「通年採用」という言葉を耳にする機会が増えたと感じている人事担当者は多いのではないでしょうか。少子化による人材獲得競争の激化や、働き方の多様化を背景に、従来の新卒一括採用だけでは優秀な人材を確保しきれない企業が増えています。
しかし、通年採用とはそもそもどのような採用手法なのか、一括採用や中途採用とはどう違うのか、導入にはどのようなメリット・デメリットがあるのか、といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、通年採用の定義や特徴から、企業・学生双方のメリット・デメリット、具体的な導入手順、成功のポイント、そして導入企業事例まで、JAPAN AIが網羅的に解説します。
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通年採用とは?
通年採用とは、採用時期や期間を限定せず、年間を通じて採用活動を行う手法のことです。日本で長く主流だった「新卒一括採用」のように、特定の時期に集中して選考・内定出しを行うのではなく、企業が必要なタイミングで随時、採用活動を実施します。
対象は新卒に限らず、既卒者・第二新卒・留学帰国者など幅広い層に門戸を開いている点も特徴です。入社時期も4月一括ではなく、10月入社や随時入社など柔軟に設定されるケースが多く見られます。
近年では、通年採用を実施または検討中の企業は増加傾向にあり、大手企業から中小企業まで幅広い規模の企業で導入が進んでいます。
一括採用との違い
通年採用と新卒一括採用は、採用活動の進め方において大きく異なります。両者の主な違いを以下の表にまとめました。
| 比較項目 | 新卒一括採用 | 通年採用 |
|---|---|---|
| 採用時期 | 年1回、決まった時期に集中(広報3月〜、選考6月〜) | 年間を通じて随時実施 |
| 採用対象 | 主に翌年3月卒業見込みの学生 | 新卒・既卒・第二新卒・留学生など幅広い層 |
| 入社時期 | 原則4月一括入社 | 4月・10月・随時など柔軟に設定 |
| 選考基準 | ポテンシャル重視、横並びの評価 | 個別のスキル・適性を重視した選考が可能 |
新卒一括採用は、日本独自の雇用慣行として長年定着してきた仕組みです。企業にとっては採用活動を短期間に集中できる効率性がある一方で、限られた期間内に多数の学生と接触しなければならず、十分な相互理解が難しいという側面もあります。
通年採用は、こうした一括採用の制約を補完する手法として位置づけられています。
中途採用との違い
通年採用と中途採用は「時期を限定しない」という点では共通していますが、比較の軸が異なる手法です。
中途採用は、即戦力となる経験者の採用が中心です。特定のポジションに空きが出た場合や、事業拡大に伴って専門スキルを持つ人材が必要になった場合に実施されることが一般的です。
一方で、通年採用は新卒・既卒・第二新卒を含む幅広い層を対象としており、ポテンシャル採用の要素も含まれます。入社後の育成を前提としつつも、一括採用のように時期を限定しない点が特徴です。
つまり、通年採用は採用時期を柔軟にする手法であり、中途採用とは採用ターゲットや育成方針の面で比較の軸が異なる手法だといえます。中途採用を通年で実施する企業もあるため、両者は対立する概念ではなく、組み合わせて運用することも可能です。
通年採用が注目される背景
通年採用が多くの企業で検討・導入されるようになった背景には、採用市場の構造的な変化があります。主な要因として、売り手市場の深刻化、グローバル化への対応、そして就活ルールの変更が挙げられます。
売り手市場と人材獲得競争の激化
少子化の進行により、日本の労働人口は年々減少しています。大学卒業者数も長期的には減少傾向にあり、企業間の人材獲得競争は激しさを増しています。
マイナビの「2026年卒企業新卒内定状況調査」によると、2026年卒の採用充足率は69.7%と、現行の採用スケジュールが導入された2017年卒以降で過去最低を記録し、4年連続で低下しています。これは、従来の一括採用の枠組みだけでは、企業が必要とする人数を確保できなくなっていることを意味します。
