「採用活動に手が回らない」「採用担当者が不足していて思うように採用が進まない」といった悩みを抱える企業が増えています。少子高齢化による人材不足が深刻化し、採用手法も多様化するなかで、限られた社内リソースだけで質の高い採用活動を行うことは年々難しくなっています。そこで注目されているのが「採用代行(RPO)」です。
しかし、採用代行とはそもそもどのようなサービスなのか、人材紹介や人材派遣とはどう違うのか、どの業務を委託できるのか、費用はどの程度かかるのかといった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、採用代行(RPO)の定義や種類から、委託できる業務内容、メリット・デメリット、費用相場、そして導入に向いている企業の特徴や注意点まで、JAPAN AIが網羅的に解説します。
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採用代行(RPO)とは?
採用代行(RPO)とは、企業の採用業務の一部または全部を外部の専門会社に委託するサービスです。RPOは「Recruitment Process Outsourcing」の略称で、「採用アウトソーシング」とも呼ばれます。
具体的には、採用計画の立案から求人広告の作成・掲載、応募者対応、面接日程の調整、内定者フォローに至るまで、採用プロセス全般を委託できます。どの業務をどこまで委託するかは企業のニーズに応じてカスタマイズが可能で、「スカウト配信だけ依頼したい」「採用業務全体を任せたい」など、柔軟な活用ができる点が特徴です。
対象となる雇用形態も正社員に限らず、契約社員やパート・アルバイトの採用にも対応しています。採用代行は業務委託(アウトソーシング)の一種であり、委託先の専門会社が業務の遂行方法を管理・実行する点が、人材派遣や人材紹介とは異なります。
なお、矢野経済研究所の調査によると、採用アウトソーシング主要3市場の合計規模は、2022年度見込で前年度比12.4%増の約706億円に達しています。今後も市場は拡大傾向にあり、採用代行は企業の採用戦略に欠かせない選択肢の一つです。
出典:矢野経済研究所 プレスリリース「採用アウトソーシング市場に関する調査を実施(2022年)」
採用代行(RPO)の主な支援形態
採用代行の支援形態は、主に以下の2つです。
- 採用プロセス代行型
- リクルーター常駐型
採用プロセス代行型は、採用プロセスにおける事務作業やオペレーション業務を、委託先が自社のオフィスなどで遠隔対応する形態です。応募者管理、面接日程調整、スカウト配信、合否連絡など、採用に関わる実務全般を代行します。日本では最も一般的な形態で、多くの採用代行会社がこのタイプのサービスを提供しています。
リクルーター常駐型は、採用の専門スタッフ(リクルーター)をクライアント企業に常駐させ、社内メンバーとして採用活動を進める形態です。企業文化や業務内容を深く理解したうえで候補者と接するため、ミスマッチを防ぎやすいメリットがあります。外資系企業を中心に導入が進んでいます。
企業の課題や採用規模に応じて、両方の形態を組み合わせて活用するケースもあり、自社の採用課題に合った支援形態を選択することが重要です。
採用代行が注目される背景
採用代行の需要が高まっている背景には、採用手法の多様化や人材獲得競争の激化といった複合的な要因があります。
従来の求人広告や人材紹介に加え、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、SNS採用、オウンドメディアリクルーティングなど、採用チャネルが急速に多様化しています。それぞれのチャネルで求人票の作成・管理、スカウト文面の作成・配信、応募者対応などが必要であり、採用担当者の業務量は増加の一途をたどっています。
少子高齢化に伴う労働人口の減少により、売り手市場が続いている点も大きな要因です。優秀な人材を確保するには、スピーディーかつ丁寧な候補者対応、採用ブランディングの強化、選考プロセスの最適化が求められます。こうした専門性の高い業務に社内リソースだけで対応するのは困難です。
