ここに入力してください”という項目を埋めていくだけで形になる。だから、最初は難しいと思っていた人も、勉強会や社内SNSでの紹介をきっかけに『自分でもやってみようかな』と挑戦してくれるようになりました。製品検索や議事録、帳票作成など、現場で小さな成功体験が積み重なることで、“誰でも使えるAI”という実感が広がっているのを感じます。建設業は長時間労働や厳しい現場作業が課題になりがちですが、AIを活用することで余白の時間を生み、働き方を少しずつ変えていける手応えがあります。
そして、これから楽しみなのが図面検索やマルチモーダルの活用です。例えば古い図面と最新の図面を比較して変更点を自動で検出する、何百枚もの中から必要な詳細図を一発で探し出すといったことが可能になりつつあります。設計や見積もりにかかっていた膨大な時間を短縮できれば、業界全体の働き方にも大きな変化をもたらすはずです。AIが当たり前に活用される未来を、自分たちの手で現実にしていきたいですね。

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