特に中小企業やBtoB企業は、知名度の面で大手企業に後れを取りやすく、一括採用の短い期間内に十分な母集団を形成することが困難です。こうした企業にとって、採用期間を通年に広げることは、接点を増やし、優秀な人材と出会う機会を拡大する有効な手段です。
グローバル化と多様な人材へのニーズ
ビジネスのグローバル化に伴い、海外大学を卒業した留学生や帰国子女、外国籍人材など、多様なバックグラウンドを持つ人材へのニーズが高まっています。
しかし、海外の大学は卒業時期が日本と異なるケースが多く、4月一括入社を前提とした新卒一括採用では、こうした人材を取りこぼしてしまうリスクがあります。9月卒業の留学生が翌年4月まで半年以上待たなければならないといった問題は、優秀な人材の他社流出にもつながりかねません。
通年採用を導入すれば、卒業時期に関係なく選考・入社が可能になるため、グローバル人材や多様な経歴を持つ候補者を柔軟に受け入れられるようになります。
また、既卒者や第二新卒など、従来の一括採用の枠組みからこぼれ落ちていた層にもアプローチできる点は、ダイバーシティ推進の観点からも意義が大きいといえます。
就活ルールの変更と経団連の動き
通年採用が広がるきっかけの一つとなったのが、2018年に経団連が採用選考に関する指針の廃止を決定したことです(2021年春入社の学生から適用)。
それまで経団連は、会員企業に対して「広報活動は3月1日以降」「選考活動は6月1日以降」といったスケジュールを定めていました。しかし、形骸化が進んでいたことや、優秀な学生の早期囲い込みが常態化していたことを受け、経団連は指針の廃止を決定しました。以降、就活スケジュールは政府主導で運用されています。
2027年卒についても、現行の就活ルール(広報3月・選考6月・内定10月)は継続されていますが、採用活動の時期を柔軟に設計する企業は増加傾向にあります。
こうした制度面の変化が、企業が通年採用に踏み出しやすい環境を整えているといえるでしょう。
採用活動におけるAI活用の仕組みや具体的な導入事例については、「採用AIとは?導入メリットや活用事例、おすすめツールを徹底解説」の記事で詳しく解説しています。
通年採用のメリット
通年採用の導入には、企業・学生の双方にメリットがあります。それぞれの立場から具体的に見ていきましょう。
企業側のメリット
企業が通年採用を導入することで得られる主なメリットは、多様な人材との接点拡大、選考の質の向上、内定辞退への柔軟な対応の3つに集約されます。以下で一つずつ詳しく解説します。
多様な人材と出会える
通年採用の最大のメリットは、一括採用では出会えなかった多様な人材にアプローチできる点です。
新卒一括採用では、3月に広報を開始し6月から選考を行うというスケジュールに合わせて就職活動を行う学生が主な対象です。しかし、留学中で日本にいない学生、海外大学を卒業する学生、部活動や研究活動に打ち込んでいて就活の開始が遅れた学生など、このスケジュールに乗れない優秀な人材は少なくありません。
通年採用であれば、こうした学生にも門戸を開くことができます。また、既卒者や第二新卒にもアプローチできるため、採用候補者の母集団を大幅に拡大できます。
慎重な選考でミスマッチを防げる
一括採用では、短期間に大量の応募者を選考しなければならないため、一人ひとりの候補者に十分な時間をかけることが難しい場合があります。結果として、入社後に「思っていた仕事と違った」「社風に合わなかった」といったミスマッチが発生し、早期離職につながるケースも見られます。
通年採用では、選考のスケジュールに余裕があるため、面接回数を増やしたり、職場体験やインターンシップを組み合わせたりと、企業と候補者が相互理解を深める機会を設けやすくなるメリットがあります。
選考に時間をかけられることは、採用の「質」を高めるうえで大きなアドバンテージです。ミスマッチの減少は、早期離職率の低下や定着率の向上にもつながり、長期的な採用コストの削減にも寄与します。
内定辞退にも柔軟に対応できる