さらに、新卒採用ではインターンシップの早期化や通年採用の広がりにより、採用活動が長期化しています。中途採用でも、内定辞退への対応やフォローアップが必要な期間が延びています。結果として、採用担当者が年間を通じて採用業務に追われる状況が生まれ、コア業務に集中できないケースが増えています。こうした背景から、採用代行を活用して業務負荷を分散し、採用の質を維持・向上させる企業が増加しています。
採用代行と人材紹介・人材派遣との違い
採用代行と混同されやすいサービスに「人材紹介」と「人材派遣」があります。それぞれの違いを正しく理解することで、自社に最適なサービスを選べるようになります。以下では、採用代行との違いを比較表とともに整理します。
採用代行と人材紹介の違い
人材紹介は、人材紹介会社(エージェント)が自社のデータベースに登録されている求職者のなかから、企業の求人要件に合った候補者を選定して紹介するサービスです。料金体系は成功報酬型が一般的で、採用が決定した時点で紹介手数料(理論年収の30〜35%程度)が発生します。なお、採用難易度の高い職種やハイクラス人材では35%を超える料率が設定されるケースもあります。
一方、採用代行は採用プロセス全体の運用を支援するサービスです。人材紹介が「候補者の紹介」に特化しているのに対し、採用代行は採用計画の策定から母集団形成、選考管理、内定者フォローまで幅広い業務をカバーします。
| 比較項目 | 採用代行(RPO) | 人材紹介 |
|---|---|---|
| サービス概要 | 採用業務の一部〜全体を代行 | 求人要件に合う候補者を紹介 |
| 料金体系 | 月額固定・従量課金など | 成功報酬型(理論年収の30〜35%) |
| 支援範囲 | 採用計画〜内定フォローまで | 候補者の紹介・面接調整が中心 |
| 契約形態 | 業務委託契約 | 有料職業紹介契約 |
採用人数が少なくピンポイントで即戦力を確保したい場合は人材紹介、採用業務全体の効率化や採用力の底上げを図りたい場合は採用代行が適しています。
採用代行と人材派遣の違い
人材派遣は、派遣会社から派遣された人材が企業の指揮命令のもとで業務に従事するサービスです。企業は派遣スタッフに対して直接業務指示を行えます。
採用代行は業務委託契約に基づくサービスのため、企業が委託先のスタッフに直接的な業務指示を行うことはできません。業務の進め方や管理は委託先が裁量を持って行い、企業は進捗状況や成果に対して評価・フィードバックを行う形です。
| 比較項目 | 採用代行(RPO) | 人材派遣 |
|---|---|---|
| 契約形態 | 業務委託契約 | 労働者派遣契約 |
| 指揮命令権 | 委託先が管理 | 派遣先企業にあり |
| 料金の考え方 | 業務内容・成果に対する対価 | 派遣スタッフの時間単価 |
| 教育訓練の主体 | 委託先が実施 | 派遣元・派遣先の双方に義務あり |
人材派遣における教育訓練は、派遣元(派遣会社)にキャリアアップに資する段階的・体系的な教育訓練の実施義務があり、派遣先企業にも業務に必要な教育訓練の実施義務があります(2020年派遣法改正で義務化)。人材派遣は「人手の補充」、採用代行は「採用業務そのものの外部委託」と捉えると、違いが理解しやすくなります。
採用代行(RPO)に委託できる業務内容
採用代行に委託できる業務は多岐にわたります。採用プロセスの一部だけを切り出して依頼することも、全体を包括的に委託することも可能です。採用代行(RPO)に依頼できる代表的な委託業務を採用フローに沿って紹介します。
採用計画の立案
採用代行会社には、採用戦略の上流工程から支援を依頼できます。具体的には、以下のような業務が含まれます。
- 市場動向や競合分析を踏まえた採用計画の策定
- 採用ターゲットの要件定義・ペルソナ設計
- 採用チャネルの選定と予算配分
- 選考フローの設計・最適化
- 採用スケジュールの策定