一括採用では、内定辞退が発生した場合、追加募集をかけるタイミングが限られます。選考時期が終わってしまった後に辞退が出ると、その年度の採用計画に穴が開いてしまうリスクがあります。
通年採用であれば、採用活動が常に稼働しているため、内定辞退が発生しても速やかに追加の選考を実施できます。採用計画の達成に向けて柔軟に対応できる点は、採用充足率の向上に直結するメリットです。
学生側のメリット
通年採用は、学生にとっても複数のメリットがあります。
まず、応募機会が増えることが挙げられます。一括採用のスケジュールに縛られず、自分のタイミングで就職活動を始められるため、留学や研究活動との両立がしやすくなります。
そして、一社ずつじっくりと選考に臨めるため、企業研究や面接対策に十分な時間を充てられます。一括採用では複数社の選考が同時並行で進むため、準備が分散しがちですが、通年採用ではそうした負担が軽減されます。
さらに、入社時期を柔軟に選べる企業も多いため、卒業時期に合わせた入社が可能です。海外大学の卒業生にとっては、ブランク期間なく就業できる点も大きな魅力です。
通年採用のデメリット
メリットがある一方で、通年採用にはデメリットや注意点も存在します。導入を検討する際には、以下の課題を事前に把握し、対策を講じておくことが重要です。
企業側のデメリット
企業が通年採用を導入する際に直面しやすい課題は、コストの増加、採用担当者の負担増、研修・教育の個別対応の3点です。
採用コストが増加する
通年採用では、採用活動の期間が長期化するため、求人広告の掲載費用、合同説明会への出展費、採用管理ツールの利用料など、各種コストが増加する傾向にある点はデメリットと言えるでしょう。
一括採用であれば、特定の時期に集中して予算を投下すれば済みますが、通年採用では年間を通じて継続的にコストが発生します。特に、複数の採用チャネルを併用する場合は、チャネルごとの費用対効果を定期的に検証し、投資配分を最適化する必要があります。
ただし、ミスマッチによる早期離職が減少すれば、再採用にかかるコストを抑えられるため、中長期的に見ればコスト効率が改善する可能性もあります。
採用担当者の負担が増加する
年間を通じて採用活動を行うということは、採用担当者の業務が途切れることなく続くことを意味します。応募者対応、面接の調整、選考結果の連絡、内定者フォローなど、日常的に発生するタスクの総量は一括採用と比べて増加する点はデメリットとして考慮しておくべきです。
特に、採用担当者が他の人事業務と兼務している場合は、業務過多に陥りやすい点に注意が必要です。通年採用を導入する際には、採用チームの体制強化や、採用管理ツールの導入による業務効率化を併せて検討しましょう。
研修・教育の個別対応が必要になる
一括採用では4月に一斉入社するため、新入社員研修をまとめて実施できます。しかし、通年採用で入社時期がばらつくと、同じ研修プログラムを複数回実施したり、個別にOJTを組んだりする必要が出てきます。
研修の個別対応は、教育担当者の工数増加だけでなく、新入社員同士の横のつながりが形成しにくいという課題にもつながります。同期の存在は、新入社員のモチベーション維持や早期定着に大きな役割を果たすため、メンター制度やオンラインコミュニティの活用など、入社時期が異なる社員同士の交流を促す仕組みを整えましょう。
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学生側のデメリット
学生にとっても、通年採用にはいくつかのデメリットがあります。
第一に、選考基準が高くなる傾向がある点です。通年採用では、一括採用と比べて応募者数が少ないため、一人ひとりをより深く評価する選考が行われます。その分、求められるスキルや自己分析の深さは高くなりやすく、準備不足のまま臨むと選考通過が難しくなる可能性があります。
第二に、情報収集の難しさがあります。一括採用であれば、就活情報サイトやSNSで同時期に就活をしている学生同士が情報を共有しやすい環境がありますが、通年採用では選考時期が分散するため、同じ状況の仲間を見つけにくくなります。
第三に、就職活動が長期化することで、モチベーションの維持が難しくなる場合があります。「いつでも応募できる」という安心感が、かえって就活の先延ばしにつながるリスクもあるため、自分なりのスケジュール管理が重要です。
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通年採用の導入手順
通年採用を自社に導入する際には、場当たり的に始めるのではなく、計画的にステップを踏むことが成功の前提です。ここでは、4つのステップに分けて具体的な導入手順を解説します。
採用計画を立てる
通年採用の第一歩は、採用計画の策定です。事業計画や要員計画に基づき、「いつまでに」「何人」「どのような人材を」採用するかを明確にします。
一括採用と異なり、通年採用では採用活動の終わりが明確に定まらないため、目標を数値化しておくことが特に重要です。具体的には、以下の項目を計画に盛り込みましょう。
- 採用人数の目標: 職種別・部門別の必要人数
- 採用スケジュール: 四半期ごとの目標人数と選考開始時期
- ターゲット人材の要件: 求めるスキル・経験・人物像の定義
- KPIの設定: 応募数、書類通過率、面接通過率、内定承諾率、採用リードタイムなどの指標
採用手法を決定する
採用計画が固まったら、ターゲット人材にリーチするための採用手法を選定します。通年採用に適した主な手法には、以下のようなものがあります。
- ダイレクトリクルーティング: 企業側から候補者に直接アプローチする手法。通年で候補者データベースにアクセスできるため、通年採用との相性が良い
- 就職サイト・求人媒体: 通年掲載が可能なプランを選択し、常時エントリーを受け付ける
- 新卒紹介サービス: エージェントを通じて、自社の要件に合った学生を紹介してもらう
- 自社採用サイト: 通年でエントリーフォームを開放し、自社の魅力を発信し続ける
- リファラル採用: 社員の紹介による採用。時期を問わず実施できるため通年採用と親和性が高い
一つの手法に頼るのではなく、複数のチャネルを組み合わせることで、多様な候補者との接点を確保しましょう。
選考フローを設計する
通年採用に最適化した選考フローを設計します。一括採用の選考フローをそのまま流用するのではなく、通年採用ならではの特性を踏まえた設計が必要です。
ポイントは、選考基準の統一と柔軟なスケジュール対応の両立です。通年採用では、異なる時期に応募してきた候補者を同じ基準で評価する必要があります。評価シートやスコアリング基準を事前に整備し、面接官によるばらつきを最小化してください。
一方で、候補者の都合に合わせた面接日程の調整や、オンライン面接の活用など、選考プロセスの柔軟性も確保します。選考フローの一般的な流れは以下の通りです。
- エントリー受付(通年)
- 書類選考
- 一次面接(オンライン可)
- 二次面接・適性検査
- 最終面接
- 内定・入社時期の調整
受け入れ体制を整える
通年採用では入社時期が分散するため、受け入れ体制の整備が欠かせません。具体的には、以下の3つの観点から準備を進めましょう。
研修体制の構築として、入社時期に合わせた研修プログラムを複数回実施できる体制を整えます。eラーニングの活用やオンデマンド型の研修コンテンツを用意しておくと、個別対応の負荷を軽減できます。
メンター制度の導入も重要です。入社時期が異なる社員は、同期が少ない状態で業務を開始することになります。先輩社員をメンターとしてアサインし、業務面・精神面の両方をサポートする体制を構築してください。
内定者フォローも欠かせません。内定から入社までの期間が長くなる場合もあるため、定期的な連絡や内定者向けイベントの実施など、内定辞退を防ぐためのフォロー施策を計画的に実施しましょう。
通年採用を成功させるポイント
通年採用を導入しても、適切な運用ができなければ期待した成果は得られません。通年採用を成功に導くための5つのポイントを紹介します。
明確なKPIを策定する
通年採用は期間が長い分、成果の可視化が難しくなりがちです。「なんとなく採用活動を続けている」状態に陥らないためにも、明確なKPIを設定し、定期的に進捗を確認するPDCAサイクルを回すことが重要です。