- 採用管理システム(ATS)の導入支援
自社に採用ノウハウが不足している場合や、採用戦略を根本から見直したい場合に特に有効です。上流工程から専門家の知見を取り入れることで、採用活動全体の精度を高められます。
母集団形成
母集団形成は採用代行の活用が最も多いフェーズの一つです。応募者を集めるための実務全般を委託できます。
- 求人広告の選定・原稿作成・掲載管理
- スカウトメールの文面作成・配信・返信対応
- 人材紹介会社(エージェント)の開拓・管理
- 会社説明会やインターンシップの企画・運営
- SNSやオウンドメディアでの情報発信
- ダイレクトリクルーティングの実施
採用代行会社は年間で数百社以上の支援実績を持つケースが多く、媒体ごとの効果や最新のトレンドを熟知しています。そのため、自社で運用するよりも効率的に母集団を形成できる可能性があります。
選考に関する業務
応募者が増えるほど工数が膨らむ選考業務も、採用代行に委託できます。
- 応募書類の収集・管理
- 書類選考(スクリーニング)
- 適性検査・筆記試験の実施と結果管理
- 面接日程の調整
- 面接前日のリマインド連絡
- 合否連絡
- 面接代行(一次面接など)
なお、最終的な合否判定は企業側で行うのが一般的です。採用代行会社が選考に関わる場合は、事前に採用基準や求める人物像を詳細に共有しておきましょう。
AIを活用した書類選考の効率化について詳しく知りたい方は、「書類選考にAIを活用して採用業務を自動化!おすすめのツールも解説」の記事もあわせてご覧ください。
内定者フォロー
内定辞退が増加傾向にあるなかで、内定者フォローの重要性は高まっています。以下のような業務を委託できます。
- 内定通知書の作成・送付
- 内定者への定期的な連絡・フォローアップ
- 内定者懇親会や研修の企画・運営
- 入社書類の案内・回収
- 内定者向けサイトの運営・管理
内定から入社までの期間が長い新卒採用では、こまめなフォローが辞退防止に直結します。採用代行会社に委託することで、漏れのない丁寧なフォロー体制を構築できます。
効果検証・定着支援
採用活動の改善にはデータに基づく振り返りが不可欠です。採用代行会社には、以下のような効果検証や入社後の定着支援を依頼できるケースもあります。
- 採用チャネルごとの応募数・通過率・採用単価の分析
- 選考プロセスのボトルネック特定と改善提案
- 入社後の定期アンケート実施・フィードバック
- 早期離職防止のための施策提案
採用活動を「やりっぱなし」にせず、PDCAを回して継続的に改善することで、中長期的な採用力の向上につなげましょう。
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採用代行(RPO)のメリット
採用代行を導入することで、企業はさまざまなメリットを得られます。採用担当者の負担軽減から採用ノウハウの蓄積まで、代表的な5つのメリットを解説します。
- 採用担当者の負担が軽減される
- 採用活動の質が向上する
- 採用コストの適正化につながる
- 採用担当者が不在でも採用活動を開始できる
- 採用ノウハウを学べる
採用担当者の負担が軽減される
採用代行の最大のメリットは、採用担当者の業務負荷を大幅に軽減できることです。
応募者管理、面接日程の調整、合否連絡、求人媒体の運用管理など、採用業務には細かな事務作業が数多く存在します。これらのノンコア業務を外部に委託することで、採用担当者は面接や採用戦略の立案、候補者の見極めといったコア業務に集中できるようになります。
結果として、業務の質が向上するだけでなく、採用担当者の残業抑制にもつながり、組織全体の生産性を高められます。
採用活動の質が向上する
採用代行会社は、多くの企業の採用支援を通じて豊富なノウハウと最新の市場知見を蓄積しています。業界・職種ごとの採用トレンドや、効果的な求人原稿の書き方、スカウトメールの反応率を高めるテクニックなど、専門的な知識を活かした支援を受けられます。
また、第三者の客観的な視点から自社の採用プロセスを見直す機会にもなり、選考フローの改善や候補者体験(CX)の向上にもつながります。自社だけでは気づきにくい課題を発見し、改善策を講じられる点は大きなメリットです。
採用コストの適正化につながる
「採用代行を利用すると費用がかかる」というイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、採用代行を活用することで、採用コスト全体を適正化できるケースは少なくありません。
具体的には、採用チャネルごとの費用対効果を分析し、効果の低い媒体への出稿を見直したり、人材紹介会社の手数料交渉を代行したりすることで、採用単価の削減が期待できます。また、採用担当者を新たに雇用するよりも、必要な期間だけ採用代行を利用するほうがコストを抑えられる場合もあります。
採用担当者が不在でも採用活動を開始できる
スタートアップ企業や新規事業の立ち上げ時など、専任の採用担当者がいない状況でも、採用代行を活用すれば採用活動を速やかに開始できます。
採用計画の策定から求人掲載、応募者対応まで一連の業務を委託できるため、社内に採用経験者がいなくても、プロの知見を活かした採用活動が可能です。採用体制がまだ整っていない企業にとって、即座に専門的な採用力を得られる点は大きな強みです。
採用ノウハウを学べる
採用代行は「丸投げ」ではなく、協業を通じて自社の採用力を高める機会にもなります。
採用代行会社が実施する施策や改善提案を間近で見ることで、効果的な求人原稿の書き方、スカウトメールのテクニック、選考フローの設計方法など、実践的なノウハウを吸収できます。将来的に自社で採用活動を内製化する際にも、蓄積した知見が資産として活きてきます。
AI採用の全体像やメリット・デメリットについてさらに詳しく知りたい方は、「AI採用とは?できること・活用業務例やメリットデメリット」の記事もあわせてご覧ください。
採用代行(RPO)のデメリット
採用代行には多くのメリットがある一方で、導入にあたって注意すべきデメリットも存在します。事前にリスクを把握し適切な対策を講じることで、採用代行の効果を最大化できます。
- 社内にノウハウが蓄積されにくい
- 認識のズレによるミスマッチが発生する
- 応募者・内定者との接点が減少する
社内にノウハウが蓄積されにくい
採用業務を外部に委託することで、社内に採用ノウハウが蓄積されにくくなる可能性があります。特に、業務を丸投げしてしまうと、委託期間中に自社の採用力が向上せず、契約終了後に自走できなくなるリスクがあります。
この課題に対しては、定期的なミーティングで採用代行会社からの報告・共有を受ける体制を構築し、業務プロセスやノウハウをマニュアル化して社内に残す仕組みをつくりましょう。委託期間中から意識的にナレッジを蓄積することで、将来の内製化に備えられます。
認識のズレによるミスマッチが発生する
採用代行会社と企業の間で、求める人物像や企業文化、選考基準に関する認識がズレていると、ミスマッチが発生する恐れがあります。外部の担当者が自社の価値観や社風を十分に理解しないまま選考を進めると、入社後のギャップにつながることもあります。
導入時に採用基準や求める人物像を詳細に言語化して共有するとともに、定期的なすり合わせの場を設けて認識のズレを早期に修正してください。選考基準書や求める人物像シートなどのドキュメントを整備し、双方が同じ基準で判断できる体制を整えることが大切です。
応募者・内定者との接点が減少する
採用プロセスの一部または全体を外部に委託すると、企業と応募者・内定者との直接的な接点が減少する可能性があります。特に初期の応募者対応や面接日程調整をすべて委託すると、候補者が企業の雰囲気を感じる機会が限られてしまいます。
面接や内定者面談など、候補者との関係構築に重要なタッチポイントは自社で担当するなど、委託範囲を工夫することで接点の減少を防ぎましょう。「何を委託し、何を自社で担うか」の線引きが、採用代行を成功させるポイントです。