設定すべきKPIの例としては、以下が挙げられます。
- 月間・四半期ごとの応募数
- 選考通過率(書類・一次面接・最終面接)
- 採用リードタイム(応募から内定までの日数)
- 内定承諾率
- 採用充足率(計画に対する達成度)
- 採用チャネル別のROI
KPIを定期的にモニタリングし、数値が目標を下回っている場合は、採用手法の見直しや選考フローの改善など、具体的なアクションにつなげましょう。
学生への理解を深める
通年採用で成果を上げるためには、ターゲットとなる学生の志向や行動パターンを深く理解することが欠かせません。
一括採用のスケジュールに沿って就活を行う学生と、通年採用に応募してくる学生では、就活に対する意識や情報収集の方法が異なる場合があります。たとえば、留学帰りの学生は海外での経験を活かせる職場を重視する傾向があり、既卒・第二新卒は即戦力としての期待に応えたいという意識が強いことがあります。
ターゲット学生の属性や志向を把握したうえで、適切なタイミングでアプローチすることが、通年採用の成功率を高めるポイントです。
採用広報に力を入れる
通年採用を実施していても、その情報が求職者に届いていなければ応募にはつながりません。「通年で採用を行っている」という事実を広く周知するための採用広報活動が重要です。
具体的には、自社の採用サイトに通年採用の実施を明記するほか、SNSやオウンドメディアを活用して社員インタビューや職場の雰囲気を発信することが効果的です。採用ブランディングを強化することで、企業の認知度向上と応募意欲の喚起を同時に実現できます。
特に中小企業やBtoB企業は、大手と比べて知名度が低いため、採用広報への投資が通年採用の成否を左右するといっても過言ではありません。
採用エリアを拡大する
通年採用の強みを最大限に活かすためには、採用エリアの拡大も検討しましょう。オンライン面接やWeb説明会を積極的に活用すれば、地方在住の学生や海外在住の候補者にもアプローチできます。
従来の対面型の選考では、地理的な制約から首都圏や大都市圏の学生が中心になりがちでした。しかし、オンラインツールの普及により、物理的な距離を超えた採用活動が可能です。
地方大学や海外大学にもアプローチ範囲を広げることで、これまで接点を持てなかった優秀な人材と出会える可能性が高まります。
採用管理ツール・AIを活用する
通年採用では、年間を通じて応募者の管理や選考の進捗管理を行う必要があるため、採用管理ツール(ATS)の導入が強く推奨されます。
ATSを活用すれば、応募者情報の一元管理、選考ステータスの可視化、面接日程の自動調整など、採用業務の多くを効率化できます。採用担当者の負担軽減に直結するため、通年採用の運用を持続可能なものにするうえで欠かせないツールです。
さらに近年では、AIを活用したエントリーシートの確認や、面接時の支援など、採用プロセスへのAI導入も進んでいます。ただし、採用領域でのAI活用にあたっては、厚生労働省が求める公正な採用選考の原則を踏まえ、最終的な判断は人間が行う体制を維持することが重要です。AIはあくまで業務効率化の手段として位置づけ、適切な運用ルールを整備したうえで導入しましょう。
こうしたテクノロジーの活用は、限られたリソースで通年採用を運用しなければならない企業にとって、大きな助けとなるでしょう。
AI採用ツールの選び方や具体的な活用方法については、「AI採用ツールおすすめ比較|選び方や導入メリットを解説」の記事もあわせてご覧ください。
通年採用の導入企業事例
通年採用を実際に導入し、成果を上げている企業の事例を紹介します。自社への導入を検討する際の参考にしてください。
ソフトバンク
ソフトバンクは、新卒採用の門戸を広げることを目的に、2015年から「ユニバーサル採用」を導入しています。この制度は、新卒・既卒・就業経験を問わず幅広い人材に門戸を開く採用の枠組みで、選考は通年で実施されています。
ユニバーサル採用では、30歳未満であれば誰でも応募が可能です。入社時期も4月と10月の年2回を設けており、留学帰りの学生や既卒者が自分のタイミングで入社できる仕組みを整えています。