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採用代行(RPO)の費用相場
採用代行の費用は、委託する業務範囲や採用規模、料金体系によって大きく異なります。自社の予算と採用課題に合った料金プランを選択することが重要です。ここでは、主な料金体系と業務別の費用目安を紹介します。
料金体系の種類
採用代行の料金体系は、主に以下の3種類に分けられます。
- 月額固定型
- 従量課金型
- 成果報酬型
月額固定型は、あらかじめ決められた業務範囲に対して、月額一定の費用を支払う形態です。業務量に関わらず費用が一定のため、予算管理がしやすいメリットがあります。委託範囲が限定的な場合は月額10万〜20万円程度、採用業務全体を委託する場合は月額40万〜80万円程度が相場です。なお、スカウト配信のみなど特定業務に絞った依頼では月額5万円程度から対応可能なサービスもあります。
従量課金型は、実施した業務の内容や件数に応じて費用が変動する形態です。必要な業務だけをピンポイントで依頼したい場合や、採用時期によって業務量が変動する場合に適しています。
成果報酬型は、面接実施や採用決定など、特定の成果が達成された時点で費用が発生する形態です。採用1名あたり60万〜120万円程度が相場とされています。初期費用を抑えたい場合に有効ですが、採用人数が多い場合は割高になる傾向があります。
業務別の費用目安
従量課金型の場合、業務ごとの費用目安は以下のとおりです。なお、これらはあくまで参考値であり、採用代行会社や依頼内容によって異なります。
| 業務内容 | 費用目安 |
|---|---|
| DM・スカウト配信 | 月額3万円〜 |
| 面接日程調整 | 月額5万円〜 |
| 応募者スクリーニング | 1件あたり2,500円〜 |
| 面接代行 | 1回あたり1万円〜 |
| 合否連絡 | 月額2万円〜 |
| 内定通知書発送 | 月額2万円〜 |
| 評価シート作成 | 1件あたり3,000円〜 |
複数の採用代行会社から見積もりを取り、自社の採用規模や課題に合った料金プランを比較検討してください。
採用代行(RPO)の導入に向いている企業
採用代行はあらゆる企業にメリットがありますが、特に以下のような課題を抱える企業に適しています。自社の状況と照らし合わせ、採用代行の導入が有効かどうかを判断する際の参考にしてください。
- 採用担当者のリソースが不足している企業
- 採用ノウハウが不足している企業
- 大量採用や複数ポジションの採用を行う企業
採用担当者のリソースが不足している企業
専任の採用担当者がいない、または採用担当者が他の業務と兼務しているケースでは、採用業務に十分な時間を割けず、応募者対応の遅れや選考の長期化を招きがちです。
採用代行を活用すれば、応募者管理や日程調整などのオペレーション業務を外部に任せ、担当者は面接や最終判断などのコア業務に集中できます。限られた人員でも質の高い採用活動を実現できる点が、採用代行の大きな強みです。
採用ノウハウが不足している企業
「どの求人媒体を使えばよいかわからない」「スカウトメールの効果的な書き方がわからない」など、採用に関する知識やノウハウが社内に不足している企業にも採用代行は有効です。
採用代行会社は多くの企業の採用支援を通じて蓄積した知見を持っているため、自社だけでは得られない専門的なアドバイスやサポートを受けられます。協業を通じてノウハウを吸収し、自社の採用力を段階的に高めていくことも可能です。
大量採用や複数ポジションの採用を行う企業
採用人数が多い場合や、複数の職種・ポジションを同時に募集する場合は、応募者管理や選考プロセスの管理が複雑化します。書類選考のスクリーニング、複数の面接官との日程調整、各ポジションの進捗管理など、業務量が膨大です。
採用代行にオペレーション業務を委託することで、採用規模が大きくても品質を維持しながら効率的に採用活動を進められます。
採用代行(RPO)を導入する際の注意点
採用代行の効果を最大化するためには、導入時にいくつかのポイントを押さえておく必要があります。委託範囲の明確化と定期的な情報共有が、成功に向けた重要な要素です。