「No.1採用」と呼ばれる特定分野で突出した実績を持つ人材向けの採用枠も設けるなど、多様な人材を受け入れるための柔軟な制度設計が特徴です。
ファーストリテイリング
ユニクロやGUを展開するファーストリテイリングは、通年採用の先駆的な企業として知られています。
同社では、大学1年生からエントリーが可能な通年採用を実施しています。学年や卒業時期に関係なく選考を受けられるため、学生は自分の準備が整ったタイミングで応募できます。
グローバル展開を加速する同社にとって、海外大学の卒業生や多様な文化的背景を持つ人材の確保は経営戦略上の重要課題です。通年採用は、こうしたグローバル人材の獲得を支える仕組みとして機能しています。
ニトリ
家具・インテリア大手のニトリは、2026年度から総合職採用において通年採用を導入しています。
入社時期を年4回(4月・7月・10月・1月)に拡大し、候補者がより柔軟にキャリアをスタートできる体制を構築しました。通年採用による採用機会の拡大は、同社の人材戦略において重要な位置を占めています。
ニトリの事例は、大手企業が一括採用に通年採用を組み合わせる最新のトレンドを象徴するものといえるでしょう。
出典:株式会社ニトリホールディングス「総合職採用における通年採用導入のお知らせ」
通年採用に関するよくある質問
通年採用の導入を検討する中で、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
通年採用と秋採用・二次募集の違いはなんですか?
秋採用や二次募集は、春の一括採用で充足しなかった人数を補うために、秋頃に限定的に実施する採用活動です。あくまで一括採用の補完的な位置づけであり、期間も限定されています。一方、通年採用は年間を通じて恒常的に採用活動を行う手法であり、期間限定の補充ではなく、採用戦略そのものとして実施される点が大きな違いです。
通年採用を導入すると採用コストは上がりますか?
短期的には、採用活動の期間が長くなることで広告費や人件費などのコストが増加する可能性があります。しかし、通年採用によって選考の質が向上しミスマッチが減少すれば、早期離職に伴う再採用コストの削減が期待できます。また、内定辞退への柔軟な対応が可能になることで、採用計画の達成率も向上します。中長期的な視点では、コスト最適化につながるケースが多いといえます。
一括採用と通年採用は併用できますか?
併用は可能です。実際に、多くの企業が一括採用をベースとしつつ、通年採用を補完的に導入するハイブリッド型の運用を行っています。たとえば、4月入社を中心とした一括採用で大部分の採用を行いながら、留学生や既卒者向けに通年採用枠を設けるといった方法です。自社の採用課題や人材ニーズに応じて、両方の手法を柔軟に組み合わせてみてください。
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通年採用は採用戦略の見直しから始めよう
本記事では、通年採用の定義から一括採用・中途採用との違い、メリット・デメリット、導入手順、成功のポイント、そして導入企業事例まで幅広く解説しました。
通年採用は、単に「年中採用活動を行う」ことではありません。自社の採用課題を正確に把握し、ターゲット人材を明確にしたうえで、採用計画・選考フロー・受け入れ体制を一体的に設計する「採用戦略の見直し」そのものです。
売り手市場が続く中、従来の一括採用だけでは必要な人材を確保できないという課題を抱える企業は少なくありません。通年採用の導入は、こうした課題を解決し、多様な人材と出会うための有効な手段です。
まずは自社の採用課題を棚卸しし、通年採用が自社にとって最適な選択肢かどうかを検討するところから始めてみてはいかがでしょうか。採用管理ツールやAIの活用も視野に入れながら、持続可能な採用体制の構築を目指しましょう。
人事評価へのAI活用についてさらに詳しく知りたい方は、「人事評価AIとは?導入メリットや注意点、おすすめツールを解説」の記事もあわせてご覧ください。
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