委託する業務範囲を明確にする
採用代行を導入する際は、「どの業務を委託し、どの業務を自社で担当するか」を明確に線引きすることが重要です。業務範囲が曖昧なまま進めると、対応漏れや重複作業が発生し、かえって工数が増えてしまう可能性があります。
委託範囲を決める際は、自社の採用フローを棚卸しし、コア業務(面接・最終判断・採用戦略策定など)とノンコア業務(日程調整・応募者管理・合否連絡など)を明確に区分したうえで、ノンコア業務を中心に委託するのが基本的な考え方です。
定期的に情報共有を行う
採用代行会社との間で、定期的な情報共有の場を設けることが成功のポイントです。週次や隔週でのミーティングを通じて、採用進捗の確認、課題の共有、選考基準のすり合わせを行いましょう。
情報共有が不十分だと、求める人物像とのズレや、応募者対応の方針の食い違いが生じやすくなります。コミュニケーションのルールや頻度を事前に取り決めておくことが大切です。
費用対効果を試算する
採用代行の導入を検討する際は、費用対効果を事前に試算しておきましょう。具体的には、以下の観点で比較検討してください。
- 現在の採用コスト(人件費・媒体費・紹介手数料など)と、採用代行の費用を比較
- 採用担当者が採用業務に費やしている時間を金額換算し、委託費用と比較
- 採用代行の導入によって期待できる効果(採用スピードの向上、辞退率の低下、採用単価の削減など)を定量的に見積もる
また、採用代行会社を選定する際は、自社の業界や職種での採用実績が豊富か、情報セキュリティ体制が整っているか(プライバシーマークの取得状況など)、報告・レポートの仕組みが充実しているかなども確認しましょう。
採用代行(RPO)に関してよくある質問
採用代行と人材紹介はどちらを利用すべきですか?
自社の採用課題や状況によって最適な選択肢は異なります。採用人数が少なく、特定のポジションにピンポイントで即戦力を確保したい場合は人材紹介が適しています。一方、採用業務全体の効率化や採用力の底上げを図りたい場合、あるいは採用人数が多い場合は採用代行の活用を検討しましょう。両方を併用して、人材紹介で候補者を確保しつつ、採用代行で選考管理や応募者対応を効率化するという方法もあります。
採用代行の導入にはどのくらいの期間がかかりますか?
採用代行会社や委託する業務範囲によって異なりますが、一般的には契約から稼働開始まで2週間〜1か月程度が目安です。導入時には、自社の採用フローの共有、求める人物像のすり合わせ、業務範囲の確定などの準備期間が必要です。繁忙期に合わせて導入したい場合は、余裕を持って早めに相談を始めてください。
採用代行を利用する際に必要な許可はありますか?
採用代行は、依頼する業務内容によって職業安定法第36条の「委託募集」に該当する場合があります。具体的には、採用代行会社が求職者に対して応募を勧誘する行為(スカウト送信での候補者選定・勧奨など)を行う場合は委託募集に該当し、厚生労働大臣または管轄の都道府県労働局長の許可が必要です。この場合、委託する企業側と採用代行会社の双方が許可基準を満たす必要があります。
一方、面接日程の調整や応募者管理などの事務的業務のみを委託する場合は、委託募集に該当しないケースもあります。自社が委託する業務範囲が委託募集に該当するかどうか、事前に確認しておきましょう。
採用代行(RPO)を活用して採用課題を解決しよう
本記事では、採用代行(RPO)の定義から委託できる業務内容、メリット・デメリット、費用相場、導入に向いている企業の特徴まで幅広く解説しました。
採用代行は、単なる業務の外部委託にとどまらず、採用戦略の見直しや採用力の強化を実現するための戦略的パートナーです。導入にあたっては、自社の採用課題を明確にし、委託範囲を適切に設計したうえで、信頼できるパートナーを選びましょう。
採用活動の効率化と質の向上を両立させたい企業は、まずは自社の課題を整理し、採用代行の活用を検討してみてはいかがでしょうか。


